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【自家製サッカー概論】15 サッカーの密集性と、密集回避のサイドチェンジパス

 前回、サッカー中継の観戦方法で、10人がどこにポジショニングし、役割を全うしているのかについて書いた。
 そこから今度は、サッカーの密集性を回避する「サイドチェンジ」についても触れておこうと思う。
 
 サッカーのレベルが上がるにつれて、ボールに関わる選手が多くなってくる。
 Jリーグの試合を観て、そこから大学生の試合を観たりすると、ボールに関わる選手の数で大きな違いがある様に思う。
 
 Jリーグでは、パスを受けようとする選手が3人、4人と現れるが、大学生だと2人、3人と確実に人数が減って来る。
 一言で言えば、攻撃の「集団性」が薄くなってくる、と言ってもいい。
プレーに関わる人数が少なくなるとプレーの激しさなども減ってくる様に見たりもする。
 
 この集団性というのは、守備で言えば、「コンパクト」となるだろう。
 「コンパクト」とは、前線と最終ラインの間が狭く、ボール奪取に重点を置いた状況である。
 
 前後を狭くする「コンパクト」から、さらに、左右も狭め「密集」になる。
 この「密集地帯」ではパス交換も簡単にできなくなる。守備側は、ここでボールを奪い切ってカウンターに出る。
 現代サッカーではそんな「ボール狩り」が鋭くなってきている。
 
 ポゼッションする側も、プレッシングをかわすパスコースを作るため、人数をかける様になる。
 ボールを中心に人をかけていく。「密集度」はますます上がるのではないか。
 
 そして、この密集回避のため、スペースのある逆サイドへの展開がますます重要になってくる。
 それも、「繋いでサイドを変える」ではなく、「一本のパスで逆サイドへ」というミドルレンジ、ロングレンジの鋭いサイドチェンジが必要になってくる。
 
 密集をかわすための、一本の鋭いサイドチェンジの必要性は、今後、高まるのではないか。
 しかも、一本の鋭いパスで――。これが、攻撃の打開力を左右する様になってくると思うのだ。
 
 さて、このサイドチェンジパスだが、これは、ゲームレベルに大きく左右する様に見える。
 最近、大学生の試合を中継で観たが、サイドチェンジのパスが山なりのふんわりしたパスだった。
 
 レベルが下がる毎に、サイドチェンジのパスは緩くなり、もっと下がると、サイドチェンジ自体珍しくなると思う。
 
 ジュニアユースレベルで、サイドチェンジを繰り出せるミッドフィルダーやディフェンダーがいれば、その選手は将来性があると見てもいいのではないか。
 
 鋭いサイドチェンジで攻撃を活性化させる。
 今後、サッカーを観る上でのポイントにしても良いと思う。

 そして、やはり気になるのは11月のワールドカップ。日本代表が相手を翻弄するサイドチェンジが繰り出されるか。
 そこをチェックしてみるのもいいと思う。

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