いつかのセピア

懐かしさは 切ないだけ
回り道も見慣れた場所

色褪せたのは 古びただけ
美しく型どられた
額縁の写真

明日はどこにあるのか
怖かったあの頃
あのレコードも教科書も
服も手紙も
自分を守るためにあった

悲しみは 世界の中で
ただひとり鏡に映る
影しか見えないから

ただ燻る思いだけを
抱えて走っていた
愛したことも 抱き合ったことも
消え行く青春の灰なのに

悲しみは 世界の中で
ただひとり鏡に映る
影しか見えないから

明日はどこにあるのか
わからないけど
今はただ いつかのセピア

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