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「書く」ことで、人の役に立ちたい

「その瞬間」は、仕事が順調なときではなく、むしろ困難なときに、フッとやってきます。たった今書いた契約書の条文を消して、もう一度書いて、やっぱりまた消して・・・。クライアントのために「悩んでいる」ときが、僕にとって「これが天職だ」と感じる瞬間です。

こんにちは。
行政書士の竹永大です。

今回は、いつもの契約書の知識についてではなく「あなたの隣に、契約書のアドバイザーがいるべき理由」について書きたいと思います。この話題を通じて、僕の「仕事への価値観」が伝えられそうだと思ったからです。

迷いや、不安を取り除く仕事

僕は、平成15年(2003)年に「行政書士」になりました。行政書士の取扱業務はたくさんあるのですが、不器用であまり得意分野を広げられなかった僕は、思い切って「契約書」に絞って仕事をするようになりました。
具体的にいうとこれは、クライアントから取引の内容をうかがって、それを契約書の形式で言語化したり、取引の相手方から提示された契約書の意味を、クライアントにかみ砕いて伝えたりすることで、判断の参考にしていただき、迷いや不安をとりのぞく仕事だと、僕は思っています。

なぜ「必要」なのか?

契約書はビジネスをしていれば必ず直面する、いわば「避けては通れない道」のようなものですが、少々かたくるしく、細かくて、読むのが面倒くさいようなところがあります。それでいてその内容はかなり重要な意味を持っています。
それに、わずかひとことの差が大きなリスクとなることもあります。あたらしく契約書をつくるときも大変ですが、相手とのやりとりのなかで契約書を読んで、締結して大丈夫かどうかのジャッジをしなければならないときも、意外と迷うものなのです。

面倒だけどやらなくてはならないことだし、契約書の小難しい単語を分かりやすく伝えることなら、僕にもできる気がしました。なにか自分にとっての可能性を感じたのです。
契約書をつくることは、かくいう僕にとっても楽ではないのですが、だからこそ代わりにやってもらいたい人は多いはずです。

「書く」ことで、人の役に立ちたい

もともと僕は若いころから、人前で話をしたり、大勢と打ち解けたりすることは苦手(というより全然ダメ)でした。そういうのも「得意にならなくては」と、自分を訓練しようと頑張ってみたこともあったのですが、うまくいきませんでした。
ただ人付き合いが苦手な「代わりに」ということなのか、僕は文章で説明したり、人が書いたものをもっと読みやすく直したりするのはわりと好きでした。たとえば学生時代は、友達が書いたレポートなんかを、僕がサッと手直しするだけで、見違えて説得力が増して驚かれたりしたのです。

そんな、非常に小さな成功体験ではありますが、だからずいぶん昔から、漠然と「書くことで人の役に立ちたい」という気持ちが心の底にあったような気がします。結局それが「契約書のアドバイザー」という仕事につながったのかも知れません。すぐに、取引の内容や権利義務関係について独特の用語を使いながら文書にまとめていく、この契約書の世界にはまっていきましたから。

まだ、AIにはできない仕事

ところで最近は、ずいぶんとインターネットが便利になったおかげで、「契約書」もみなさんご自身でお作りになっています。それ自体は歓迎すべきことだと思いますし、僕も、この分野が技術的にもますます便利になってほしいです。
ただ、インターネットには、現時点では決定的に足りていないことがあります。それは契約書を一緒に見直してブラッシュアップする過程や、最終的に「これで大丈夫だ」という納得感に至るための「関係性や対話」です。

いずれは、AIがこの部分もまかなえるのかもしれませんね。「リーガルテック」といって、実際いろいろと面白いサービスが登場していますから、それについてもまた書いて発信したいところです。ただ、少なくとも、機械に一緒に考えてもらうことや、一緒に悩んでもらえるといったことは、まだまだ先のことなんじゃないかなという気がします。

部外者であることの強み

やっぱり、契約書にしても、第三者が客観的にみることで、ずいぶんとはかどったり、見え方がかわったりしますから、単純にいって「より良いもの」ができあがりやすくなります。
人間、意外に自分のことだとみえにくいものです。これは契約書に限らず、主観だけでみているより、往々にして第三者が客観的にみたときにおこる自然現象みたいなものですから、当然僕自身も例外ではありません。

そして一人で会社を経営している社長さんや、フリーランスの方、また、企業にいても契約書のことについてはお一人で担当せざるを得ない会社員の方などは、非常に多くおられます。そもそも、契約書の起案に何人もの人材をあてられる組織なんてごく稀ですので、やはりこの仕事はどうしても単独登頂になりがちなのです。

自分だけで考えていると、どうしても「ここまで書いて大丈夫かな・・・」「なにか見落としてないかな・・・」「本当にこれでいいのかな・・・」などと、不安になったり心配になったりするものです。

そんなとき、あなたの隣にもアドバイザーがいたら、非常に効率的だし、なにより「安心」ではないでしょうか? 
もちろん同じ社内の人でもいいのですが、僕のような外部の人間であれば、遠慮のない、より客観的なみかたができるはずですから、その点もメリットだと思っています。

まとめ

「あなたの隣に契約書のアドバイザーがいるべき理由」は、ビジネスに必須の契約書を、効率よく作成したりチェックしたりできるようになる、ということ。それから必要な判断をサポートし、迷いや不安を減らしてくれるから。さらに、客観的な視点をとりいれることで、意外な発見と出会えるかもしれないから、です。あなたが次に契約書に向き合うとき、思い出していただけたら嬉しいです。

追伸

契約書のひな形をまとめています。あなたのビジネスにお役立てください。


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