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ナンピン買いは悪なのか?

 株式投資ではナンピン買い(難平買い)は悪とされます。「下手なナンピン、スカンピン」などと言われることもありますが、実際、ナンピン買いが悪なのかどうかを考察してみました。

「ナンピン買い」とは?

 ナンピン買いとは買った銘柄が下がった時に買い増しをして、平均購入単価を下げる行為を言います。ナンピン買いは損を拡大させる危険があるため、一般的にはご法度とされています。
 一方、私はナンピン買いの常習者であり、ナンピン買いは一つの勝ちパターンなっています。御法度と呼ばれるナンピン買いを、なぜ勝ちパターンにできるのでしょうか?

ポイントは投資対象

 ナンピン買いが御法度とされるのは、キャピタルゲインを狙った投資の場合だと思います。キャピタルゲインを狙う場合は、ある銘柄を買い下がると、大怪我をするリスクがあるためですね。
 一方、私はインカムゲインを狙う投資家です。それなりの利回りが得られる場合にインします。しかも、私は逆張り派ですので、株価下落の場面でインします。株価下落の場面で、最安値を拾うのは至難の技です。従って、購入のタイミングを複数に分けて買い下がることをします。このやり方だと、多少含み損となっても、長期で持てばインカムゲインで回収することができます。

ナンピン買いの失敗例

 とは言え、実は私も何回かナンピン買いで失敗した経験がありますので、せっかくですので、その経験を紹介しましょう。

3664 モブキャスト

 これは若気の至りです。ちょうどシステムトレードの本を読んだ直後で、暴落した株式を購入したら、反発で儲けることができると買いてありました。あまり深く考えないで、暴落した銘柄を探していたら、行き着いたのはモブキャストという銘柄でした。
 当時 1株 1,120 円程度でインしたと思います。ところが、その瞬間から株価が下がり始めます。私はナンピン買いを始め、最大 700株で増えてしまいました。問題なのは、モブキャストがゲーム株であり、無配の銘柄であったことです。値動きも激しいですし、ずーっと含み損で配当も入りません。そこからしばらくモブキャストに振り回される日々が続きました。
 そして 1年半ほど保有して、あるタイミングで株価が吹き上がり、そのタイミングで成り行きで 700株を全て売却しました。実は多少利益は出たのですが、無配でしたので、1年半もストレスを溜めまくった挙句の売却でした。全く割に合わないと思います。今はモブキャストの株価は56円ということですので、そのまま保有していたらと思うと恐ろしいですね。

8963 インヴィンシブル投資法人

 J-REIT 投資は私の得意とする分野なのですが、コロナショック時のホテルリート投資では大失敗しました。コロナショック前では、ホテルリートは若干不安定ではあるものの、利回りも高いため、結構気に入って投資をしていました。たまに暴落があるのですが、その際にも買い増しをしています。そしてその日がやってきます。
 コロナショックです。武漢でコロナがで始めた頃、「どうせすぐに収まるだろう」と思ってインヴィンシブルを積極的に買い下がりました。もし、株価(投資口価格)が低迷しても、分配金で回収できると考えたのです。しかし、ご存知の通り、コロナの状況は今日まで続いており、ホテル業界は苦境に立たされています。分配金もどんどん減ってしまい、36期は15円/口という残念な結果となりました。これについては現在も塩漬けが続いています。

考察

 さて、いかがだったでしょうか?安定な高配当株やJ-REITであれば、ナンピン買いで買い下がる作戦は成功する場合もあります。しかし、無配で特に値動きの激しい銘柄をナンピン買いすると致命傷となる場合もあります。
 ナンピン買いが悪かどうかは、投資のスタイルや対象銘柄にもよると思います。したがって「ナンピン買い=悪」と簡単に言い切れるものでもないのでは?と思っています。




 


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