見出し画像

職種にこだわらず入社した私が編集者になるまで

*これは2022年11月5日に開催される「コルクスタジオフェス」の企画「自分の3年前、1年前、現在を振り返る」に参加したnoteです。


遡ること3年前の2019年、私は少し迷っていた。

2017年に代表・佐渡島の秘書として入社した私が2019年の2年間で経験した職種、「秘書」「経営企画」「採用」「新規事業」「作家マネジメント」「編集アシスタント」「ファンコミュニティ運営全般」…え、ひ..しょ…?

もともとコルクには職種にこだわらないで入社した。定期採用ではなく、ポジションが空くごとの採用で、ずっとコルクという会社に興味があったけれどなかなかタイミングがあわなかったというのもある。佐渡島との採用面接で秘書についての役割を聞かされた時も、なんか言ってることが壮大で「それって..弟子ってことですかね?」と答えたくらい、いわゆる世間一般のイメージの秘書とはかけ離れていた気がするから。
そしてそれは「コルクという会社にとても興味があって」、「コルクという会社を盛り上げたいと思っている」私にとってはとても魅力的に感じたから。

とにかく最初は夢中で突っ走って、丸2年が経った。
3年目に突入して、ふと立ち止まって冒頭。
私って何やってるんだっけ..? 何やりたかったんだっけ…?


ド・ロスジェネ世代ど真ん中、就職氷河期世代のわたしたちがずっと言われ続けてたことは「職種を極めろ」だった。

まだまだ「AIによって人間の仕事が失われる」話なんて一般的でなかった時代。
その道のプロになれば、この厳しい氷河期世代の中でも生き延びていける。転職にも有利。アピールもしやすい。
前職もそれを体現するかのような「職種別採用」を取り入れていた。
前職の業界や職種もとても好きでやりがいもあったけれど、それ以上に可能性と挑戦したいという自分の想いを信じて入ったコルク。
コルクに入って3年目、その価値観がぐるぐる揺らいでいた。


ターニングポイントは2020年。新人作家育成や、webtoonなど新しいマンガの表現を模索し・打ち出していく「コルクスタジオ」が立ち上がり、その部署のメンバーのひとりにアサインされた。

今まで以上に、作家さんたちと近い距離で、ものすごいスピードで、それは肌のターンオーバーのように毎日新陳代謝されていく場所。

その中で少しずつ「作家と一緒にものづくりをしていくこと」とはどういうことなのか、作家さんたちがどのようなことに苦しみ、喜び、楽しんで、作品を生み出しているのか、ということが身に沁みてわかってきた。
これは、言われてわかることではなくて、体験を経て、感覚でわかる、といったほうが私の中でぴったりくる。
作家さんたちも当たり前だけど自分と同じ、血の通ったひとりの人間。彼らが生み出す無限大の可能性。今まで仕事として関わってきたことが、ちがう熱を帯びてきている感じがした。

そこから2021年に時が流れて、現在は2022年。
おかげさまで、たくさんの作家・作品を担当させてもらっている。
例えばこの1年間で担当した作品。
どれも好きな作品しかない。

書籍としての編集はもちろん出版社の編集者さんがいるし、担当、と一言で言っても作品によってかなりバリエーションがある。また、リンクはAmazonの電子書籍のものだけだけど、見開きをwebtoon化することで、LINEマンガや他PFにも幅広く出すなど、可能性をどんどん広げていっている。そしてそれは、自分と作家さんだけじゃできないこと。「コルクスタジオ」という組織だからこそできていること。

サイン本企画や

岸田奈美発案・陸上寿司の商標をとりにいって公式サイトをつくったり、

ファンクラブ立ち上げたり、


進行中のプロジェクトや作品も含め、ここでは書ききれないあれやこれやをやってるうちに3年前に考えてた迷いみたいなものはなくなっていました。そして今更ながら気づく「すべては今日につながっている..やらなくてよいことはなにひとつなかった」と。

つまりは作家と「物語の力で一人一人の世界を変える」作品を生み出し
長く後世へ残していくことを目指すことにつながっていると。

そしてそれを一言であらわすうえで「編集」という言葉は、一番近いんじゃないかと思いました。“コルクにおける”「編集」。

それはまだまだ始まったばかりで、広義で、明確な答えはなくて、その分、迷ったり苦しんだりすることもいろいろとあるかもしれない。
でも、その答えのきざしが自分の中でほんの少しでも見えた時に、それは光となって、自分の足元を照らしてくれるはず。そしてその光は、多幸感に溢れている。

これからもたくさんの作家さんたちにふれて、作品を世に出していきたい。


明日少し登壇します!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?