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電力の見える化とブランドマーケティング

東日本大震災の電力危機、2016年4月の電力自由化以降、私たちは日常生活の中で「電力」を意識すること機会が多くなりました。

石油やガスだけでなく、水力や太陽光などのクリーンエネルギーで発電した電力。通信会社などが既存商品とセットて販売する電力。契約すると電力の使用明細にアイドルの写真がついてくる。実体というものが存在しない電気に各社が様々な付加価値を付与して販売しています。

パナソニック社が手がけた「Life is electric」というプロジェクト。「もしも目に見えない電気の姿を見ることができたら。」ハムスターの運動、筋トレ、天日干し、足こぎボートなど、人々の生活の中にあるさまざまな方法で発電した電力を電池に込め、電力を起こした方法のイラストでパッケージングします。

https://youtu.be/EYQg73a3mR0

このプロジェクトの発想をさらに広げていくと、次のような思考に至ります。

「見える化した電力」を使って、特定の商品や商材をつくっているということをPRすれば、新しいブランドマーケティングが可能になるのでは。

国際的なクリエイティブエージェンシーであるAKQAが毎年カンヌライオンズに合わせて実施している学生向けの広告コンペ「Future Lions」で下記のようなアイデアが受賞していました。

https://vimeo.com/36112885

マリンスポーツ用品などを扱う国際ブランド「クイックシルバー」社がその製品を「波力発電」で生まれたクリーンエネルギーを使って作り出し、「Made by Waves」というラベルを貼って販売することで、顧客であるサーファー達の好感度をあげようというアイデアです。

このアイデアを応用して、例えば、「入浴剤」のメーカーであれば「地熱発電」で生まれた電力を使用して製品をつくり、パッケージに表示すれば消費者にエコな印象だけでなく、本物の温泉に入れるかのような印象を与えられるかもしれません。

食料品のメーカーならば「太陽光発電」の電力を使って製造していることをアピールすれば、他の商品とは違うオーガニックで健康的な印象を与えることができるかもしれません。

電力が自由に選べるようになった現在であるからこそ、企業側もそれを利用して、製品やサービスを届ける過程にストーリーを付与してブランディングに貢献していくことも可能なのだと思います。

https://note.mu/takero/n/n876b00c3bf00

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