いちいち気にするなって話。




前回、まあまあの頻度で更新したからまだ大丈夫かなと思っていたら
二週間近く更新していなかった。


別に誰に書けとも言われていないし、
誰にも求められていない駄文の晒し場所なんだが、
それでも一応「週に最低一度は更新!」と意気込んで始めたので
つくづく自分が嫌になる。




嫌になると言えば、



僕は芸人をやっているのでよくお笑いライブに出る。

その際よく一緒になる芸人というのは決まってくるものなのだが、
この間出たライブでは久々一緒になる先輩がいた。


僕はその先輩が大好きで、久々の共演も嬉しかった。


ライブ後、話しの流れで「その先輩の周りの人たちが売れていく」という話になった。



「正直俺は分かると思う、売れる人と売れない人が」

と言うので

「僕はどうですか?」

と聞くと


「お前は売れない。格好付けてるから」


と言われた。



「うるせぇ」と思った。





僕は一つの事を気にしてしまうタイプで、
その日からずっと心の中にその言葉があった。

別にそんなもの気にしなければいいのに、
一度気になったらずっと考えてしまうのだ。




以前相方とのネタ合わせのやり取りで

「○○日は下北に4時で」

と送ったら

「新宿じゃダメ?」

とだけ返って来て了解したが、ずっとそれが気になった。



ネタを書いているのは自分なのにそういうとこを考慮してくれないのか、
しかしまあ合流地点としては新宿がベストか、
でもなんかモヤモヤするな、
言うべきか否か、

と結構悩んで知り合いにも

「この間相方がさ~」

みたいに本当にどうでも良い相談をする位気にした。

芸人とは思えない相談だと思う。




当日勇気を振り絞って

「今日のネタ合わせの件なんだけど…」

と前日にまとめておいた言葉を言うと

「ああ、分かった」

と返されすぐこの話題は終わった。


自分程周りは気にしていないのだ、と、そう思っても簡単に切り替えられないものである。





先輩の言葉が引っ掛かっている時に、
突然虹の黄昏、野沢ダイブ禁止さんから連絡が来た。


珍しいと思い、聞くと

「知り合いのロカビリーが下北でライブするから一緒に行かないか?」

とのことだった。



二つ返事でOKし下北で待ち合わせると、
当日台風にも関わらず野沢さんはママチャリでやって来た。



「いや無謀だろ」


と思っていると、一緒に行く日本クレールのりごさんもママチャリでやって来た。

初めましてだったけど「無謀だろ」と言ってしまった。


俺が狂ってんのかと思ったが、
女将のつげさんはちゃんと電車で来ていてチャリで来た二人に驚いていたから、
やはり狂っているのは二人だった。




そうしてライブハウスに着くと野沢さんの知り合いのバンドのほかに2組のバンドが出ており、どちらも格好良かった。


しかし初めて見るバンドだったので格好良いなと思いながら
僕は後ろの方でおとなしく曲を聴いていた。



だが野沢さんはそんなことは関係無く
めちゃくちゃに踊り狂って、
ステージに上がらされて持っている酒を一気して場を盛り上げていた。

野沢さんも初めて見たバンドである。



僕はその時

「ああ、格好を付けないということはこういう人の事を言うんだなぁ」

と思って胸のしこりが一瞬で無くなった。

人の目を気にしたとて仕方ないのだ。と。

楽しむことに対して人の目を気にしていること自体がダサいのだ。




「この間こういうことがったんですけど、野沢さんの楽しみ方を見ていたら吹っ切れました!」

と伝えると

「なんだよそれ!関係ねーよ!格好付けていいじゃねぇか!タケイ君そんなの気にすることないよ!!」


と言ってくれて、
この場で一番ロックなのは野沢さんだなと思った。




ライブも終わり、台風で交通機関も全部止まって帰れなくなった一行は
野沢さんの知り合いのバンドの方々と飯を食いに行こうとなった。


しかし片づけに時間が掛かるのか2時間ほど待っても出て来なかったので
僕とつげさんは帰ることにした。




後々聞くと、その後近くの王将に行き、コーラが無い事に納得のいかなかったボーカルが店員を怒っていたというエピソードを聞き、
本当に行かなくて良かったなと思った。





夢の一つに自分の書く文章でお金を稼げたら、 自分の書く文章がお金になったらというのがあります。