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人の能力以下のロボットだって良いじゃないか!?

今回はロボットに求める性能について考えてみたいと思います。

生産性を向上させるロボット

『どれくらい生産性あがるんですか?』

ロボットを導入しようとしてる時によく聞かれるのがこの質問。
まぁ、当たり前なんですが、人でやっていた作業を効率化するために、もっと言えば人を雇うより費用対効果を上げるためにロボットを使いたいということですよね。

1人がやるよりもスピードが速い、正確にする、みたいなのがわかりやすいところです。例えば、下の動画みたいに目にも止まらない速さで人より速く分類作業をしたり。

絵で描いてみると、ロボットしかできないここの部分をロボット化しようとしています。

図1

発想を変えてみる

工場で使うときは、確かにロボットにしか出来ないこと、人よりも性能を上げることができることをロボット化するというのが、リーズナブルな気がします。

それは環境もある程度限定できるし、ロボットが扱うものもほぼほぼ均一化されているから、判断処理が割と速くしやすいし、柵に囲われていて、動きを速くしても安全担保もしやすい。

一方、工場から出ると、特に公共空間とかでロボットを使おうとすると、環境は無秩序だし、対象物も多様になり、一気に処理が大変になります。しっかり考えないと動けない。そうなると、なかなか人以上の能力を出すのは難しくなってしまいます。単独での動きが早くできても、考える時間は長くなり、近くにいる人が怖さを感じないようにそんなに早く動かすこともできなくなります。こうなると、なかなか人よりも効率的に作業をすることは難しくなってきます。

この話は、先日のロボットスタートアップ議論でも議論されてていた『「技術的にできることと」、「顧客が求めること」、「コストが見合うこと」、この3つが交差する領域が非常に小さい』ということにも繋がると思ってます。

では、本当にロボットは人よりも安いコストで人の能力を超えないといけないのでしょうか?

もちろん、究極的にはそこを目指すべきなことは間違いないと思います。
ただし、それ以外の使い方も生まれてきても良いのではないでしょうか?

今はとにかく人手が足りていません。深夜のコンビニや物流センターでの仕事、地方での農業。時給を上げても、全然応募がないという話はよく伺います。そんな時に人の能力を超えるロボットばかりを追い求める必要はないはずです。

視点を変えて、「人の能力を超えていなくともロボットに出来ることはロボットにやらせる。ロボットに出来ないことを人に任せる」。そんな役割分担もあっても良いのではないかと思っています。

ベン図で書くとこんな感じです。図で書くと、あんまり変わらないような気もしますが、実は真ん中の重複している領域は意外とあるんじゃないかと思ったりもします。

図2

もしこの発想ができたら、現時点でも結構ロボットが使える現場は増えるのではないでしょうか。

結局は高騰する人件費との比較、もしくは単純な人件費だけでなく、採用費用、離職リスク費用なども含めた総コストとの比較になってしまうのかもしれませんが。。。


ちょっと極端な話かもしれませんし、開発側の言い訳のような話かもしれませんが、そんな視点もあっても良いのではということで、仮説的なメモとして書かせていただきました。

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