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好きなら好きって言えばいいんだ

本日WOWOWの総合アカウントからWOWOW版「下町ロケット」を観た感想のつぶやきに対して御礼をもらいました。

ボクもなるべく小説の感想を上げてくださった人には短くとも御礼するようにはしているのですが、やっぱりちょっと驚きますね。
公式なアカウントさんですもの。
ボクなんかは作家とはいえ、個人事業主ですから帝国重工からみた佃製作所よりもちいさな存在ですから。

でもよくよく考えて見れば元々は池井戸潤さんの小説が原作ですから…あ、そういえば以前「池井戸潤さんはあと10年したらディケイド潤さんになる」ってつぶやきに事務所の方から「社長に相談してみます」ってお返事を頂いて、しまった!向こうは社長だ!ってなったことがあります。

なんて小さいやつなんだ!私は!

いやいや…それはそれとしてマンガ家や小説家、舞台、テレビ業界に関わる友人たちの声を聞くにつけ、お手紙、FAXなどの感想は減りSNSでのエア発信が増えているようです。

例えばミュージカル『シャーロックホームズ2〜ブラッディゲーム』制作の㈱キューブさんでは、取材記事の切り抜きを楽屋裏に貼り付けたり、舞台観劇後の感想をtogetterにまとめたりして出演者や関係者へのエールにしていました。

なぜ例に上げたのかというと、ボクが推している秋元才加ちゃんがこのミュージカルに出ていたおかげで、橋本さとしさんやまりゑさん、また過去にも『ロックオペラモーツアルト』でも共演していただいたコング桑田さんなど素晴らしい役者さんを好きになれたからということもあります。

このシリーズはオリジナルが韓国制作でもう一話予定されていて、2のラストではアルセーヌ・ルパンの登場が予告されています。

次のお話があるかどうかはわかりません。
ボクの推している秋元才加ちゃんは、今回ゲストだったので次回は呼ばれない可能性は高いと思います。
でもこのシリーズは三部作なら最後まで見届けたいという気持ちもあります。(1もDVDを買ってしまいました。)

ボク一人や、界隈と呼んでいるファン一同が頑張らなくったって秋元才加ちゃんは実力でこれからも舞台やテレビに呼ばれるかもしれません。

でも今後とも秋元才加ちゃんの起用をお願いしたい、そのためには秋元才加ちゃんをキャスティングすればこれだけのチケット販売が見込まれるという予想実績も必要ですし、熱心なファンがいることを印象付けられたらいいなという思いもあって、そのミュージカルの制作会社の㈱キューブさんに宛てて手紙を書いたことがあります。


また宝塚出身の方には「総見」と呼ばれる文化があることも知りました。
たとえば一路真輝さんであれば「一路総見」となります。
実は「一路総見」の日に観に行ったことがあり、その日は宝塚時代から一路真輝さんを応援しているファンの方々がたくさん来られているらしく、客席の雰囲気がいつもとは違っていました。

その日のアンコールに応えホームズ役の橋本さとしさんは「今日は一路さんの大切な方々が沢山見に来られていると聞きました」とワトソン役の一路真輝さんの十八番である『エリザベート』のトート閣下を一寸でもと促し一路さんもそれに応え「日本のジャン・バルジャンがいる!」と橋本さとしさんにやり返したりしていました。

ボクはその日その空間にいられたことを、役者さんの世界にだけある「役者さんとファンの接続関係」が感じられて、とてもとても幸せなことだなぁとそういう関係をライブでは築くことが出来ない作家として羨ましくてたまらなくなりました。


純粋な発想ではないかもしれませんが、長い間作家として生活していると初刷何万部とか増刷、何刷というものが厳然として目の前に横たわっているのを乗り越えなければならないし、伴走者である編集者が戦えるためのひとつの武器にしてあげないといけないなと考えてしまうのです。


一時期マンガ家やライトノベル作家が発売後一週間の売上で次巻が出せるかどうかが決まるから、できれば早めに買ってくださいというtweetが回りました。

ライトノベル時代に実際にボクは初版の8割を一週間以内に売ることが出来なかったことで二巻で止まってしまった作品が実際にありました。

本当は強制なんかしたくないんです。でも「面白そうだ」と手にとってもらわなくては次がない…そういうジレンマを抱えていることは本当のことなのです。そんな裏事情なんか関係なく内容だけで勝負したい!作家はみんなそう思って書いているのです。

でも書いた後は「どうだった?」って聞きたいんです。舞台や音楽のライブみたいに直接跳ね返ってこないから。

ネットではやれ炎上商法だの批判ばかりが目立ってしまう昨今、マンセーと呼ばれたって好きなら好き!って言えばいいことじゃないか。
なにも正鵠を突いた批評をしなくちゃならないってことはないんです。

面白かった!
好き!
読書感想文のテストじゃないんだから正しい理由を書かなくてもいいんです。


「好き!」っていう言葉は最高だ。

ボクのあんまり好きじゃない作詞家秋元康さんの歌詞の抜粋ですけど、この言葉は本当だと思いますよ。

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