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市内レジャープールが5ヶ所から1ヶ所に!?

・示された方向性は
 市は6月議会で「レジャープールのあり方方針」を報告し、下落合プールをはじめとする市内にある市営レジャー(屋外)プール5ヶ所のうち、4ヶ所を廃止する計画を示しました。
 今回の方針で廃止が検討されているのは、下落合プール、沼影市民プール、三橋プール、原山市民プールです。
 市はプール廃止の理由として深刻な老朽化、利用者の減少、5施設で年間約3.5億円の支出超過などを示しています。今後は市内を北部エリア、南部エリア、東部エリアに分け、レジャープールの再編・集約を行うとしています。


⚫︎下落合プールは屋外を廃止し、屋内プールのみを再整備。
⚫︎沼影市民プールは義務教育学校建設に伴い令和5年度末に廃止。
⚫︎原山市民プールは廃止。親水機能を有する公園に再整備。
⚫︎三橋プールは廃止。親水機能を有する公園に再整備。


・どう考えるか
 近年の猛暑から市民に涼と夏の思い出を提供してきたレジャープール。市もその重要性について「市民にとって欠かせない施設」と表現していますが、計画では市内5ヶ所ある屋外プールのうち、大和田プールのみを更新し、北部エリアのプールとして活用し、南部エリアは沼影市民プールの代替地、東部エリアは越谷市にある県営しらこばと水上公園に再編・集約していく予定です。
「再編・集約」と聞こえはいいですが、結局この計画は市営レジャープールを5ヶ所から2ヶ所(不透明な沼影市民の代替地を含む)に大幅縮小する計画です。


・市の課題認識は正しいのか
 市は、この計画の正当性を示す根拠をいくつか挙げていますが、どれも市政運営全体で見た際には矛盾をはらみます。
 例えば「深刻な老朽化」を問題にするなら、大和田公園プールで行うように施設更新でクリアできます。
 「利用者の減少」を説明するために市が提出した資料はコロナ禍で大幅に減少した数字が含まれており、比較検討の資料になりません。
 さらに「年間5施設で3.5億円の支出超過」ですが、さいたま市の予算は自身で喧伝している通り、毎年70億円を超える黒字、600億円を超す基金等と合わせ「超健全な財政運営」を維持しています。事業単体での赤字額を問題にするならば、6月議会で議論された市民会館うらわ移転の総事業費670億円(現地立替えなら70億円)などの採算度外視の大型開発や赤字会計のビッグイベントなどへの説明はどうするのでしょうか。
 本来、行政は市民から預かった税金を「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法1条)ために充てることが求められ、民間の利益追求とは異なる観点からの税金使用が求められています。この点からすれば、レジャープールは紛れもなく市民にとって公共福祉に寄与する施設です。

・中央区民にとってのレジャープールは
 さいたま市の調査によると、中央区民の利用が多い市内レジャープールの上位は、1位が48%で下落合プール、2位が12%で沼影市民プール、3位が8%で大和田公園プールとなっています。計画によって、区民の利用割合が多いレジャープールが軒並み廃止されるか、大幅に値上げされることになります。
 すでに今年は、下落合プールの駐車場が連日、満車状態で、市民に涼を提供しています。
 今後、市はパブリックコメントなどを通して、市民から意見を聞いていくとしていますが、皆さんはどうお考えでしょうか。ぜひ、ご意見をお聞かせください。


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