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自己主張

このスポーツは自由なところが良い、と言いながら「それはダメ、これが良い」「それは楽しくない、こっちが楽しい」と言う人って意外といてたりします。
レッスンでも「この技はこういう形でやりなさい」と決めつける人もいてます。

これって難しいところではあるのですが、僕のモットーとして
「エクストリームスポーツはスタイルを楽しみ楽しんでもらうもの」
というのが大きくあります。
僕の場合はレッスンとかでも土台の部分はある程度形作りをしますが、それ以外のところはその人のスタイルは残すように心がけます。

この考え方は昔からショーをしているところも関係しているかと思います。

例えばプロレスのチーム戦をしていたとして、対戦相手も含めた全員が同じ様なスタイルで戦っていたらプロレスをしている人や詳しい人は技術的なところで楽しめても、お客さんは楽しくありません。
だからキャラ作りも含めたスタイルを作っていってお客さんに楽しんでもらえるように日々努力しています。

スケートで考えても、ショーで滑るという事はチーム一丸となって皆で作り上げないといけません。
昔からショーで滑る機会が多かったので「自分のスタイルとは?」という自問自答は人一倍していると自負できます。
その考えが大会でも活かされるようになりました。

スタイルという言葉よく使われますが、業界外の人だとイマイチ分かりにくいですよね?
僕はスタイルとは、自分という人間はこうだ、と「自己主張」する事だと思っています。

誰かと話をする時の自分の主張=スタイルという考えです。
1人で滑る時には自分の主張を確立する時間、セッションする時は皆で会話を楽しむ時間、といった感じです。
それぞれにしかない時間があるので1人で滑るのも好きだし、皆で滑るのも好きです。

スタイル(主張)には個人の好き嫌いはあっても、正解、不正解はありません。
皆違って皆良い状態が個人的にこのスポーツの1番好きなところです。

子供達には自己主張する事を大人が制限するのではなくて、自己主張する為の武器を身につけていってほしい。
その為に僕はストリート、パーク、ハーフパイプと壁を作らずにやるし、やってほしいと思っています。


その子が将来僕の主張の中で滑るのではなくて、世界でその子だけの主張で滑って欲しい、と思います。
そして一緒に滑るのが楽しいスケーターになって欲しい。

ただ、そんなにすぐに自分の主張ができるようにはなりません。
それを身につけるには日々の練習が必要です。
けどそれを追求していく事を面白い、と感じられるスケーターを育てたいといつも思っています。

僕の滑りを見て何か感じてもらえたらそれは僕にとって最大の喜びです。
ただ、まだまだ滑りで伝えたい事が沢山あります。
これがいつの日か「言いきった!満足だ!」というときがくるのか…楽しみです。

Photo by Satoshi Saijo Photography and Nariaki Ueda .


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