マガジンのカバー画像

東京芸人逃避行

13
嫌な事や辛いことがあってどうしようもない時、気分を変えたい時。 少し遠出する、小旅行に行く、という中の一つに芸人のライブを見に行くという選択肢が増えれば。 そしてこの文がその芸人… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

東京芸人逃避行 ネオネッシーファンクラブ 小島あやめ

東京芸人逃避行 ネオネッシーファンクラブ 小島あやめ

2024年2月9日。

起きて歩ける隙間を探し洗面所に向かい顔を洗う。
生きる為の狭い部屋は散れている。怠惰が可視化して見える。
心の余裕は部屋に出ると分かっていながら部屋も心もどちらも隙間を作ることが出来ずここまで散れた。

ドア前に置いてあるIKEAの真っ青な袋は衣類でパンパンである。それが2つもある。
予定がある。その前にこれを片すのだ。
意気込みバッグを持つと重い。30キロほどあるのではな

もっとみる
東京芸人逃避行 ネオネッシーファンクラブと、川副Tシャツデザイン解説

東京芸人逃避行 ネオネッシーファンクラブと、川副Tシャツデザイン解説

2024年1月12日に世田谷ネッシーファンクラブというトークライブを行ったのだが、
その際勝手に物販でTシャツを作った。

約4万2千円ほどかけたそれは客の目に触れた瞬間に川副にぶん投げられ、
最終的に一枚1000円という破格で人の手に渡った。

その時にはなぜこのTシャツを作ったのか、どういう意図でこのデザインにしたとかは全くと言って良いほど触れず、
後日川副さんと遊んだ際に「あのTシャツは云々

もっとみる
東京芸人逃避行 バベコンブ川副 荒波タテオ

東京芸人逃避行 バベコンブ川副 荒波タテオ

YouTubeを見ていた。

オススメに上がっている動画を片っ端から見ていると戸田公園という地にカセットテープ屋があり、
そこを紹介している動画であった。

なんとも雰囲気が良く「行きたい!」と思った時にはもうこうちゃん軍団グループラインにメッセージを送っていた。

2022年9月2日。

新宿駅。

外は曇り。小雨がパラついていた。

僕は荒波タテオとバベコンブ川副を待っていた。

しかし予定時

もっとみる
東京芸人逃避行 ギぎギ加納総一

東京芸人逃避行 ギぎギ加納総一

2022年1月5日。

この日は同期のギぎギ、シティホテル3号室と三組で毎月行っているライブ「スナックサークルラウンジクラブ」だった。

ニコ、そしてネムレナイワニと改名し、今回のライブで晴れて(?)ギぎギとなり「それで俺たちは行くのだ!」と表明した記念すべきライブ。

客席には知った顔の客が3人だった。

ライブ前、ふと加納の衣装のジャケットを見るとボロボロであった。

だいぶ前に僕があげたもの

もっとみる
東京芸人逃避行 バベコンブかわぞえあきひろ

東京芸人逃避行 バベコンブかわぞえあきひろ

フィッシュマンズの映画を見て感動した僕はすぐに物販のカセットウォークマンを買った。

手元に届いたそれは愛おしく、唯一家にある中島みゆきのカセットを大音量で聴いた。

良いヘッドホンやイヤホンを持っていない僕は、付属していた粗末なイヤホンで聴いたが、それも悪くなかった。
悪くないがやはり気に入ったヘッドホンで聴きたい。
そして他のテープも欲しい。

