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JC論:服装規定(ドレスコード)について

JCにはビジネス、クールビズ、JCカジュアルなどなど、色々な服装規定があります。LOMによって様々ですが、一般的にあらゆる場面でスーツが多いということは否めないでしょう。

そもそも何なの?

そもそも、服装規定は明文化された慣習(プロトコルの一種)であって、ルールではありません。服装コンプライアンス違反とか言って他人を批判している人がたまにいますが、全くおかしい話です。服装規定はルールでは無いのですから、コンプライアンス(法令遵守)は関係ありません。(もちろん全裸で外に出るのはコンプライアンス違反ですよ!ダメ!ゼッタイ!)

じゃあなんで服装規定があるのといえば、
(1)恥をかかないため(自分のため)
(2)敬意を表すため(相手のため)
(3)話を聞いてもらうため(お互いのため)
です。

結婚式やお葬式で考えてみましょう。きちんとした結婚式に短パン姿で行くはきっと恥をかくことでしょう。お葬式に真っ赤なスーツで行く人がいたら、遺族はその人が故人に敬意を表していると思うでしょうか。いくら口でお悔やみを言っても、遺族にその言葉は聞いてもらえないでしょう。そんなことにならないために、服装規定というのはあるのです。

もちろんこの服装規定をどう適用するかは、状況によって変化します。例えば、お葬式では黒いスーツが服装規定でしょうが、お通夜であれば華美でないスーツは許されるという服装規定でしょう。沖縄であればある種のかりゆしウェアはスーツの代わりに着られるという服装規定がある場合もあります。服装規定は明文化されているとはいえ所詮慣習ですから、時と場所によって変わります。ここが難しいところです。

なぜJCに服装規定が必要なの?

JCに服装規定が必要な理由、それはJCには様々な分野の人が集まり、年代や距離を超えて誰かと会う機会があるからです。

同じ分野、同じ年代、同じ国や地域の人とだけ会っているなら、服装規定は必要ありません。というか、明文化されなくても慣習はわかってるでしょ、という話です。でもJCはそうではありません。シニアのような年代の違う人と会うこともあれば、行政とか時には皇族とか、今まで会ったことのない人と会うこともあります。実際にJCの全国大会の式典には皇族がお越しになることもあります。さらに、全く別の国の人とASPACや世界会議などの場所では会うことがあるわけです。

まだ、20代で社会経験の浅い人がJCに入って、服装規定がなかったらどうなるでしょうか?きっと相手は言ってくれないけど、その人が恥をかいたり、相手に敬意がないと思われたり、話を聞いてくれなかったりするでしょう。

そうならないように、JCでは一定の服装規定を決めているわけです。別に同じ服装をするのが好きだからではありません。

服装について考えるメンバーを作る

では、JCではどんな服装規定が良いのでしょうか?

正解はありません。
服装規定は、自分と、相手と、お互いのためのものだからです。
重要なのは「理想の服装規定を遵守する」ことではなく、「服装について考えるメンバーを作る」ということです。

以下の3ステップで服装について考えるメンバーを作りましょう。

(1)自分と、相手と、お互いにとって良い服装をしよう、という服装についての意識を高める
(2)場に合った服装はどのようなものが最適か調査し、話し合って明文化する
(3)状況に合わせて個々人が決める

どれが欠けてもいけません。(1)服装についての意識が低いと、「面倒」とか「持ってない」ということになります。(2)調査し、話し合って明文化する、ということを怠ると、「時代遅れ」とか「個性の無視」とか「性差別」という批判を受けることになります。(3)状況に合わせて個々人が決めるということができないと、単なるユニフォームになって「やくざまがい」と言われるようになります。

面倒だと感じる方もいるでしょうが、服装というのは大切な文化なのです。真剣に向き合うべきもので、おろそかにすべきものではありません。服装について考えるメンバーを増やすことはJCの価値を上げるはずです。

こぼれ話:慣習を変えるのは難しい

JCの服装がスーツばかりなのは、日本JCが決めた服装規定に問題があるというご意見をよくいただきます。しかし、日本JCが服装規定を変えても、そう簡単に慣習は変わりません。上記の(1)と(3)ができていなければ、服装規定を変えるだけではうまくいきません。

例えば、2015年にサマーコンファレンスの服装規定は「自由」になりました。短パンでもなんでもいい、という形です。結果はスーツばかりでした。2016年のサマコンでも服装規定は「自由」でしたが、一部ポロシャツの人が出てきたぐらいで、ほぼ同じ結果でした。2017年にこれもOKという見本を配布しました。そうすると、短パンとスーツが混在するという奇妙な風景が展開されました。2018年に、ここまではOKという簡単な見本を配りましたが、スーツばかりに戻りました。2019年に、詳細にこれは可、これは不可というリストを配って、サマコン中に行う各地区、各ブロックの行事も全てこのリストを徹底してもらうことで、やっとほとんどの人が軽装になりました。

なんと、2015年に考えた「服装規定を緩めて、サマコンを軽装にしよう」という取り組みが実現するまでに5年かかったのです。。。

こんな服装がいいと言うのは簡単ですが、慣習を変えるのは簡単ではありません。

服装について考えるメンバーが増えることを期待しています。

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