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その文章で何を伝えたい?

最近は、書籍の大半をAmazonなどで買うようになりました。

タケシタは田舎で育ったため、大規模な本屋が市内になく、2時間かけて都会の本屋で本を買っていました。だから、ネットで簡単に欲しい書籍が手に入る現在は幸せです。

でも、時間があればリアル書店にも行きます。
どうしてもネット書店だと欲しい本、必要な本しか買わなくなるからです。プラプラ歩き、目に入った面白そうな本を手に取り、最初の数ページと目次を眺めた後に購入するのは楽しいし、新しい発見があります。

今回買ったこの本もそうやって購入した本です。

簡単に言うと、江戸初期のインフラ構築について書かれた本、時代はちょうど大阪冬の陣と夏の陣の間くらい。まだまだ豊臣家の影響力があり、徳川家は微妙な立ち回りを要求された時代です。
その第一章は、治水について書かれています。

いくつもの流れが交差して綾になって流れる様をいう「綾瀬」という地名が残っているように、昔の東京は多くの川が縦横無尽に行き交う地域でした。

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荒川上流河川事務所ホームページから引用

そこを土木官僚である伊奈忠次が徳川家康の命を受け、当時東京湾に流れ込んでいた利根川を太平洋に流れるよう、向きを変更するという大事業を手掛けます。

この事業は、日本の土木の歴史においても指折りの事業だったようで、例えば「利根川 昔」などでGoogle検索すると、土木管理事務所のホームページ、歴史研究家のページ、Wikipediaなど様々な方向から紹介したページがヒットします。

事実を知るには、ある程度まではWeb検索で十分だと思います。
しかし、Webでは足りないだろうなという状況が2つあります。

ひとつは、厳密な調査結果が必要なとき。
調査をもとに何かを実行する場合や、研究を行う場合にはWebの情報を鵜呑みにするのは危険です。元の資料を参照する必要があります。

もうひとつは、この事業の凄さを誰かに伝えたいときです。
この事業がいかに日本の歴史に残る事業だったか、その凄みを語るときには、単なる事実だけではなく、物語を語ることが効果的です。

先に言ったように、第一章の主人公は土木官僚、伊奈忠次なのですが、これだけの大事業はとても一代では終わりません。結局伊奈家は、三代かけて成就させることとなります。

世代交代で起こる事件、工事の失敗、そして達成、その全てを登場人物の感情を含めて語りきることで、単なる事実がドラマとして昇華します。

事実を伝えるだけでは伝わらない、事実をどう伝えたいのか、それによっては事実にドラマを伝える必要がある。
事実をただ伝えれば良い風に解釈してくれるだろう、というのは誤りです。

ご主人寝てるので変わりにいぬが書きます。サポート、サポートですか。ホントにいいんですか?ジャーキーとか金額によってはガジガジ噛むおもちゃとか買っちゃいますよ?やったー!