2023年総括:作品鑑賞篇
いよいよ終わります、2023年。認めがたいことですが。
てかこれ書いてるのが12/31の20時前なのでとんでもないギリギリ進行。計画性とは無縁の男、たけじょー(@takejoe_dm)です。紅白はキタニタツヤだけ見ました。
そんなわけで爆速で一年の総纏め・オタク篇です。紅白のCMの合間とかに読んでね。(←追記:書き終えるころには紅白終わってました)
選定基準は至ってシンプル、「今年私が摂取した創作物でよかったやつ」。あくまで自分基準、備忘録的なものなので新作以外も交じってます。デュエマについてはこないだまとめたので今回はそれ以外で。
漫画部門
石ノ森章太郎『仮面ライダー』
「原点にして頂点」とはこの萬画のための言葉だ。
後述する『シン・仮面ライダー』に触発されて読んだ。まず驚いたのがその画力。圧倒的な密度と質感で捉えられるバイクアクション。渦を巻く効果線が鮮烈に焼き付く。対照的に、白一色・黒一色のなかに切り取られる一瞬のアクション。静と動のコントラストのなかで、ライダーが駆ける。
そして、本郷猛。己のアイデンティティに葛藤し、それでも人類のために戦う一人の男。その造形は、どちらかというと藤岡弘、よりも池松壮亮に近いものに見えた。ひたすらに強いわけでも、初めから覚悟を決めているわけでもない。それでも戦う。誰かのために。皆のために。
今日の『ガッチャード』まで受け継がれる正義の系譜はここからはじまったのだと、そう確信させられる一作だった。
平野耕太『ドリフターズ』
私達は5年待ったのだ。……もう待たせないでくれヒラコー。
待ちに待った7巻発売。良い機会と全巻読み返したが、やっぱりコレだ。これが良い。
ハッタリの効いた絵が好きだ。口に出したくなる台詞回しに心が躍る。痛快で一本軸の通ったキャラクターがもうたまらない。
小手先で真似できるものじゃないのだ、この「カッコよさ」は。
遂に軍師として暴れ始めたハンニバルとスキピオが「いつものイケオジ」で一発でノックアウトされた。早く次をくれ。今度は5年も待たないぞ。
荒木飛呂彦『JOJOLands』
荒木ワールドは色褪せない。
もう第9部なのだ。連載期間は36年。私の人生よりはるかに長い。それなのに、まだワクワクさせられる。1巻を読み終わった時の胸のときめきは、初めて父親の『ジョジョ』を呼んだ7歳の夏と遜色なかった。荒木飛呂彦の脳内には、どれだけの深淵が眠っているのだろう。
第8部の定助が謎めいたキャラクターだったのに対し、ジョディオの方向性はシンプルだ。「大富豪になる」。わかりやすい。シンプルが良い。勝者こそ正義。
「オレって幸せになれるのか?」
「覚悟こそ幸福」、「乗り越えることが幸福」。ジョディオの掴む幸せの形とは?
続きが見たくて溜まらない。奇妙な冒険はまだまだ終わらない。
芥見下々『呪術廻戦』
年末のダークホース、驚異の末脚。
11月のEveのライブ(あんまり予備知識無かったけどこれもちょー良かった、バームクーヘンエンド最高)をきっかけに、今更ながら鑑賞開始。
……結論、逆張りしててごめんなさい。てか普通に損したわ。アニメから入り、姉妹校交流篇以降は友人に借りたコミックスで。さっき『0』をアマプラで見たところです。めっちゃ碇シンジ。
シンプルに面白い。キャラ造形もいい。テンポはよすぎて逆に振り落とされかけるくらい(虎杖の「俺はこんなに弱かったのか!」のあたりとか)。『ドリフターズ』然り、デュエマのネーミング然り、声に出したくなる言葉・台詞が「癖」な節が大いにあるので、そういうとこも刺さっていると思います。だって言いたいじゃん、領域展開。
好きなキャラは禪院直哉。カスだけど根元が「憧れ」なの、勝手にシンパシーを感じる。あと鹿紫雲一と秤金次。こないだ人生初パチンコしに行ったくらいには好き。
小説部門
アーネスト・ヘミングウェイ『拳闘士』
少年は殴られて男になる。
ニック・アダムスは殴られて不正乗車した列車から落ち、元ボクサーの男と出会う。彼は「殴られすぎて」正気を失ったのだという。物理的にも、精神的にもだ。ニックは彼の過去に「殴られる」。
人生とは戦いだ。体と心を打たれ続けて、それでも最終ラウンドまで立っていなければならない。途中で折れれば、そこまでだ。その試練に挑み続ける「男」に、はたして私はなれるだろうか。
『ニンジャスレイヤー エイジ・オブ・マッポーカリプス』
マッポーカリプス、ナァァァァウ!
