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「又は」と「若しくは」はこう違う

――― 結論はこれです。

(A若しくはB)又はC

契約書などではこういう使い方をします。「又は」と「若しくは」。この接続詞が使われない契約書はほとんどないでしょう。意識していないと正しい使い方を忘れがちです。

通常は「又は」を使います。「又は」は、どちらか、といいたいときに使う接続詞です。これとこれのどれかを、という意味ですね。契約書ではあんな場合は、・・・こうだったら・・・という表現がたくさんあるので、多用されます。重要なのは、単にAかBか、というときは「又は」を使い、「若しくは」を使わないということです。

選択肢が3つ以上に増えたときはどうするかというと、最後の接続に「又は」をつかいます。ここでも「若しくは」を使わず、又はを使っていることに注意してください。

そして、選択肢が「グループ分け」されることがありますが、この場合にはじめて「若しくは」が加わることになります。グループ分けとは、選択肢の幅がジャンルを超えて広がったようなイメージです。

この関係は、文章よりも数式みたいに表すと簡単にわかります。

つまり、単純な(グループ分けの無い)選択肢のうちは、

A又はB
A、B、又はC

と表現するのであり、「又は」しか使いません。

AかBのどちらか、という場合や、選択肢が3つ以上になった場合も、最後の接続にだけ「又は」を使います。

「若しくは」が出てくるのは冒頭で示したとおり、

(A若しくはB)又はC

となるときです。つまり、小さいまとまりの接続には「若しくは」を使い、そのまとまりとの接続には「又は」が使われています。ひとつのジャンルを「若しくは」でまとめておいて、それとの大きな接続では「又は」を使う、ともいえます。これが若しくはの使い道です。

ジャンルのなかで選択肢がさらに増えた場合は?

(A、B若しくはC)又はD

となります。

ジャンルが複数になったらどうするか? 乃木坂の誰かか、それか欅坂の誰かか、それか秋元先生、みたいに。具体例はあまりみかけませんが、理論上は下記のようになります。

{(A若しくはB)若しくは(C若しくはD)}又はE

仮に間違えても契約書が無効になるわけではありませんが、接続詞の使い方に気を付けたいですね。


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