大人になる怖さを植え付けた絵本と、ITベンチャーへの転職


初めて大人になりたいと思った日のことを覚えてるだろうか。
もしくは、初めて大人になんてなりたくないと思った日はどうだろう。

初めて「大人になんてなりたくない」と思った瞬間を、僕ははっきりと覚えている。
「ぼくはくまのままでいたかったのに」という本を読んだときだ。

あらすじはこうだ。

森のおくに1匹のくまがおりました。木の葉がちり、がんが南へとんでいくころになると、くまは眠くなりました。くまは、ほらあなにむかい、冬眠にはいりました。

そのあいだに、森に人間がたくさんやってきて、木を切り倒し、大きな工場を建てたのです。冬眠からさめたくまが、あまりの変わりように工場をぽかんとみていると、工場の職長がやってきて「おい、おまえ、とっとと仕事につけ」とどなりました。

くまは、腰をぬかすほど驚いて「ぼくは、くまなんだけど・・・」といいますが、ききいれられず、うすぎたない、ひげもそらないなまけものにされてしまいます。やがて追い出され、くまは当て所も無く彷徨う・・・
※amazonから引用
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徹頭徹尾、この本には救いがない。クマは自分の意思と関係なしに連れてこられ、罵倒され、追い出され、やがてクマであるというアイデンティティさえ失っていく。

大人はいつも美味しいものを食べていて、仕事もするけどその分子供よりも楽しい遊びをしている。そんなイメージを持っていた当時の僕には、この労働についての描写はとても衝撃だった。

「大人って、みんなこんな風に働いているの?」そう母親に聞いたけれど、口を濁すばかりで明確な回答はもらえなかった。今思えば、母親も回答に困っただろう。


様々な事情が重なり、地方公務員として働いていた僕は東京で就職先を探すことになった。

実家の両親は明らかな反対はしなかったが、田舎ではひとつのブランドである公務員を捨てて、しかも東京に行くことについて、色々思うところはあっただろう。
驚いたのが、公務員には雇用保険が無いことだ。そもそも辞める人がいないから、雇用保険も要らない。なんという合理性。

そして、様々な縁が重なり、港区のITベンチャーに転職した。

定時から自分の仕事が始まる忙しさ、自分が荷物みたいに扱われる満員電車、充実はしていたが、あまりのギャップに当初はとてもキツかった。

そんななか、ふとこの本を思い出し、会社帰りに本屋を数件巡りこの本を探しだし購入した。

地方公務員という職業は、世間の評判ほどでは無いにせよ、閑散期には17時に帰れたし、アナログな部分も多かったが大部分はシステム化されていた。
また、田舎の特権を生かし、職場まで歩いて10分のところに住み、家賃も格安だった。

この絵本を購入したのは、そんな生活を捨て、敢えてこちら側に立った自分を、クマに見立てて自嘲するつもりだった。

数十年ぶりに読んでもやはり、相変わらずのディストピアな内容。
クマは労働者にもなれず、自らがクマであったことも忘れていく。


ところが、子供の頃とは少し読み方が違い、こんなことを考える自分がいた。

「このクマをどうやったら救えるんだろうか」

これからの日本は、とうてい順風満帆ではない。
このクマが寝床を追われたように、多くの人は本人の帰責なく何かが奪われ、場所が失われていく。ゆっくりと。じゃあどうすればいいのだろうか。

今の自分は、それを解決する方法は技術力しかないと思っている。
テクノロジーが主軸となり、それをわかりやすく伝えるデザイン、カスタマーエクスペリエンスがテクノロジーを引き立てる。
それらを総動員し、組み合わせ、届けるべき人にサービスを届ける。そして人の効率性を上げ、環境の変化に耐えうるだけのタフさを持ってもらう。

そのお手伝いをするために、自分は今ここにいて、働いている。
そう思うと、あれ?なんか今の自分すごいんじゃない?という気分になれた。微力かもしれないが、少なくとも進んでいる。

ここで重要なのは、みんながみんな、港区で働くサラリーマンのように、猪突猛進に働くべきだと言っているのではない、ということだ。
それぞれの人達が、それぞれの生きたいように生きられる社会。目指したいのはそちら側だ。

そうでなければ、今も地方公務員として働いている、ifとしての自分が浮かばれない。

この本は、今も自宅の本棚に置いてあり、たまにパラパラとめくっている。
時として絵本は、そんじょそこらのビジネス本よりも、深いし、重い。


目下の悩みは、この本を自分の子供に見せるかどうかということだ。
答えはまだでていない。



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それって、絵本のクマも踊り出すくらいハッピーだと思いませんか?


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ご主人寝てるので変わりにいぬが書きます。サポート、サポートですか。ホントにいいんですか?ジャーキーとか金額によってはガジガジ噛むおもちゃとか買っちゃいますよ?やったー!

末吉
3

Haruki Takeshita

地方公務員としてのんびり働いていたのに、なぜかマネーフォワードに入社。好奇心ドリブン。人と人がITを媒介して楽しく関われる世界になるといいな。 犬好き、ゲーム好き、テクノロジーオタク。
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