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自分の知らない藝大という世界を、「ブルーピリオド」で垣間見る

絵を描くのは得意ですか?

ボクはすごく苦手で、小学校の校内写生とか、その展示会とかすごく嫌だった。
英語教育もそうだけど、図工・美術って英語以上に得意不得意がわかれますよね。大多数が不得意で、一部特出した人がいるイメージ。一応小学校から中学一杯、9年間も習うのに。

ふと思い返すと、特に絵については9年間「何をどう書けばいいかわからない」まま、過ごしていた気がする。
水性絵の具、アクリルガッシュ、クレヨン、色えんぴつ、いろいろな道具はあって、線を引けば線は引ける。でも、どうやってやると気持ちよく書けるのか、道具の性能を引き出せるのかは当時わからなかった。

そんな自分でも、そんな自分だからこそ楽しめた漫画として、「ブルーピリオド」を推したい。


すごく簡単に言うと、主人公の成長モノ。主人公は、人よりもコストを掛けるが遊びと勉強を両立させるタイプ。慶應とかにいそうなタイプ。しかし、美術の授業から絵を描くことに出会い、絵で自己表現する楽しさに傾倒し、やがて東京藝大を目指すようになる。

じゃあ、なんでそんなに良いか、一言で言えば自分が知らない世界を、強烈なキャラクター・ストーリーと共に教えてくれるから。前回の記事と同じ観点ですね。

https://note.mu/takeout/n/n31777de9c9a2

以下、自分なりに分析してみる。

1.絵について、わかりやすく教えてくれている

主人公は絵を描く知識を持っておらず、ストーリーの中で少しずつ学んでいく。僕らも一緒に学んでいく。

なぜ美術室に胸像があるか、どれだけ描くのが難しいか。また漫画などの絵を描く描写で鉛筆を絵と自分の間に垂直に置くか、など、解説がきちんとしていて勉強になる。

また、作例として描かれる絵も、本物の絵描きに依頼しているようで、劇中の説明に即した絵を見せている。魅せ方で逃げていない。

2.藝大受験に関する描写がリアル

作者本人が藝大出身のようで、藝大受験の描写がリアル。
狭き門ということは知っていてもそれ以上を知らない自分のような人向けに、どれだけ狭いのか、どういう人たちが受かるのか、どのような試験なのかなどを教えてくれる。

3.キャラクタが魅力的で個性的

主人公は美術部に所属することとなり、美術部に所属するのは女性が多いわけだが、恋愛描写一切なし、萌えもなしという潔さ。ジャンルは多分スポーツだね、スポ根美術漫画。

また、決め台詞のときのキャラクター描写でも魅せてくれる。歌舞伎の大見得を見ている気分になる。

色々書いたけど、自分の違った世界を、こんなに魅力的なキャラクターとともに覗ける漫画なんて、そうは無いと思う。そういう意味では観光案内漫画だ。うん、きっとそうだ。すいません勝手ばっかりいって。

できれば漫画を読んだ後に、下記のねとらぼ記事も読んで欲しい。


ご主人寝てるので変わりにいぬが書きます。サポート、サポートですか。ホントにいいんですか?ジャーキーとか金額によってはガジガジ噛むおもちゃとか買っちゃいますよ?やったー!