見出し画像

この契約書にはこの印紙を貼ればよい

結局いくらの印紙を契約書に貼ればいいの?

契約書に貼る印紙で迷っていませんか? 電子契約なら印紙はいらないけれど、わけあっていまは紙の契約書を使うしかなく、

この契約書には印紙を貼るのかな?」

「貼るんだったらいくらなのかな?」

「結局貼るのか貼らないのか、いますぐ知りたい!」

という方の疑問にこたえます。

なかなか結論が出ない理由

よくネットで調べると、こういう場合もある、ああいう場合もある、とは書いてあるけれど結論がわからなくて困りませんか? 私もそうでした。しかし印紙を貼るかどうかやいくらの金額の印紙を貼るのかは、最終的には契約書の内容で決まるため、途中までしか説明できないものです。

タイトルとは無関係だから

契約書のタイトルごとに印紙が決まっていれば楽なのですが、契約書のタイトルは様々なものがあるし、そもそも印紙判断の基準ではありません。タイトルがなんであろうと、結局は内容で決まってしまいます。

それでも印紙を貼るのかどうか決めたい

それでも結論はださないといけませんよね。そこで、タイトルごとに印紙を貼るのかどうかの傾向を解説します。必ずこのとおりとはいえませんが、だいたいこういうタイトルだと、印紙を貼ることが多い、という経験上の傾向です。最終的には内容で決まるけれど、先にタイトルで見当をつける感じです。

タイトルごとの印紙

あなたの契約書のタイトルを見て、似たものがないか探してください。印紙を貼る可能性が高いかどうかがわかります。

業務委託契約書 △

・業務委託契約書というタイトルの契約書では、貼る場合と貼らない場合があります。ただ、内容が請負契約になっていることが多いので、結果、印紙を貼ることが多い契約書です。なので、念のため「請負契約書」の解説をみてください。

顧問契約書 △

・顧問契約書というタイトルの契約書では、印紙を貼らないことが多いです。顧問契約の性質が委任契約になっている場合、課税文書に該当しないことが多いからです。
・ただし、顧問契約というタイトルでも、なんらかの成果物を完成させて依頼主に引き渡す内容を含む場合があります。この場合は請負契約として印紙を貼ることがあります。というわけで、詳しくは「請負契約書」の解説をみてください。

取引基本契約書 〇

・取引基本契約書というタイトルの契約書では、印紙を貼ることが多いです。「継続的取引の基本となる契約書(7号文書)」という課税文書だと判断されるからです。収入印紙は1通4,000円です。(高い!)

代理店契約書・特約店契約書 〇

・代理店契約書、特約店契約書などのタイトルの契約書では、印紙を貼ることが多いです。これも「継続的取引の基本となる契約書(7号文書)」という課税文書だと判断されるからです。収入印紙は1通4,000円です。

秘密保持契約書 ×

・秘密保持契約書というタイトルの契約書では、印紙は貼らないことが多いです。


注文書 △

・貼らないようでいて、貼ることがあります。注意してください。内容がただの注文書なら、課税文書になりません。しかし請負契約を成立させる内容になっていることがあります。この場合は請負契約書と判断される可能性があるので、請負契約書の説明をご覧ください。


請負契約書 〇

・請負契約書というタイトルの契約書では、印紙を貼ることが多いです。請負契約とは頼まれたものを完成させて発注者に引き渡す内容の契約です。
・請負契約書の場合の収入印紙は「請負に関する契約書(2号文書)」という課税文書にあたります。つまり契約書の内容を読んでみて「請負契約」なら、印紙を貼ってください。
2号文書だった場合、収入印紙の金額は契約金額によって異なります。つまり契約金額が100万円以下なら収入印紙は200円のものになり、100万円を超えて200万円以下なら収入印紙は400円のもの、という具合です。

具体的には以下の通りです。

記載された契約金額が
1万円未満 非課税
1万円以上100万円以下 200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下 1千円
300万円を超え500万円以下 2千円
500万円を超え1千万円以下 1万円
1千万円を超え5千万円以下 2万円
5千万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 20万円
10億円を超え50億円以下 40万円
50億円を超えるもの 60万円
契約金額の記載のないもの 200円

↑上記は、2号文書(請負契約)の場合です。すべての印紙がこの基準ではありませんので注意してくださいね。

まとめ

印紙の判断は非常にやっかいです。難しい場合は税務署に聞いてしまった方が早い場合があります。でも、頻繁に発生するものについては自社で判断できるようになると便利です。

蛇足ですが、電子契約書なら、印紙はかかりません。この機会に導入を検討しましょう。下記の記事に電子契約のおすすめの理由を記載しています。(あくまで個人の感想であり、こういった企業のまわしものとか宣伝のたぐいではありません。念のため。)


もしこの記事が少しでも「役に立ったな」「有益だな」と思っていただけましたら、サポートをご検討いただけますと大変嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。