今日の杉浦佑成【2020年11月7日】

 10月最終週の水曜日の試合を終え、1週間の休養週?を挟んで迎えた今節。三遠ネオフェニックス(以下三遠)との鳥取県開催でのホーム戦です。前節の勝利に引き続き連勝を飾る事が出来るかが期待された一戦です。



 本日の試合は、今シーズン最も注目度が高い試合だったかもしれません。今日はそのあたりも踏まえながら、本記事を書きたいと思います。








○【試合前】鈴木裕紀ヘッドコーチが退任


 ヘッドコーチを務めていた鈴木裕紀氏が10月31日付で退任されました。
 昨シーズンに様々な出来事があった上で、今期ヘッドコーチとして続投、結果としてシーズン開始1か月での退任となってしまいました。たけいは詳しい事情を存じ上げないため、ここについてのコメントは差し控えさせていただきます。



 しかし、シーズン中のヘッドコーチ交代はチームにも大きな影響を与えると考えられます。アシスタントコーチの河合竜児氏がヘッドコーチ代行として指揮を執られるようですが、早急な体制の確立が求められる事でしょう。



○サーディ・ラベナ選手(三遠ネオフェニックス#1)



 今日の試合は島根・三遠ブースター以外のBリーグ関係者・ファンにも非常に注目されていたと思われますが、まちがいなくサーディ・ラベナ選手(以下ラベナ選手)によるものだと言えるでしょう。


 23歳にしてフィリピン代表に名を連ねるラベナ選手が、アジア特別枠として三遠に加入。プロキャリアをBリーグで始め、本日がBリーグデビューとなりました。



 アジア特別枠の選手は「帰化選手」と同様の扱いとなり、試合中には外国籍選手2名との同時出場も可能です。三遠は日本人ビッグマンの太田敦也選手(三遠#8)を擁している事も、ラベナ選手のようなガードの優秀な選手の獲得に動けた一因と言えるでしょう。


 ラベナ選手のような選手のリーグ加入は、日本人選手でのマッチアップが多いガードポジションの競争の激化・プレー強度の更なる向上も期待出来ますね。


 また、ラベナ選手の活躍次第では、来シーズンのリクルートにも大きな影響を与えるでしょう。そういった点からも、各チームの関係者・ブースターにも非常に関心が高い試合だったのではないでしょうか。



 ラベナ選手のYouTubeでの特集動画のコメントを見ると、英語コメントも非常に多いですね。フィリピンのバスケファンの皆様のコメントだと思われますが、ラベナ選手の人気の高さが伺えますね。



○今日の杉浦佑成

【  出場時間  】28:50
【得   点】   12点
【リバウンド】   8本
【  アシスト  】      4本



○1Q 10分間フル出場


 ホーム初勝利を目指して、前節の勝利に引き続き2連勝としたい島根。大注目のラベナ選手とマッチアップしたのは杉浦選手でした。島根はリード・トラビス選手(#8)のインサイドを中心に得点を重ねますが、杉浦選手も走ってラベナ選手のマークを引き離し、ボールをもらった直後のクイックスリーで得点。1本目のシュートを見事に成功させました。



 後から見ると、杉浦選手の1Qでの得点はこの一本だけで、6本中1本の成功と決して高確率ではありませんでした。しかし、たけいはこの杉浦選手の姿勢を非常に嬉しく思いました。ラベナ選手に対し、ドライブ・シュート・リバウンドと積極的に仕掛ける杉浦選手は「自分が勝負に行く」という気持ちが強く出ていたのではないかと感じました。


 一方のラベナ選手もフリーでボールを持つと、3Pのフェイクでトラビス選手を飛ばして、コーナーからのドライブ・ダンクを決めたシーンはスケールの大きさを感じさせられましたね。


 後半は寺園修斗選手(三遠#4)の活躍が印象的でした。5点ビハインドの場面で途中出場すると立て続けに、フローター・3Pを連続で決めて一気に逆転。文字通り流れを変えるプレイを見せつけられてしまいましたね。



○2Q 残り5:03~2:31まで2分半出場


 2Q序盤にも寺園選手に見事な活躍をされてしまいました。島根が1回で都合4度のシュートを放つも、得点出来なかった直後のディフェンス。何としても守って、流れを渡したくない所ですが、すぐさま寺園選手に3Pを決められてしまい、島根はたまらずタイムアウト。


