ボクの好きな「刑事フォイル」

ボクがBSプレミアムで放送中の『刑事フォイル』がとてもお気に入りだという話は前にもしたような気がします。他でしたのでしょうか?

ともあれちょっと語らせてください(ウザい)


舞台は第二次世界大戦が始まったばかりのドーバー海峡に面した美しい町ヘイスティングズ。まだアメリカは参戦するかどうかを迷っており、イギリスはいつドイツに攻め込まれるかと怯えています。


ドイツ系の亡命者や移民はクラスAからCに分類され、収容されなかったり強制的に収容されたりします。


そういう時代に警視正フォイルは、刑事事件の捜査をします。
傷害、強盗、殺人など今ボクたちの日常で起きている事件は、戦争中にだってあるのです。


物語冒頭でフォイルは、もっと国家の役に立つ仕事がしたいと上司に転属を願いますが聞き入れられません。



上司の答えはこうです。

「いまは戦時下にあり、人を殺す技術を持った人間がウヨウヨしている。殺人事件の件数は減っているが人口一人あたりにすると殺人はむしろ増加している。警察も人手が足りないんだ」

事件の捜査をしている最中にも「あいつドイツ人なのになぜ収容されない」とか「一人でもドイツ人を殺してやりたい」というセリフが市井の人々から聞こえてきます。



これが推理の目くらましにもなっているのですが、フォイルはただ淡々と捜査を続けます。

そんな中ノルウェー戦線で片脚を失ったポール・ミルナーという元巡査部長をスカウトに行きます。
彼は新聞に"英雄の帰還"と書かれていたのに、悲惨な前線の体験を話し、今のところ「ドイツ人は死ね」などと口に出したことはありません。
すこし揺れる心も描かれておりますけどね。



毎回前後編で構成されていますが、一話の後編でレーダー開発に関わる軍人がこのように心中を吐露します。

「我々イギリス軍は弱い。ノルウェー戦線で負けたのもレーダーがなく、敵の動きを察知できなかったからだ。ボクはそのために働いている。ボクを捕まえることで誰か得をするか?よく考えてほしい」



街の中に沢山の殺人の技術を持ってしまった元軍人が溢れてしまっている状況、そしてドイツ人を殺せと訴える市井の人々、そして大義のためなら少しの殺人は目をつぶれという人。

そしてフォイルは、せっかく上司が用意してくれた内務省の仕事を断ります。

いま捜査中の事件がありますので、と、



戦時という特殊な状況下で決して犯罪を見逃すことなく、地道に刑事事件として捜査をする警視正フォイルと、巡査部長ポール・ミルナーと、運転手のサム(女性)。

全く派手さはありません。ただ淡々と描かれる物語は、毎回ボクの心を打つのです。

全28話のうち14話まで放送されましたが、まだまだ楽しみな刑事ドラマです。

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