龍が如く8の実況配信を完走した感想

Twitchでいつも観ている配信者兄貴が龍が如く8を2ヶ月ぐらい掛けてようやくクリアされた。ちなみにその方は毎日だいたい2〜4時間プレイしてスジモンマスター及びドンドコ島クリア、サイドクエスト及び追憶イベント完遂、絆ストーリー&絆さんぽもコンプリート、ハワイダンジョン・横浜ダンジョン・クリア後ダンジョンも踏破とほぼ全てやり尽くしてプレイ時間は100時間オーバー。超大作だ……
いつもは感想なんて書かないし実況観て済ませたゲームの感想を書くなんてどうなんだ?と思わなくもないが感想書きたくなったので書ーく。

・春日一番という漢

今回のストーリーはまぁ……実にシンプルだったというか言っちゃえばハワイというシリーズ最大規模の舞台に反してややあっさり気味だったかな感はある。
前作「7」が春日一番という男の半生を大河的に描いていて、全てを失った先の見えないドン底で死ぬ気でもがいていくうちに仲間が増えていき状況が二転三転していく造りだったのに対し、今回は最初から仲間も協力者もいる状況で終始一貫して茜さんを救うという目的だけで進んで春日が大きく成長するとか状況が大きく動くみたいなのがなかったからかもしれない。言うなら続編というよりアフターストーリー的な内容。いわゆる劇場版的な?
また、過去シリーズでは複数の組織や人間同士の思惑が入り乱れたり組織間や組織内での抗争があったりして複雑な物語が展開されてきたけれども、今回の敵組織は複数いると見せかけて実態は完全な一枚岩であり(ひとつ黒幕の傘下ではない組織あるけどあっさり春日サイドの仲間になるし)中盤であっさり黒幕が発覚するのもあって最後に立ち塞がるのは誰だ!?みたいなドキドキ感もちょっと薄かったと思う。最終章って表示された時に「あれ、話全然進んだ気しないけどもう終わり?」となってしまった。

ただやっぱりそれでも……春日一番という男があまりにもいいキャラクターすぎて観ててとても気持ちがいいしとても引き込まれる。こういうタイプのキャラってひとつでも匙加減間違えてると押し付けがましくなったり説教臭いだけになったりしがちだと思うんですけど春日はほんとうに絶妙なバランスにいるキャラしてて……作中でも言われたようにお人好しのバカではあるのだけれども、人を焚き付けたりする時にちゃんと損得の理論を通すし、肝心なところではしっかり察しの良さを見せるし、相手がどう、じゃなくて自分がどう、で動くから言う事が綺麗事にならないし「それ許しちゃいかんでしょ」みたいなのがほとんど無い上で全てを受け入れる器のデカさを見せているのが本当に凄いと思う。バカなのにクレバーさがある。矛盾してるけどそう表現するしかない。
ストーリーのメッセージ性は強いけど春日のキャラのお陰で全然説教臭さがなかったというか、7で積み上げた春日の半生があるからこそ春日は自然とそういう事言うと思えるし、元ヤクザの下っ端で、10年以上刑務所で人生を棒に振って、出所後全てを失ったけれども、自分を利用しようと近づいてきたナンバや足立さん、敵対していたコミジュルや横浜流民の面々とも友達になって居場所を手に入れられた春日だからこそ、今回トミザワや千歳、そして英二に投げかけた「人生はやり直せる」という言葉に説得力が生まれていると思った。

・桐生一馬という老人の終活

5や6で散々桐生サーガ最終章ヅラして死んだ死んだ詐欺してきたが今回は末期ガンを患い見るからに老け込んでやつれたおじいちゃん(それでも足立さんよりは年下)として登場し今度こそ本当に死んでしまうんだな……感を出してきたシリーズの大看板・桐生一馬。序盤で春日の助っ人として登場し、中盤で戦線を離脱して日本に戻り人生のやり残しに向き合っていく。
追憶イベントとして過去作のキャラが総登場して桐生の歩んできた道のその先を見せられるわけだが、こう、やはり人生の積み重ねみたいなのを一気にブワーッとぶつけられるとウウーッ!ってなってしまう。オトナ帝国のひろしの回想とか、不滅のあなたへのピオランの最期とかそういうのに弱いので……

ポケサーファイターの「僕の大事な大事な友達なんだ」のくだりは思わず泣いてしまった。

ただまぁ……エンディング後のアレは……あのオチにするなら作中でももっと鈴木太一呼びで徹底するべきだったよな……とは思う。「名前を取り戻すことができた」っていうのがちょっと分かりづらい。
でもどこか死にたがりだった桐生ちゃんがカッコよく死ぬことを否定して醜い姿晒してでも生きていく事にしたというのは感慨深さがありますね……

こまかいところ

・冒頭の暴露系Vtuberに悪行デッチあげられて職を失うシーン、ここで他作品ならやりがちなネットの悪意が~とか強く糾弾するみたいなことはせず「(前作の終盤で)俺達も同じようなことをやった」とするのがしっかりしていると思う。
・春日たちが桐生の事をよく知っている事になっていたのはちょっと引っ掛かった(前作だと助けてくれた名前の知らないなんか凄い人ぐらいの関わりだったので)真島兄さんかソンヒあたりが正体教えちゃったのだろうか?
・山井くん、事前情報でスタッフが真島兄さん並の人気になる!とかビッグマウス叩いててまたまた~……と思っていたが実際協力者になってからのツンデレっぷりとか逮捕直前のイベントとかはおめェ~いい人すぎるじゃんよ~ってなった。トミーの肩の骨折ったり森に放火したりしたけどな!まァでも……真島の兄さんの魅力には遠く及ばないかナァ~(ひいき目)
・システム面だと極技継承システムが良さそうと思った。前作は春日の勇者の執念(いわゆる食いしばり)やナンバの未知の悪臭(敵全体大劣化)など有用な技がデフォ職に偏っていてジョブチェンジの自由度が低かったけれども今回は最大5つどれでも好きな技をカスタムするシステムになったので好きなジョブで遊べる自由ができたと思う。
・ドンドコ島もすごい楽しそう。こっちはあくまでおまけゲームだからと割り切られているから一概に比べられないけどあつ森で出来なかった事全部できる!って感じで……(あつ森の特にDIY周りの仕様にかなり不満持っちゃった側のプレイヤーなので……)
・やり尽くし配信を観てもなお自分でやりたくなるいいゲーム。いずれやりたい。

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