アデイonline_パヨクのための映画批評_61_マガディーラ

たけみ日印昔ばなし 雪チャラン

昔々、南インドの高原に、みのデーヴと茂作シンという猟師の親子がおりました。
50度近くにもなるクソ暑い乾季のある日、乾いた荒野に分け入った二人は山小屋で一晩を明かすことにしました。
びゅおおおおお…気温は35度。外は砂ぼこりが舞っております…
みのデーヴがふと目を覚ますと、小屋の戸口に、この暑さの中でありない程の清涼感を漂わせる若者が立っておりました。
はああああ~ん♪はああああ~ん♪
女の鼻歌がどこからともなく聞こえてきます。
眩しい白い歯、ボブカットなんだか何だか分からない髪型、想像を超えた長さのまつ毛の若者の横にはトラが二頭、控えておりました。若者の放つ清涼感のため、一気に体感温度が20度下がった茂作は心臓発作を起こし、そのまま息を引き取りました。
「今夜見たことを、決して人に話してはいけません」「もし話したときは、お前の命はありませんよ」
はああああ~ん♪はああああ~ん♪
女の声の鼻歌のメロディを残し、いつの間にか若者は消えておりました。

しばらくの後、みのデーヴは、夜中でも30度以上にもなる中で、家で一人でりんごを食べておりました。
(ブロロロロロロ)若「すみません、どうか一晩泊めていただけませんか…」(ブロロロロロロ)
見ると、バイクに乗った若者が家の方めがけて飛んでくるではありませんか(ブロロロロロロロ)。
み「すまんがのお、わしゃぁ、一人もんじゃで、泊めてやるわけにはいかんのじゃ…」(メッガスターーーー)
若「あっ…」
み「えっ…」
若「りんご…」(カリッ)若「召し上がれ」
み「あっ…?」若「あっ…?」

はああああ~ん♪はああああ~ん♪
でゅふふふふふ…おいしいでござる~

(一通り終わって床の中で)身の上話をするうちに、若者が身よりも記憶も無く、バイクレースの賭け金で細々暮らす気の毒な生い立ちであることが分かりました。若者はハルシャと名乗りました。
みのデーヴはハルシャに、婿さんになってもらうように頼みました。

二人の間には次々に子供が生まれ(おや?)、幸せに暮らしました。
そしてまた、クソ暑い乾季がやってきました。
みの「こんな晩にゃあ、あの晩のことを思い出すんじゃ」
ハ「あの晩と言うと?」
みのデーヴは、茂作が亡くなった晩のことをすっかり話してしまいました。
み「わしゃあ、あの若者は、雪チャランじゃねえかと思うだ」
ハ/チャ「…お前さまは…とうとう言ってしまいました…」
み「えっ」
チャ「あれ程言ってはいけないと言いましたのに…お前さまは、とうとう言ってしまいました…そうです私は雪チャランです」
ミ「どうせ死ぬなら…あなたの妻として死なせて…本当の愛を見せてバイラヴァ…」
チャ「私の命より大事な人…」
み「は?今の誰?」
チャ「誰?こわい」
み「こわい」
チャ「と、ともかく…今は子供達もおりますから、お前さまの命はとりません…」
シェ「赦せ、バイラヴァ~」
み「なあ、今度は誰なんだ?」
チャ「誰?こわい」
み「こわい」
チャ「と、ともかく…これで、私たちはお別れです…」
びゅおおおおお…
み「チャラーーーーーン…チャラーーーーーーン…」
びゅおおおおお…
あとには、土ぼこりだけが舞っておりました…
(語り・絵:ミトラ姫)


でゅふふ。あーおいしかった。入稿終わりっと。ふーつっかれたー。

ラナデーヴ「ミットラーーーー」(ばったーーーーん)
ミトラ「げげ!来たな意地悪仮面!」(バイラヴァりんご召し上がれ事件に続く…)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?