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塩だけでも


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物作りを生業にする仲間達に会う。

有象無象と言いますか、モノでも思想でも芸術でもサービスでも、なにかを人に伝えるという事はそこに『意志』、、、『なぜ』whyが発端にないことには多くの人の心は動かせない。なぜそれを作るのか、どうやってそれ伝えるのか、それを通して何を伝えたいか。非常に大事なテーマを話してきた。


今も昔も、利他の精神(相手の、または他人の利益や便益を重んじ、自己をささげる心構え。 利他を行動原則とする考え方。)はこんな時代には非常に大事だと思う。なんだか難しい話をアサイは始めたなぁとお思いだろうが、ちょっと良い話がある。




先日、会った友人が言っていた。


『若い時は自分が気持ちいい状態を保とうと思っていたが、最近は自分が気分が良い状態を保とうとしている』と。なるほど。

自分が『気分が良い状態』を保とうとする努力をしていると。ふむ。

友人曰く『気分の良い人の周りには気分の良い人が集まってくる。』まさに笑う門には福来るではないか。たしかに『笑顔』と『良い気分』の連鎖を生んでいきたいものだ。


できるなら怒っている人には近づきたくないもんなぁ。たしかに怒っている、イライラしている人には近づきたくない。わざわざ怒っている人に道聞かないもんなぁ。
道を聞くなら『あの人は教えてくれそう』『聞いても大丈夫そう』『なんだか良い人そう』ってそうそうそうな感覚で聞くもんなぁ。

そう思うと、みんな『気分が良い状態』であったら道を尋ねる人も聞きやすい。

目的地がわかって『ありがとう』『お気をつけて』なんて声かけしたら温かい気持ちが芽生えるなぁ。そこから世話話的な会話も生まれるかもなぁ。ニコニコしてね。

そんな時間もない人が多いのかぁ。みんな忙しそうだよなぁ。ほんの数分のことだから立ち止まる余裕ぐらいは欲しいよなぁ。

神田ではよくお婆ちゃんに道を聞かれたな。
まぁ、アサイの話はいーかw



友人の話ね、

もちろん彼も実生活や仕事でイライラしたり、怒りたくなったりと、喜怒哀楽もあるそうだが、最近はネガティブな感情・気持ちになった時は自分の気分が良くなるように努めるらしい。そんな後は『よく頑張ったねぇ』と自分にご褒美あげる事もあると。なるほど。




そんな話の後、面白いエピソードを聞いた。



友人
『こないだね、奥さんと居酒屋行ったんですよ。近所の賑わってる初めて行く店でね!その日も満席!なんとか座れて、おしぼりで手をふきふき、メニュー見ると全部美味そう!

すぐに大学生の男の子がオーダー取ってくれてね、気持ちの良い体育会系の!

妻と先に出てきた芋焼酎ボトルを飲みながらね、他のテーブルに届く品を見て美味しそう♪と胸を高鳴らせてね!この店は当たりだなと。



10分、他のテーブルにはどんどん料理が届くのですが、我々のテーブルには何もこない。



20分、おかしいなぁと思ったんですけど、なんだかその時は催促を言うのがはばかれてね。
ほら、自分の気分をよくしたいし、奥さんの気分もね。せっかく夫婦での外食だから、
『もう来るよ!』『今まさに作ってるよ!』なんて自分達に言い聞かせて、世話話かなんかして。


なんだか不穏な空気はありましたが、偉そうに催促してね『まだ来ねーのかよ⁉︎』『遅くねーか⁉︎』とかね。ほら、たまに居酒屋で上から目線で店員さんに怒鳴ったりする兄ちゃんorおじさんいるじゃないですか、確かにあまりにも遅い時には怒りたくなるのもわかるんですが、嫌ですよねアレ。そこにいるみーんな気分が良くないですよね。


ああ言う人は怒ることによって自身の精神状態コントロール云々の前にストレスを吐き出してるだけなんじゃないかと。怒ったって、店員さんがすんませんすんませんと謝っている間も料理は遅れるわけであって、周りのお客さんも気分良くないですしね。





なんでね妻と30分待ってみたんです。料理を。
『すげーなw』←アサイ



それでね、さすがにこれはオーダー通ってないと思ってね。おそらく大学生の男の子がオーダー取って、その紙を厨房にいる店長の見えるところに貼るシステムみたいなんだけど、張ったつもりが落ちちゃったみたいで。

コレは故意にやったことでなく自然発生的なもので誰も悪くないと思ったんですよ。誰も悪くないってね。そこで自分や奥さんの気分をネガティブな感情に持っていくのではなく、ここにいるみんなの気分を良くするには⁉︎と考えてね



その体育会系大学生の店員さんに

『すみません申し訳ないんですが、、、、』








『つまみにお塩だけでも頂けますか、、、』って。塩で芋ロック飲むってのも粋かなぁとw






そしたらね、その店員さん顔が真っ青になって『申し訳ございません!』って厨房に走ってった。




したらすぐに厨房から店長の男性が出できて『申し訳ございません!すぐにお料理お出しします!申し訳ございません!今すぐに!』と厨房に走って行ってね、したらすぐにどんどん料理出てきて、早かった笑!頼んでない中トロの刺身とかいろいろサービスで出てきて笑。





『あのテーブルだけ料理出てない!』って男の子も気づく事もないぐらい店内混んでたしね。まだ若い子だったし、バイトの経験もそんなにないんじゃないかなぁ?って。



それでね、その店が好きになったのがね、店長さんがね僕らの目の前ではその店員さんを怒らなかったんです。
たぶん後から指導はしたんだろうけど。理由はなんであれ、店長が深く謝罪をした後、遅れてる料理をすぐお出ししますから!って走って厨房戻ったんです。状況を即座に判断して店長の自分が謝りお客様に最良の対策をとり、自分の部下のミス?をフォローをしたわけです。素晴らしいなぁと。
こんな時、目につくところでバイト君に怒る人もいるじゃないですか、そうじゃなくて店長の最善のフォローと対応に僕も救われましたw


そんな事があってからお互いに顔覚えちゃってね、それから店の常連になって!あの出来事があったのがきっかけなのか、あん時はすいませんでした!ってバイトの子も店長もいつも笑顔で。良い気分になれる店なんです。今度行きましょう!』




ふむふむ、なるほど、たしかに自分の気分を良くするのは自分自身であるし、このように周りの人の気分も良くしたいものだ。


しかし、この友人が粋で痛快なのが
『つまみにお塩だけでも頂けますか、、、』って。そのあとの店は雰囲気よかっただろうなぁ。



こんな時代だからこそ、利他の精神で気分良くみんなが笑顔で平和に暮らせる世界にしたいもんですなぁ。

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