北陸新幹線の着地点(続編)

先日開業した北陸新幹線について、前の記事はコチラ

https://note.com/takerukatou/n/n6fa7d0c859e6

前回、北陸新幹線の延伸案で、米原延伸案を提案しましたが、もう一案。前例のないことにはなりますが、北陸新幹線・敦賀~金沢間を狭軌併用の三線軌条にできないか?という案です。そうすることにより、在来線特急サンダーバーおよびしらさぎを、金沢まで乗り入れさせるのです。勿論、現行のかがやき・はくたかは運転継続。新幹線による直通運転のメリットを保持しつつ、在来線特急も乗り入れるという案です。
要するに、日本初の新在が共存し、運転する区間とするのです。
(あくまで、秋田新幹線や山形新幹線は、在来線区間に新幹線が乗り入れているという形なので、この方式とはかなり性質が異なります)


・運行ダイヤはどうする?
現在、北陸新幹線では最高速度260km運転となっていますが、それを200km運転に減速。また、狭軌にて乗り入れとなる在来線特急(しらさぎ・サンダーバード)については、最高速度160kmとします。これは新幹線車両と在来線車両のすれ違い時安全性を確保するためが主な理由です。これにより、最速パターンで運転する列車でも、東京~福井・敦賀に関しては、5分~10分の所要時間増加が見込まれます。
その上で、基本的に在来線特急を、停車駅の少ないパターンで1時間に2本。(金沢行きサンダーバード+しらさぎ各1本)はくたかを金沢~敦賀間各駅停車のパターンで1時間に1本。(一部、敦賀止まりのサンダーバードが対面接続)という形を原則とします。それに朝晩は、最速達の「かがやき」が敦賀~東京で運転。これにサンダーバードも敦賀で対面ホーム接続させ、大阪~富山の最速パターンを作るのも一手です。(当該サンダーバードは、例外として各駅停車パターン)なお多客期には、敦賀~大阪の臨時サンダーバードとはくたかを敦賀でホーム対面接続することとします。

・料金について
最高速度を抑えた運転を想定するため、新幹線特急料金をそのままこの区間で徴収することは出来ないでしょう。そこで、この区間に関しては、在来線A特急料金と、新幹線特急料金の中間点の特急料金を新たに設定。全列車に適用するのが一番シンプルではないでしょうか?

・車両
在来線特急は、新車両を導入する必要があります。現行の683系を改造することも出来なくはないかもしれませんが、経年はそれなりに経っているため、素直に新型車両としたほうがよさそう。在来線用の直流1500Vと、新幹線用の交流25000Vに対応が必要です。
ベースとしては、山形新幹線の新型車両・E7系を参考とし、軌間を狭軌対応とすることで、比較的簡単に開発は出来そうです。最高速度も、将来的なスピードアップを見越しても180kmでよいでしょう。関西~北陸各都市へは、おもなライバルは見当たらないため、過度なスピードアップまでは必要ありません。在来線特急用の車両よりは車両価格は嵩みますが、高速走行が必要ないため、新幹線車両ほどではないと思われます。こうすることにより、現行・つるぎ用に使用している車両を削ることが可能。総合的には、車両に関する費用としては低減できる可能性があります。

・設備面
新幹線区間、かつ長距離区間の3線軌条というものは前例がないものです。保守工事もある中で営業運転をしながら、深夜の工事だけでこの3線軌条化することができるのか?というのはちょっと微妙なところ。ただ、単純な駅構内にポイントのない駅も多く、複雑な配線はなさそうなところなのは利点です。敦賀駅での取り付け線路ですが、どうせ作るのであれば、新疋田まではそのまま線形改良された高架線路で進み、そこで合流するのが良いでしょう。というのも、鳩原ループと呼ばれるループ線が、スピードアップの障害になっているからです。ここをショートカット出来るだけでも、大阪・名古屋方面の列車に関しては、約3分ほど、時短ができるというところ。ここ以外の区間では、比較的高速運転が可能なところなので、もともと新幹線による時間短縮の効果は少ないと言えます。

・費用と効果
必要な費用としては、敦賀~新疋田間の取り付け線路の新設工事。そして敦賀~金沢間の三線軌条追加工事。乗り入れ用の新型特急車両開発(E7系ベース)および製造費用。
といったところでしょう。
安くはない費用ではあるものの、現状計画されている、敦賀~新大阪間の新線建設費用。特に、小浜~京都間はかなりの区間で長大トンネルとなることを考えると、それに比べたらかなり安価に建設できることが可能です。

効果としては以下の通り。
乗り換えなしで、関西・中京~北陸を再度結ぶことが可能。
小浜経由を建設となると、開通までの不透明な長期間、関西~北陸は乗り換えを強いられますし、中京~北陸に関しては永久に1度又は2度の乗り換えが必須となります。
それを解消するための策としては、現状、なるべく早く実現可能な策としては、有力だと思います。

並行在来線問題も発生しない
整備新幹線を開業した際に、問題となるのが並行在来線問題。
北陸新幹線が小浜経由で延伸した場合、どの区間をJRの運営から切り離すのかが問題となります。
特急が走っていた区間としては、湖西線となってしまいます。JR西日本としては、近江舞子辺りから近江塩津を切り離したいところでしょう。
しかし、滋賀県としてはとんでもない話。新幹線開業で便利になるわけでもない、寧ろ本数は少ないものの、県内の大津京駅や近江今津駅に停車の特急が消えるというのに、赤字のローカル線を押し付けられるのではたまったものではありません。
結局のところどうする?という問題は置き去り。
しかし三線軌条方式であれば、こういった問題はありません。

将来的にFGTが実用化された際に、それを採用する区間としても有力となります。
その際は、敦賀~金沢間の最高速度を260kmとして全列車が運行することが出来るようになります。

確かにこの案の場合、全線フル規格の場合のような大幅な短縮効果はありませんが、そもそも大阪~北陸の所要時間は現時点でもそれなりに速いと言え、これ以上の速達化による効果は少ないような気がします。

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