おれはニンジャスレイヤーはトリロジーを読んで満足してしまっていた。が、やはり衝撃の結末を迎えたフジキドのその後は気になることですね?そこで読み始めた。するといつものようにニンジャスレイヤーがニンジャを殺している「なんだ無事だったのか」おれは安心した。だが読み進めるとおかしさに気づいた。「アッ中の人が違う!」そう、今度のニンジャスレイヤーはマスラダだったのだ!
マスラダは危ういところもあるがエネルギシュでそれが魅力的だ。4部もキャラクターがいままでと全然違うからはじめは心配したが実際面白いのでごあんしんだ。コトブキはカワイイ。
でもフジキドはどうなったの?ダークニンジャは?シルバーキーは?おれの推しニンのフィルギア=サンは?そんなあなたは決断的に本編をよむことだ。わかったか。
アニメ部門
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』
ガンダム再点火。
『ビルドファイターズ』からガンダムに入り、再放送やサブスクでそこそこの数の作品を見ていた私だったが、周りにガンダムの話の出来る友人はあまりいなかった。皆、敷居が高いのだと言う。『BF』や『00』、『鉄血』などにピンポイントでハマってくれる友人こそいたが、やはり壁があるように感じていた。
その点、『水星の魔女』はスゴかった。『リコリス・リコイル』の後釜ということもあったのかもしれないが、友人総出で食いついて来た。願ってもないことだ。やはり百合は正義。他のガンダムに手を伸ばしてくれた人も少なくなかった。大歓喜。
最終話の展開にこそ若干もやもやが残るものの(流石に魔法すぎないですか)、全体的には毎週飽きずに視聴できた楽しいアニメだった。シャディクの「大人のフリをしているが中身は青い」キャラクターは本当によくできていたと思う。あとアリヤ超かわいい。
映画部門
『グリッドマン ユニバース』
クロスオーバーにして完結編。夢は、宇宙は、まだまだ広がる。
グリッドマンとダイナゼノンが帰ってきた。彼らはやり忘れた宿題を提出しに来たのだ。「響裕太」「宝多六花」「グリッドマン」「アンチ」「ガウマ」「ひめ」「ナイト」、そしてーーーーー。
本編でキレイに完結して、それでもかすかに残っていた「あれってどうなったんだろう」という気持ちを、ウルトラスペシャル特盛定食デザート付きに料理したのがこの作品だ。完璧だ、とすら思う。明らかに過剰積載なボリューム感なのに、日常も戦いもなにひとつ無駄がない。ぺろりと平らげられてしまう。それだけ調理が上手い。星三つ。
一人じゃ無理でも、君となら。ヒーローと怪獣と少年少女の、銀河のようにきらめく物語。
『シン・仮面ライダー』
受け継ぎ、託す。
変わり果てた自分に怯える。強すぎる力に悩む。コミュ障呼ばわりを否定できない。倒した怪人に黙祷を捧げる。彼はずっと震えていた。
「あなたは優しすぎる」。そう、その通りだ。本郷猛は、「強い」よりも「優しい」という形容詞があてはまる人間だった。
それでも彼は戦いに赴く。己の絶望を乗り越えて、託された力を正しく使うために。その身を犠牲にしてでも。
本郷のように優しくありたい。それはきっととても難しいことだと思う。でも、その先に「強さ」があるのだ、きっと。
『君たちはどう生きるか』
どうやって生きたものかな。
この映画に関しては、私の個人的事情と否応にも結び付いてしまう。
端的に言うと、この映画を見た直後に失恋した。
米津玄師の主題歌を聞くたびに、今でも胸が少し痛む。さて、どうやって生きていこうか。
