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身内自慢#01 プロバイダ責任制限法の改正

アルシエンの清水陽平弁護士がすごいという自慢話です。
#01としましたが、続くかは分からないシリーズです。

改正プロバイダ責任制限法の成立

改正プロバイダ責任制限法が本日成立しました。

詳しい内容は、報道や総務省などをご参照ください。

ここでは、法の改正を解説するのではなく、ただの身内自慢をしています。

清水の暗闘

プロバイダ責任制限法の改正では、新しい裁判手続の創設に目が行きがちですが、ログイン情報の開示が正式に認められたことが、清水先生の暗闘を横で見ていた同僚としては胸熱です。

誹謗中傷の場が2ちゃんなどの掲示板からSNSサービスに移行したにもかかわらず、これまでSNSのログイン情報が開示対象にはなっていませんでした。
これは端的に言って法の不備です。

平成26年におそらく清水先生が日本で初めてログイン情報の開示を認めてもらう判決をもらったのだと思います。しかし、その後、裁判所は法律に書いていないからログイン情報の開示はダメという判断をするようになりました。

SNSで誹謗中傷を受けたという切実な相談を受けながら、今の法律や裁判所の傾向からするとハードルが高いですよねと回答せざるを得ず、それにより泣き寝入りとなってしまった被害者が何人もいました。

そのような状況にもかかわらず法の不備によりログイン型投稿の被害を泣き寝入りするわけにはいかないと依頼をしてくれた方々のために、法の不備をどうにかこじ開けようと訴訟を繰り返しては敗訴しつつ、法改正につなげるためにメディアからの取材や学会での意見交換の場などでも法律の改正が必要ということを何度も何度も何度も丁寧に説明をしていました。

今から6年前、2015年(平成27年)の情報ネットワーク法学会で「いわゆる『ログイン型投稿』における問題」という発表をし、ログイン型投稿についてはプロバイダ責任制限法の不備があるということを問題提起しています。

総務省の研究会を経て法改正


そして、昨年2020年4月、総務省に「発信者情報開示の在り方に関する研究会」が発足し、清水先生が研究会において『発信者情報開示に関する課題について』という発表の機会をもらい、ログイン型投稿の問題点について説明をしています。


そしてそのまま研究会のメンバーにもなり、今般ようやく法改正となりました。

街弁も法改正に関われる


法改正により、これまで泣き寝入りになった被害者の方が救われるようになるかと思います。

弁護士というと裁判で目の前の依頼者を助けるというのが主な業務ですが、裁判をしながら立法事実を積み重ねて、法律の改正につなげ、より多くの人を救うことができるのだということを知り、弁護士のダイナミズムを感じました。

法改正が決まり、横で見ていた私が「すごいね、ようやくだね!」感動しているのに、目の前にいる清水は「そう?」とクールに対応ですし、7年間もがいていて、総務省の委員にまでなり、改正につながったというすごい成果なんだからもっとアピールすれば良いのにと伝えたら

「自分のとった判決を利用して、全国の弁護士がログイン型に挑戦した結果が結実しただけです」

と格好いいことを言い、自分ではアピールするつもりはないようなので、同僚である私がnoteという場を借りて、清水先生の自慢をすることとしました。

改正プロバイダ責任制限法の活用法

改正プロバイダ責任制限法の活用法、予想される論点などは、神田知宏先生、中澤佑一先生とともに、清水先生が以下のオンライン配信イベントで解説をするみたいなので、ご興味のある方はご視聴ください。




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