 逆に後半は北川弘選手(#6)が目立っていました。デモン・ブルックス選手(#24)、ニカ・ウィリアムズ選手(#28)の得点により同点となった状態で途中出場。まずはトップの位置から遠めの3Pを決めます。杉浦選手の1Qの3P以降、9本連続で落ちていた3Pを決めてくれたのは大きかったのではないでしょうか。


 その後もう1本決め、2本連続で3Pを成功。ニカ選手への速攻のアシストなど、島根の早い展開のオフェンスリズムも作ってくれました


 しかし、2Q終了間際。鈴木達也選手(三遠#15)のドライブからのキックアウトを受けた、川嶋勇人選手(三遠#5)が3Pのブザービーターを成功。島根は1点リードで前半を終えたものの、三遠は前半を良い印象で終える事が出来たのではないでしょうか。


 鈴木選手についていえば、太田選手のファールがコールされ、何人かのメンバーが審判に主張をした時も、その場ですぐに全員を集めてハドルをしている様子が印象的でした。こういう選手がいると、チームはまとまるのかななんて感じました。


3Q 残り10:00~3:42まで約6分出場


 3Qの序盤は北川選手のドライブでインサイドまで進入し、そこからのアシストパス等、ゴールへ向かったプレイが多くありました。



 杉浦選手は杉浦選手で、ディフェンスにドライブの意識が強まった所に3Pを決める、テンポのいいオフェンスが見られました。



 一方の三遠は、試合を通してステヴァン・イェロヴァツ選手(三遠#31)が効率よく得点を決めていました。相手との距離が空けば、冷静に判断して、正確なミドルシュートを放っていましたが、それに加えて3P も打ってきます。




 島根のオフェンスで言えば、トラビス選手のミドルシュート・ブルックス選手のシュートレンジを併せたような選手ですね。今日も大活躍でしたが、明日も戦うと思うとインサイド陣は相当タフな戦いが強いられてしまいますね。


 お互いに大きく流れを奪う事が出来ず、一進一退のまま4Qへ向かいます。


 4Q 10分フル出場


 1点ビハインドで迎えた4Q。互いにインサイドへのオフェンスを中心に激しいプレイを続けます。


 しかし、ラベナ選手が中心となりオフェンスを行った三遠に、じりじりと点差を離されてしまいます。デビュー戦から接戦の4Qでここまで任されるラベナ選手は、さすがの一言なのではないでしょうか。


 島根も随所で良い形での3Pシュートも見られましたが、得点にはいたらず、残り4分で本日最大の10点のリードを許してしまいます。


 ビュフォード選手・ブルックス選手の得点により点差を詰め、残り1分となる所で山下泰弘選手(#5)のスティールからのレイアップにより1点差まで詰め寄ります。


 見事な追い上げを見せる島根は、その後のオフェンスで山下選手の放った3Pが外れてしまうも、ブルックス選手がオフェンスリバウンドを確保。そのままシュートに行き、ファールをもらいます。



 残り19秒で1点差・・・。この状況でも大エースのブルックス選手は動じることなく見事にフリースローを2本成功させ、島根の1点リードに。

 

 後は1本何とか守って連勝としたいところ。でしたが、そう都合良くは行きませんでした。残り5秒ほどの所、川嶋選手がドライブで仕掛け、ブルックス選手からファールを引き出すと、フリースローを2本とも成功。三遠が再度逆転です。




 ラストオフェンスはビュフォード選手に託されましたが、三遠ディフェンスの前にシュートを打つ事が出来ず、くやしい敗戦となってしまいました。


 川嶋選手のプレイを1試合通してきちんと見たのは、失礼ながら初めてだったのですが、非常に勝負強い選手だと感じました。


 2Qのブザービーターも最後のフリースローも当然見事でしたが、4Qのラスト1分でオフェンスを仕掛ける様子は敵チームながらかっこよかったですね。自分で勝負を決めるという意志が見えていましたね。


 ブルックス選手とビュフォード選手が重要局面のオフェンスを担うことの多い島根では、あまり見られない光景でしたし、杉浦選手にもそういった場面でのオフェンスを担える選手となる事を期待したい所ですね。



○まとめ


・サーディ・ラベナ選手はすごい

・ブルックス選手・川嶋選手のフリースローはお見事

・明日こそホーム初勝利に期待

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