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JC論:APDC(アジア太平洋開発協議会)とは

私は2016年から2019年まで、JCI APDC(アジア太平洋開発協議会)に出向していました。APDCのことを知らない人も多いと思うので簡単に紹介します。

一言で言うと?

アジア太平洋地域のJCがまだ無い国にJCを作ったり、JCがあるけれど衰退しつつある国の会員拡大と会員育成を支援する活動をしています。各国からの出向者40人〜60人ぐらいで運営されています。

どんな組織なの?

ASPACの総会で各国から推薦された6人のカウンシラー(評議員、Councillor )の選挙が行われます。カウンシラーの中から互選で1人の議長を選出します。評議会で、各国からの推薦をもとに、事務総長(Secretary General)、財政顧問(Treasurer)、開発担当役員(Development Officer)、議長補佐が指名されます。開発担当役員は、議長以外のカウンシラーの下に配属されます。

任期は選挙があったASPACから、次のASPACまでと変則的です。JCIの役員以外は兼任が可能です。

何をやっているの?

APDCでは、1年間で6回の公式会議(APDCミーティング)があります。議長以外のカウンシラーは1つ以上の開発対象国を持ち、配下の開発担当役員とともに対象国への訪問(ミッション)を行ないます。ミッションでは、対象国の会員や会員候補者と会い、セミナーを行って会員を育成したり、会員拡大の支援を行います。まだJCが存在していない国では、若い経済人を中心にJCとは何かを説明し、LOMを立ち上げる支援をします。

どこが面白いの?

まず、APDCは本当にグローバルな組織です。アジア太平洋だけとはいえ、10カ国から15カ国の国々から出向してきます。全く文化も考え方も違う人々が、青年会議所運動の拡大という使命を持って、同じものを目指して活動するわけです。

基本的に共通語は英語ですが、英語がネイティブの国の人はほとんどいません。全員外国語としての英語を使ってコミュニケーションを行いますので、そんなに高度な英語が使われるわけではありません。事実私もAPDCに出向するまではあまり英語を話すのは全く得意ではありませんでした。

もちろん担当国での会員拡大と育成は、それぞれの国ごとの難しさがあります。しかし、現地の事情を聞いたりそれに合わせて戦略を立てたりすることは、単なるJC運動を超えた経験となります。現地の日本大使館を訪問したり、現地の日本人ビジネスマンにコンタクトを取って知り合いを紹介してもらったり、と、出自を活かして現地の人ではできない繋がりを作ったりもします。

また、懇親会、二次会なども各国からの出向者のキャラクターが出て非常に面白いです。やたらお酒の強い人もいれば、ダンスの上手い人、冗談ばかり言っている人、歌の上手い人とタレントにはこと欠きません。場所もアジア中の場末の飲み屋から、雰囲気十分のレストラン、伝統的な料理などなど、アジア太平洋を堪能できます。

APDCで感じたこと

私が議長の時に、ラオスで始めて1つのLOMが立ち上がりました。この時感動したのが、JCを誰も知らなくても、JCの理念のもとに活動を行いたい、という若者が数多く存在するという事実です。よくJCには知名度が足りないから拡大が難しいと嘆く人が居ますが、APDCを経てJCに知名度なんて関係ないと思うようになりました。若者が、若者だけで集まって、自分たちの力で自らを変え、社会を変えようとする活動は、いつの時代でも、どこの場所でもニーズがあるのです。

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