僕はかわぞえさんに連絡を取った。

2021年9

もっとみる
東京芸人逃避行 ランジャタイ伊藤幸司

東京芸人逃避行 ランジャタイ伊藤幸司

2020年 1月16日

年も新しくなり心機一転、と思って迎えても、
いきなり何か変わる事など無くもう1月も半分を過ぎた。

この日は元々本多スイミングスクールという芸人のYouTubeに載せる映像を撮りに行く予定であったが、

日にちが変わった為時間を持て余していた。

「どこか行こうよ!」

とは伊藤さんである。

「寿司を食いたい!はま寿司に行きたいんだ!」

気軽に寿司を食えればいいのだが

もっとみる
東京芸人逃避行 ランジャタイ伊藤幸司 バベル川副晃広③

東京芸人逃避行 ランジャタイ伊藤幸司 バベル川副晃広③

11月8日

この日はラフィーネプロモーションというお笑い事務所の
事務所ライブであった。

僕らは事務所は違うのだが今回ゲスト枠として呼んで頂いた。

僕らみたいな矮小なコンビを事務所ライブのゲストに呼んでくれるとはとてもありがたい。そして嬉しい。

しっかりと笑いで返したいと思って臨んだがどうだっただろうか。

ラフィーネはバベルが所属している事務所である。

バベルと言えばこのノートにも頻繁

もっとみる
東京芸人逃避行 荒波タテオ ランジャタイ伊藤幸司

東京芸人逃避行 荒波タテオ ランジャタイ伊藤幸司

7月2日

ケータイが鳴り見てみるとタテオさんからだった。

『ビルから落ちて腰と足を骨折して緊急搬送されました』

荒波タテオさんは伊藤さんが行っているトークライブで仲良くなった。

鳥肌実氏の元付き人で、今はピン芸人として活動している。

外のライブではあまり会うことが無く、
会うとすればもっぱら「こうちゃんライブ」だ。

そのこうちゃんライブさえ最近は行っておらず、
全くと言って良いほど会え

もっとみる
東京芸人逃避行 ヤーレンズ出井 隼之介2

東京芸人逃避行 ヤーレンズ出井 隼之介2

以前一緒に遊んだ時、次はフリーマーケットに行きましょうと僕は出井さんと約束した。

2019年5月18日

僕は東京近郊のフリマを調べ、出井さんの空いている日とそれに合わせて天気も調べた。

以前フリマに行った時、小雨で開催はされたが出店数が劇的に少なかった。
それを防ぐためだ。

この日は久々に晴れ、気温もちょうど良く涼しかった。

僕は駅で出井さんを待った。
午前中から始まるフリマは15時には

もっとみる
東京芸人逃避行 ランジャタイ伊藤幸司 ステレオパンダ松本学

東京芸人逃避行 ランジャタイ伊藤幸司 ステレオパンダ松本学

2019年5月8日

「かるくのまないかな!」

用事があって伊藤さんに連絡を取り、2つ目の返信でこう返って来た。

高円寺。

この日はアルバイト終わりの学と呑む予定だったので終電で帰ることを伝え、それでも良いと軽く呑むことになった。

時間は22時半。

どうせ外で呑むのだからと、僕は改札を出て近くのスーパーに行き、缶ビールを買い飲みながら伊藤さんを待った。

伊藤さんと合流し、そのまま純情商

もっとみる
東京芸人逃避行 ランジャタイ伊藤幸司 バベル川副晃広 ②

東京芸人逃避行 ランジャタイ伊藤幸司 バベル川副晃広 ②

「どっか行こうよ!」

伊藤さんからである。

最後に遊んでから日にちはそんなに経っていない。
秋葉原に行ったのが楽しかったのだろう、嬉しい事だ。

友達が多い方ではない僕は昔から求められることが多くない。
遊びの誘いは出来る限り受けたい。伊藤さんなら尚更だ。

「どっか良いとこある!?」

案の定人任せだ。

伊藤さんはどこかに行きたい人だがどこに行きたいというのが無い人だ。
その場その場の成り

もっとみる
東京芸人逃避行 ランジャタイ伊藤幸司 バベル川副晃広

東京芸人逃避行 ランジャタイ伊藤幸司 バベル川副晃広

「明日遊ぼう、秋葉原に行きたい!」

いつも急である。

ランジャタイの伊藤さんはよく高円寺で遊ぶことが多く、僕は以前中野でバイトをしていた。
それ終わりでよく遊んでいたが、そのバイト先を辞めてからめっきり遊ぶことが少なくなった。

昼から深夜まで働きそのまま高円寺に向かう。
コンビニで安い発泡酒を買って駅前のロータリーでへべれけになって伊藤さんの家に泊まり、
そのままバイトに行くという日々がよく

もっとみる
東京芸人逃避行 ヤーレンズ 出井 隼之介

東京芸人逃避行 ヤーレンズ 出井 隼之介

2019年4月15日。
この日僕はお笑いコンビ「ヤーレンズ」の出井さんと遊んだ。

出井さんは先輩にあたる。
ケイダッシュステージという事務所に所属する漫才師だ。

「芸人と遊んだことを書きたいのです。良ければ付き合ってくれないでしょうか」
「良いよ。タケイ住んでるところどこだっけ?…それなら下北にしよう、行きたい喫茶店がある」

失礼な願いだと思う。
特にメリットも無いであろうこの願いを快く了承

もっとみる