(ある程度傷が言えた後、もう一度見に行った。老ペリカンが心に残っている。)
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
見飽きるほどの、アクション。
もう一生アクションしてる。撃ち、斬り、殴り、投げ……いい加減お腹いっぱいだよって言ってもお代わりが出てくる。『8時だヨ!全員集合!』のわんこそばみたいな。
でもなんだかんだで飽きがこない。それは次々変わるロケーションだったり、過激さを増す戦闘だったりが理由だろうが、最大要因はやはり「カッコよさ」だ。決して諦めず突き進むジョンの姿に惚れないヤツはいない。
勿論ヴィランも大事だ。中ボスかと思ってたら最終盤まで粘る敵幹部とか(矢を受けるシーンで「こいつとは長い付き合いになりそうだ」と悟った)、まさかの犬とセットのMr.ノーバディとか。侯爵もオシャレ。味方の真田さんも素敵。
でもやっぱりドニー・イェンは別格だった。負っている背景的にも活躍の多さ的にもほぼほぼW主人公のポジション。盲目だからこそのとんでもないアクション。少し緩んだ腹と全く衰えない戦闘力のコントラスト!燃え萌えキュンだ。
『天元突破グレンラガン 紅蓮篇/螺巌篇』
俺は俺だ。俺なんだ。
失恋の傷を完全に癒してくれたのはこの作品だった。俺は俺だ。俺だけは俺を信じてやらなきゃ。何度も何度も見た作品なのに、いつもと違う種類の涙が流れた。
内容に関しては言わずもがな。最高。以上。
15周年リバイバル4DXということで座席揺れまくり音量上がりまくり。螺巌篇の最期の方なんかずーっと揺れてましたよ。
『ゴジラ -1.0』
怨嗟、絶望、それでも。
神木隆之介の演技に魅了された。恐怖と絶望に折れそうな、いや一度折れた心を復讐心で繋ぎとめてなんとか生きようとする男の姿。
今作のゴジラはとことんヤバイ。圧倒的殺意で日本を蹂躙する。銀座の放射熱戦の一幕は『シンゴジ』のそれに匹敵する恐ろしさだった。そしてその後の黒い雨と絶叫。
『シンゴジ』とは別ベクトルでの完成形を見たように思う。
ゲーム部門
『ARMORED CORE™ VI FIRES OF RUBICON』
燃えよ。あの空に燃えよ。
寝物語に聞かされた”神ゲー”が帰ってきた。いつかは遊びたかった「フロムのロボゲー」が10年ぶりに姿を現したのだ。ロボット大好き、『Bloodborne』『ELDEN RING』にも浸かった身としては遊ばない手はなかった。
詳細についてはあちこちでもう褒められているから(というかもう年越しまで時間もないし)省くが、間違いなく”神ゲー”だったことは明言しておく。誇張無しで「寝る間も惜しんで」のめり込んだ。ゲーム性も、デザインも、世界観も、キャラクターも大好きだ。今はランクマッチでじわじわ上に這い上っている。
熱く、煙たく、痛く、温かい。このゲームは炎だ。今、再び燃え盛った炎。
そこにくべられる薪の一本になれたことが、とても嬉しい。
終わりに
なんとか終わった。23:30です。抜け漏れないかな。終盤見るからに駆け足だったなあ。計画性大事。
とまれ今年もいろんな「好き」に出会えてよかった。アニメや小説の比率がかなり落ち込んでたのはちょっともったいないかな。しかし、これら全部が2023年という1年に収まっていたとは到底思えませんね。恐ろしや。
来年も素晴らしい作品たちと出会えますように。よいお年を!
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