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一人で「生きる」に立ち向かう「不安」を涙で落とす時に聴いていた曲。

スキ。スキというと、どうしても前向きな曲ってイメージになってしまうのだけど、僕の場合にはどうしても聴きたくなる瞬間がある曲とか、たまに街中で流れていてその時の感情が思い出される曲がある。もう数年経ったら50代になってしまう男にとっての思い出の曲。

ちょっとだけ自分史を語ると・・・

28歳まで大阪で大学院生。研究者の夢破れて企業に就職。するとひょんなことから和歌山へ転勤。いつまでも島流しの感覚で「自分の居場所はここじゃない・・・」と思いながら一人で10年暮らしていました。いつか大阪か神戸に戻るものだと信じていた(そう説明を受けていた)ので、恋人もつくらず、結婚もせずに30代を過ごす。その中で、仕事に生きながらも心折れそうな時に支えてくれたのは、音楽でした。

それから、大阪に転勤、東京へ転職・・・途中で好きになった人、別れた人、さまざまな出会いもありましたが、東京で妻と結婚するまでは、ずっと「ひとりで何とか立ち上がる」ために必要だった曲たちです。では、3曲。語ります。

BENNIE K(with SEAMO):a love story

2005年発表の曲。当時、有線放送などで街中で流れていました。最初は、誰の何の曲かわからず、クリスマスの時期に一人で自転車を漕いでいたら夜の商店街で流れていました。

歌詞の『いつも八つ当たりしててごめんね』の所が忘れられず、何とか曲を探しました。

それまでの人生で、別れた人たちのことを思い出して、『ああ、いつも自分のキャパ不足が原因で嫌な思いさせていたんだろうな』と。

この曲は、最初がしんみりとした歌詞で始まり、しっとりバラードかと思いきや・・・ラップが始まり、結構チャラいセリフが飛び交う。あれあれ?と聴いているとちゃんとラブソングになっている。

表面上、チャラいキャラクター同士が、やっぱり恋愛についてはピュアな心の動きがあるというストーリーがうまく描かれている。特に、『You used to love me day and night like teenagers and now I got a heart beaker?』というところも、当時30そこそこの自分にとっては、10代の頃の恋する気持ちもなぜかフラッシュバックしていました。

過去の自分に言い聞かすように、『All my boys say: I need you.  And everybody say: I love you.』のところで、つい口ずさんでしまうんですよね。

歌詞にある『けど二人の凸凹ベストマッチ』になれるような人と出逢いたいと切に望んでいました。

個人的に、感情移入しやすかった曲ではあるのですが、曲調・歌詞・BENNIE KとSEAMOの絶妙な表現力という作品としてのクオリティの高さで、今でももう一度流行ってもいいと思っています。

SUNSET SWISH:モザイクカケラ

これは、いまだに聞くと涙が出てきますし、カラオケで「かっこよく歌いたい!」と思える曲の上位にはいるのですが・・・歌い出しだけで泣けて喉が詰まるので、無理。

 2007年発表ですね。ちょうどその頃、趣味がTSUTAYAでDVDを借りてみる!くらいしかなかったのです。手当たり次第見漁っていました。その中に『コードギアス:叛逆のルルーシュ』がありました。このアニメ作品自体も語りたいことがたくさんあるのですが、後半、理詰めと力技で何とかしていた主人公が、力を制御できなくなり、周囲の人たちを傷つけてしまう(何より自分が傷つく)ストーリーになってくるのですが・・・その時のエンディングテーマがこの『モザイクカケラ』でした。

先ほども書きましたが、ずっと和歌山で「こんなはずじゃなかった」と暮らしていました。その時の心情に、この歌詞が響くのです。

『こんなはずじゃない そう思って眠り 目覚めればいつもの 変わらない空回り 意味もなく繰り返し』

ほんと、そんな日々でした。

どうやったら社内で認められて大阪勤務になれるのか。どうやったら本来望んでいた生き方ができるのか。そんなことをもがきながら考えていました。

『拾い集めてた「上手く生きるための術」 歪なソレが美しく見えたんだ』

というのは、まさに当時の自分だなあと思います。

でも、徐々に、『コントラストが綺麗だから 逆に凸凹でもいい なんとなく順番を待ってないで 自分なりの答えを見つけよう』という心情が育って行ったのもこの時期です。(実際、大阪本社へと引き抜かれ、そこからヘッドハンティングで東京の会社へといくことになります。)

私の個人的な転機と不思議とリンクした曲でした。(という個人的な思い込み。)

SOPHIA:街〜Single version〜

Spotifyでは扱っていなかったのでYouTubeのリンクを貼っておきます。

これは、自分勝手な表現ですが「My Song」です。

学生時代から、SOPHIAは大好きでライブにも行っていました。『黒いブーツ』『ビューティフル』なども大好きなのですが、この『街』という曲はやはり社会人になってからしんみりと、じんわりと身に沁みてきました。

『空を見上げてる 泣き出しそうな空を うつむけばこぼれるよ だからまだ ここで光が差すまで』

この歌い出しからして泣けます。神戸・大阪で生まれ育った僕にとって、和歌山は「仕事の土地」。同僚以外の友人もいない。すっごいブラックだったので休みもほとんどないw あっても、車がないとどこにもいけないから、自転車圏内で生活する・・・という状況。

いつも、「ここじゃない・・・」と思いながら、ここで光が差すまで何とか頑張ろうと『街』を聴きながら自分に言い聞かせていました。

で、仕事ではトントン拍子に役職があがったので、責任は大きいわ、年上の同僚からは複雑な対応をされるわ・・・で戸惑うことばかりでした。

『街は またいくつも 戸惑いを投げかける ”ここにいる”と大声で叫ぶけど 僕のこの小さな傷だらけの夢と苦笑いじゃ 今は誰も救えない』

というサビの部分ですね。誰にも頼れない、弱音を吐けない、いつか研究職に就きたいという夢に縋るのもちょっと疲れてきた時に、自分さえ救えないのではないかと思ったこともありました。

でも、「2年で大阪に・・・」と言ってくれたお偉いさんの言葉を信じていたら約10年・・・そんな中で、和歌山に骨を埋めないといけないのではないかと思いだしていた時もありました。

『いつか この街で 安らぐ場所みつけ あいかわらずの苦笑い浮かべえる僕の すぐそばに君の笑顔が欲しい 失くせないもの 一つだけこの街で見つけたよ』

まさに、「夢」でしたねw

結局は、和歌山から脱出し、人生で実家以外に一番長く住んだ街でしたが、あまり戻りたいとは思いませんw

この『街』という曲がなければ心が折れていたかもしれませんし、今聞き直すと、その当時の、なけなしの勇気を振り絞って生きていた時の自分を思い出します。そんな努力をしたから今があるのでしょうね。

あ、今は企業の研究員をしていますし、結構大きな国家的なプロジェクトなども任されるようになっています。何より、愛する妻が身近にいます♪

#スキな3曲を熱く語る

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