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書評:(駿河)今川家十代

 これ

を読みたくなった理由ってこの名を知っている人もいると思いますが

今川義元ってDoよ?

ってトコなんですよ。桶狭間で奇襲によって不名誉な死に方しているから

能力なかったんじゃね?

という感じでずっと来てたし。でも本当のところはどうなんだろう?とすごく気になってました。

 読んでみた上での私の考えを述べると

優秀だったけど不運な死に方した

という事になります。

 まず義元の経営手腕もこれまでの路線を単純に継承したものじゃないので、自分で作り上げていく過程があった。こういうことができる人は無能じゃ無理。文武に優れた人物であることはあまり知られてませんが

信長の父ちゃんも負けたことがある

のでハッキリします。

 逆に言えば、義元が優秀だったからこそ息子の氏真が

義元に比べたらかなり文に偏り過ぎていた

ため、滅亡となったんだなと感じました。

 その氏真も無能、というより

文武が要求される戦国の世に合ってなかった

というのが正しいでしょう。要は軍事に対する判断が足りない分、消極的=守ってくれるのか?という不安感から瓦解した。そんな感じがしてます。

 だから氏真も平和時の当主としてなら組織としての家を崩壊させるようなことにならなかったんだろうな、と思いました。この本を通してみると、そうした今川家の苦闘が経営という観点からも非常に興味深い。崩壊は一瞬、という意味でも。

 この内容に関してはやはり経営者(特に家族経営や同族企業の当事者)が読むと読み応えがあると感じますね。そういう意味でも、すごく為になりました。

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