活動

コンペティションから見るこれからの正しい仕事の受け方


まず「僕が独立した時と今では仕事の受け方が様変わりしたと感じています。」


これまで僕は色々なコンペに挑戦し、結果を残したり負けたりたくさんの経験をしてきました。だいたいの統計ですが7割くらいの勝利数かなと思います。

2006
日本建築学会近畿支部都市計画部会主催 続々現場主義 特別賞(学生時代)

2012
・愛知建築士会名古屋北支部建築コンクール古谷誠章賞 受賞

2013
・第4回建築コンクール佳作 受賞

2014
・古湯温泉ONCRIアートコンペ「トコノマノコト」 入賞
・第24回紙わざ大賞 入選
・横浜アートコンペティション2015 入選

2015
・第6回建築コンクール審査員賞(江尻憲泰賞) 受賞
・Art in the office CCC award 入選
・第25回紙わざ大賞 作品名「右脳と左脳」 入選
・同コンペ 作品名「無限に続くものの正体」 入選

2016
・Under 35 Architects exhibition 2016選出
・1STESTとしてコニカミノルタ主催ソーシャルデザインアワード2016「プロジェクト賞」

2017
・LEXUS DESIGN AWARD 2017 PANEL WINNER
・第27回紙わざ大賞 入選


最近はあまりコンペに挑戦する機会も少なくなりましたが指名コンペなどのご依頼はいただくことが増えました。

その中で、僕がコンペに挑戦する際に大切にしている心構えをご紹介したいと思います。

そしてこの心構えはコンペでなくても、個人で仕事を受ける際(副業やフリーランス、自営業など)にどんな仕事であれば受けるべきか、そして受けた仕事をどのように自分のものにするかなどの参考にもなるかなと思います。


"コンペティションから見るこれからの正しい仕事の受け方"


①対象に見合うだけの「使える時間」を想定する

コンペの作品作り(コンセプト含め)や紙面デザインは1週間で仕上げる

僕はコンペのテーマなどを目にしてから提出資料完成まで1週間以上かけません。当たり前ですが仕事をしながらなので1週間まるまるでもありません。1日長くても4時間を7日間でできない時と判断した時はコンペへの挑戦はやめます。まず1週間でできるかを想定しできそうであれば準備に入ります。

「自分が持っている時間を知っておく」


②仕事の「価格と価値」のバランスを検討する

コンペは基本的に自腹が多いのでお金がいくらかかりそうか検討し、費用に対して良い投資になるか検討する

コンペの主催者側はよく「こんな場所で展示ができるから価値がある」や「このコンペは多くの人に見られる」などの価値をコンペ参加の意義にしていることがあります。確かに素晴らしい場所で作品展示ができる場合もありますが、作品を自腹で郵送したり、自分自身がその場所に展示しに行くためにお金を使うだけの価値があるかを想定する必要があります。

「価格と価値の総合的判断が重要」


③その仕事を知っている先人に話を聞いてみる

過去に賞を取った方々がその後どうなったかを知る

コンペに勝つということも大切ですが、多くの労力やお金をかけたのであればそれが自己投資にならなくては意味がありません。そのコンペが投資になるかは過去の受賞者をみればある程度想定できます。過去の受賞者のその後を追跡ができればしてみるのも良いと思います。

「仕事の結果を先に想定しておくことも重要」


④情報発信する時の自分の立ち位置を明確にしておく

コンペに負けたとしても提出作品を大切にできるコンペにしか参加しない

コンペによっては規約の中に「応募作品の使用権はコンペ主催者側に帰属」と書かれていることがあります。これは勝とうが負けようが作品の使用権を奪われてしまうことを意味します。言葉を変えるとタダでコンペ主催者に作品をあげることにもなりかねません。海外コンペではほとんど見られない日本独特の条件だと思います。だから必ず規約は読んでおいた方が良いと思います。

「特に請負の場合に自分のブランディングになるのかを先に検討する」


⑤楽しいと思える仕事を持っておく

成長や挑戦に繋がる趣味のコンペも持っておく

僕にとって紙わざ大賞がそれに当たるのですが、楽しむだけのコンペがあっても良いと思います。勝ちたい!投資にしたい!というよりもそのコンペを機会に自分が作ったことのない作品に挑戦するなど「楽しむ」ことを重要視することも大切かなと思います。

「投資や仕事のことばかりではなく、自分を満たすための仕事を持つ」


⑥オリジナリティを重要視しておく

コンペに勝つためだけではなく、自分のためにも作品を作る

コンペに勝つためにはよくコンペの審査員の研究をするということが言われます。確かに審査する人にまずは伝わらなければなりません。しかし、その作品に自分らしさがなければいつまで経ってもオリジナリティは生まれません。勝つことよりも「自分らしさ」を見つけることの方が大切だと思います。

「仕事をする時に少しでも"自分らしさ"を盛り込む」


⑦ちょっとだけ背伸びをする

やったことのないコンペに挑戦してみる

1度勝ったことのあるコンペでは勝ち方を覚えてしまうことがあります。そうなってしまうと成長もないですし、そこからオリジナリティも生まれません。だからはじめは手軽なコンペでも良いですが、常に新しくそして難しそうなコンペに挑戦することが重要です。

「自分を成長させてくれそうな仕事を大切にする」


コンペに勝つことで得られたことを参考にした「仕事を受ける際の重要な項目」をまとめると以下です。

「自分が持っている時間を知っておく」
「価格と価値の総合的判断が重要」
「仕事の結果を先に想定しておくことも重要」
「特に請負の場合に自分のブランディングになるのかを先に検討する」
「投資や仕事のことばかりではなく、自分の心を満たすための仕事を持つ」
「仕事をする時に少しでも"自分らしさ"を盛り込む」
「自分を成長させてくれそうな仕事を大切にする」


ただ単にお金になるからという仕事の受け方をしていては、今は良くても年齢を重ねた時に辛くなると思います。年金も破綻はしなくとも少なくなる時代に、未来を想定した仕事の受け方がとても大切だと感じています。

まだまだありそうですが、この記事は編集しながら完成させていきたいと思います。

竹鼻良文/TAKEHANAKE代表

TAKEHANAKE design studio HP

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