与野中央公園を誇れる公園に みんなで議論をしよう
与野中央公園の説明会が実施されました
本格的な整備工事が始まった、与野中央公園。
さいたま市はここに5000人を収容できるメインアリーナと中央区役所再編計画によって取り壊される与野体育館の代替施設としてサブアリーナを合わせて建設する「次世代型スポーツ施設計画」を公表しました。
私は計画が全く周辺住民に知られていないことに問題意識を持ち、議会で「住民への説明を尽くすべき」とうったえてきました。
そんな中、3月3日と3月7日に市民対象の説明会が開催され、私も参加しました。
この説明会で出された地元の方々の声を少しでも多くの方に共有したいと思い、このnoteを作成させていただきました。
論点1「くさはら広場の面積は8分の1⁉︎」
与野中央公園の全体敷地面積は81.000㎡ですが、次世代型スポーツ施設建設により、残されるくさはら広場の面積14.000㎡で、残りは基本的にコンクリート舗装です。
説明会には公園づくりの専門家の方が来ており「敷地面積からするとメインアリーナは巨大すぎる、がっかりだ」と発言していました。
論点2「採算は取れるのか」
市が提出した資料によると、アリーナの建設費は約72億円、ランニングコストが約6億円で収入に対して約1.3億円の年間赤字がでるとされています(図2参照)。
黒字化のためには365日、施設貸し出しで毎日、66万円の収益をあげる必要があります。
説明会で市は「採算は取れる」と強弁していましたが、根拠は示されませんでした。
論点3「アリーナは誰のための施設か」
メインアリーナの想定利用シーンは「プロバスケットの試合、アイスショー、プロレス、ショーイベント、企業のコンベンション・展示会」などが示されており、市民利用はまったく想定や検討されていません。
市民が利用できない建物を税金で建設することの正当性が問われます。
論点4「5000人規模はなぜ?」
説明会では「なぜ5000人規模のアリーナにするのか」と質問が出ました。
市の説明は「プロバスケットボールリーグ(Bリーグ)の基準が5000人以上のアリーナということなので」と回答しました。
与野市から議論されていた市民の憩いの場所としての公園より、誘致しているさいたまブロンコス(B3)を優先していることがわかりました。
論点5「当初のイメージと全く違う公園?」
説明会では市に土地を譲った方が「緑あふれる公園になるという気持ちで土地の収容に応じたのにイメージが違いすぎる」と発言し、頷いている参加者も多数いました。
気になったので調べてみると、与野市時代の 中央公園基本計画(昭和63年)や与野中央公園基本計画(平成5年)では「みどりと水辺が豊かな居心地の良い空間を創造する公園」とのイメージが示されています。
確かに、この参加者の方が言っておられる通りです。なぜ、これほどまでに当初のイメージと異なる公園計画になってしまったのでしょうか。
論点6「市民の声を聞いた計画なのか」
説明会で印象的なやり取りがありました。
○参加者 総合公園として中央公園を機能させるのは、私は歓迎ですよ。与野公園は総合公園にはならないから。それで期待して、与野まちづくりマスタープランのころは、市民が憩える公園だった。
確かに体育館は古いから、複合施設の体育館を作るというのはみんな納得した。それは今の市民体育館が満員状態だから。あれをもっと活性化させるというイメージでした。
それがいつ、アリーナになったんですか。アリーナなんて要望していません。計画を決めてから説明会をやるのはおかしくないですか?
○さいたま市 さいたま市としては令和3年度にスタートした総合振興計画の中でアリーナの設置に取り組んでいくと位置付けています。
先程も申し上げたが総合振興計画の下で取り組んでいる様々なスポーツ施策の中でこの中央公園の中にこういったものを作っていくという事は議会の中でも示し、そういった手順を踏みながら・・・
○参加者 議会に聞く前に市民に聞くべきだったんじゃないですか?
論点7「誰がこの計画を主導したのか」
論点6のやりとりで誰がこの計画を主導したのかが明確になりました。
市の答弁では「令和3年度にスタートした総合振興計画」とありますが、これはさいたま市の最上位計画で市長が取りまとめ、議会に了承を求める計画です(共産党以外の全会派が賛成)。
説明会でこの計画を根拠として説明したということは、事実上「市長のトップダウンで決めた」と同義語と私はとらえました。
論点9「さいたまスーパーアリーナは?」
ご承知のとおり、中央区には新都心にさいたまスーパーアリーナという、類似施設があります。なぜ2つ目のアリーナを中央区に作るのか。この点についても質問が飛びました。
○参加者 中央区にはスーパーアリーナがあり、新設されるアリーナの興行内容は重複しているのでは?
○さいたま市 スーパーアリーナにもヒアリングはしたが「すみ分けが出来て良い。認知度の高まりから、逆に申し込みに対してキャンセルさせてもらっている」との回答をもらっています。
▷この回答ではスーパーアリーナ側が理解していることを示しただけで、2ヶ所目のアリーナを作る理由の説明にはなっていません。
論点10「広場と遊具場の日当たり問題」
メインアリーナの高さは20mで北側にある「くさはら広場・遊具場」の日当たりが悪いのではないかとの指摘もありました。確かに、20mの建物が建つ訳ですから日当たりは悪くなるでしょう。
市民や子どもたちがピクニックや遊んだりする場所が寒くて暗いというのは悲しい話です。
論点11「駐車場が全然足りないけど」
5000人を収容するメインアリーナを建設するのに用意されている駐車場は200台のみ。
メインアリーナでイベントを行う土日や祝日などは、通常の公園利用者が駐車できないことが想定されます。
今はできている「与野中央公園で過ごす憩いの時間」が気軽でなくなる可能性は十分あります。
市は説明会で「徒歩15分の民間駐車場も活用したい」と発言していますが、遠すぎますよね。
論点12「中央通りの渋滞は大丈夫?」
駐車場の出入り口は1ヶ所しか用意されておらず、渋滞の懸念もあります。公園が面する中央通りは大宮区桜木町から中央区大戸までを横断する主要道路です。議会でも救急車などの緊急車両の通行への悪影響が指摘されていました。
論点13「結局まだ間に合うの?」
説明会後、参加者の方と話をすると「この説明会自体がガス抜きのためにやったんでしょ。もう計画が決まっちゃったんだから…」と。
しかし、私はそうは思いません。現段階では市としての計画を決めただけで、これから建設業者や運営業者を探していく方針です。
青写真を書いた段階にしかすぎません。まだ設計図すら決まっていないのですから。
逆にいうと今だからこそ、地元住民がきちんと意見を伝え、イメージに合う公園整備を求めることが重要なんです。
おわりに「一人で反対している議員として」
今回のメインアリーナ建設について、私は5人いる中央区の議員の中で唯一反対しています。肩身が狭いと感じることもありますが、知れば知るほど賛成できない内容です。
だからといって賛成している皆さまの意見を否定するつもりもありません。私が大切にしているのは地域の住民を主人公に据えたまちづくりです。
だからこそ、賛否を問わず「与野にみんなが誇れる公園を作る議論がしたい」という思いから、このnoteを作成させていただきました。
これからも「みんなで創るよりよい与野」を合言葉に頑張っていきたいと思います。最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!
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