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【第28話】元職員が徹底解説!西と東で異なる火葬方法の違いとは?【下駄華緒の弔い人奇譚】


―第28話―

日本では全国に火葬場があります。ほぼ100%の方が火葬されますので当然です。
ですが、実際に火葬をする設備である火葬炉、日本では二種類あるというのをご存知ですか?

その二つは「台車式火葬炉」と「ロストル式火葬炉」と呼ばれています。
仕組みや構造は詳しく伝えてもあまりピンとこないと思いますので、単純明快に説明すると「台車式火葬炉」は火葬時間が長い代わりに焼骨が人体の形態をしたまま残ります。
「ロストル式火葬炉」は火葬時間が短くて済む代わりに人体の形態が分かりづらい状態で焼骨が残ります。
例えば大阪だと「台車式火葬炉」が主流ですが、人口がさらに多い東京23区だと「ロストル式火葬炉」が主流だったりします。共に一長一短といった感じです。

僕は「台車式火葬炉」の火葬場で勤務していたのですが、よく考えると働いていた地域の一般的な骨壺の大きさを考えると理にかなっていたのかもしれません。
僕の働いていた関西圏では骨を全部壺におさめる事は稀です。殆どが部分収骨と言って体の一部を全体的にまんべんなくおさめる…と言った感じです。なので、なるべく焼骨が人の形で残っていた方がやりやすいのです。
対して、例えば東京では全ての焼骨を壺におさめる全収骨が主流です。なので、ある程度人の形が分かりにくかったとしても最終的に全ておさめるので…という側面もあるのかもしれません。これは僕の単なる予想なのでこの限りではないかと思います。

日本全国、どこでも同じと思いきや意外とそうでもなかったりする火葬場事情、知っておくと何かの役に立つかも知れませんよ。

著者紹介

下駄華緒 (げた・はなお)

2018年、バンド「ぼくたちのいるところ。」のベーシストとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。前職の火葬場職員、葬儀屋の経験を生かし怪談師としても全国を駆け回る。怪談最恐戦2019怪談最恐位。

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