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いい写真

いい写真ってなんだろう?

このことについてはこれまで何度も考えることがありました。写真を撮る者としていい写真ってどんな写真だろうと。写真家の数だけ、または写真に興味のある人の数だけ、はたまた見る人の数だけ答えはあるのだろうと思うのだけど、自分の答えとしていい写真ってなんだろう。写真を撮る人間なら誰しも一度は考えたことがあるんじゃないかな。

美しい写真、心に刺さる写真、感動する写真、技術的に高度な写真、胸が熱くなる写真、記憶に残る写真、ふとした瞬間に思い出す写真、ハッとさせられる写真、、、以前の僕はそんなところかなと思っていました。もちろんこれらの答えが間違っているというわけではないけれど、ここ最近「こっちの方がしっくり来るな」と思える答えがあります。

話は少し遠回りしますが、今僕は10代の男女の撮影を少しずつ進めています。彼ら彼女らの写真を展示する風景をよく想像するのだけど、実は展示のタイトルは「約束」にすると既に決まっています。まだまだ撮り足りないし、個展がいつになるのかは分からないけれど、タイトルだけは決まっている。

なぜ「約束」にするのかは長くなるのでまた別の機会に書くとして、この個展で写真を見て欲しい人はモデルと同世代の10代の少年少女ではなくてそれより上の世代の人たちです。この写真を見たあとに鑑賞者にある行動を取って欲しいなという意味を込めて「約束」というタイトルにすることにしました。

なんだか遠回りすぎて一体何を言いたいの?と思われているかもしれないけれど、「行動を促す写真」が今の僕にとっての「いい写真」だということが言いたかったのです。

素敵な家族写真を見て「いい写真だな〜」と心がほっこり温かくなるだけではなくて、「家族をもっと大切にしよう」と具体的に行動を起こす。ジャーナリストが撮るような環境破壊の写真を見て「大変な状況だな〜」と思うだけじゃなくて「もっと地球に優しい行動をとろう」と小さなことでもいいから誰かに行動を促す。そんな写真が「いい写真」なんじゃないかなと思います。

と、ここまで書いておいて、じゃあこの松のモノクロ写真を見た人にどんな行動を促したいのかと聞かれても、ゴメンナサイ、何も思い浮かばないのだけど、これはこれでやっぱり好きだったりもするのです。「いい写真」の定義はまだまだ考える余地がありそうです。

というわけで、みなさんおはよう。

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