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車掌は単純作業の繰り返し

冒頭からこんなことを言っては怒られそうですが…
ラッシュ時でもない限り…
そして異常が起こらなければ…
1駅間程度ならば…
という条件付きですが…

車掌の仕事は少し練習すれば、誰でもできます!

車掌の仕事って?
僕が業務をしていたときの基本的な作業の流れはこんな感じでした。
鉄道会社や路線によって、かなり異なる部分はあることをご承知ください。

信号を確認⇒発車時刻を確認⇒乗降終了を確認⇒ドアを閉める⇒車側灯滅灯・戸ばさみ・ホームに異常がないか確認⇒発車合図(会社・路線によってはドアを閉めることがそのまま発車合図という場合もあり)⇒ホーム状態看視⇒後方確認(出発駅の後方に異常がないか)⇒次停車駅確認⇒案内放送⇒巡回(駅間による)⇒次停車駅、着時刻、ホーム方向(左右)確認⇒到着放送⇒編成量数を確認⇒ホーム状態看視⇒停止位置を確認⇒ドアを開ける⇒車側灯点灯確認

因みに全ての確認に対しては、指差しで確認し、喚呼することとなっています。(久しぶりに思い出して書いているので、抜けがあるかもしれません)

もちろん、これはあくまで基本動作であり、なにかしら異常が発生すればこの通りにはいきません。
改めて書き出してみると、まあ細かいですね。
とはいっても、実はそれぞれの作業一つ一つを取ってみると、実は難しい技術を必要とする訳ではありません。
ただ単に、その動作をするというだけであれば、だいたいの人は多少勉強や訓練をすればすぐに出来るようになるのではないかと思います。
余程クルマの運転の方が不確定要素が多く、より高度な判断力が求められるような気もします。

もし、ガチで車掌の基本動作を覚えたい!という方、JR東海のリニア鉄道館に一緒に行きましょう。そこには車掌のシミュレーターがあるので、スパルタで基本動作を教えますよ~

しかしこの一連の流れを、数十駅、一つのミスなく繰り返さなければいけない。また、なにか異常が起きても、この基本動作は欠かしてはいけない。
というところに、この仕事の特殊性・本質があるのではないかと思います。
特に、発車の一連の動作でのミスは、事故に直結し、きつーいお仕置きコースへまっしぐらとなるのです。
例えるなら、単純な一桁の足し算であっても、それを10分もひたすら続けさせられたらどうなるでしょうか?どこかで集中力が途切れ、一般の人ならどこかで計算ミスをしていることだと思います。

現役時代、一度もミスをしなかったか?といえばそうではなく、20秒ほど早くドアを閉めてしまい、キツーイおしおきを喰らったり。
ドアを閉めかけた時に、一瞬嫌な予感がしてあれ?もしかしたら…と再確認してなんとか事なきを得たり。そんなことは何度もありました。
人によって個人差はあると思います。まあ僕は比較的小さいミスが多いタイプだったということもありますが、乗務員を経験している人なら誰でも、ヒヤリ!とした経験は多かれ少なかれあると思います。
一見、簡単なことかもしれませんが、それをずっとミスなく、ひたすら繰り返すという作業は、案外大変なモノということです。

そして、この仕事の特殊性は、多くの人の命を預かっているというところです。
通常通りの作業をするときでも、特にドア扱いに関しては慎重さが求められます。(ドア扱いに関しては、また別投稿で記したいと思います)
そして、異常時の対応力も求められます。
お客さんへの案内も勿論ですが、その時発生した事象に対して、的確にかつ迅速に対応しなければいけません。
一応、異常時の対応フローというマニュアルも存在し、それを常時、携帯しているので、それを見れば間違いはないのですが、実際のところ、そんな異常時にマニュアルを取り出してなんてことをやっている暇がありません。



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