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目醒めー記憶喪失、歩行不能、嚥下障害を経て/SLE(全身性エリテマトーデス)という難病とともに生きる(1)

<序文>
 一介のサラリーマンである私が、自伝的手記を纏めるなど、おこがましい事とは思いながらも、到底普通では考えられない稀有な体験をした事も事実であり、それが、何処かで誰かのためになるならば、公開する意味もあるのではないかと思い、ここに掲載することにした。

<2017年11月>
 私は、会社からの帰路をマイカーで運転する途中、左胸の急激な痛みを感じ、側道に車を停めた。その痛みは、それまで人生で味わった事の無いような、強く深い位置でギューっと絞られて、呼吸がしづらくなるような、それこそ心臓に関係でもあるのか?と恐怖の念を抱くようなものだった。深呼吸をして安静にしていると、確実に落ち着いてきたので、私は時間にして30分程の距離を再び運転して、自宅に戻った。
 そして、今思えば無茶な行動だったと思うが、そのまま予定していた家族旅行に向かう為、今度は新宿で待つ義父を拾い、妻とまだ幼い子供2人に義父母を乗せて、河口湖まで行ったのだった。

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 河口湖のログハウスで過ごす秋の旅行は、我が家の恒例行事であったが、特にこの年、センターマネージャーになって2年目だった私は、仕事で非常に重要な使命を背負っており、精神的にも肉体的にも疲弊していた。元々SLEを抱えていて、免疫の低い状態で生活していながら、結婚後、子供たちのしつけや教育に勤しみ、家族を養うために自分の評価を上げるべく、仕事でも必要以上の責任感を発揮していた私の身体は、紛れもなくボロボロの状態で、数ヶ月に渡り、不眠や頻尿、唾液減少、脱毛などの身体的不調に悩まされていた。
 それでも尚、「もう少ししたら仕事が落ち着いて治療に専念できますから」と、新たに免疫抑制剤を使わないかという主治医の勧めに対しても時間稼ぎをし、妻にも自分がそうゆう状態にあることを明確には伝えず、単にストレスや自律神経失調気味のもの、そんな程度で伝えるに留めていた。 

〜次章 〜 14歳当時の発病の経緯や少年時代の生活

ありがとうございます!この様な情報を真に必要とされている方に届けて頂ければ幸いです。