見出し画像

私が鉄道趣味をしんどく感じるようになった理由とその解決方法

物心付いた頃(1980年代半ば、辛うじて国鉄があった頃)から、私の最大の趣味は鉄道でした。

しかし、最近の私はこの鉄道趣味が競争にしか見えなくなり、撤退も考えています。

その最大の原因となっているのが、地元関西の私鉄が次々に送り出しているヘッドマーク付きの電車、ラッピング電車、リニューアル車です。
たとえば阪急電鉄や叡山電鉄あたりのヘッドマークやラッピング、リニューアル車についてはあらかた記録できているのですが、問題は阪神電鉄や山陽電鉄、京阪電鉄、南海電鉄といった他の気になる私鉄各社のヘッドマークやラッピング、リニューアル車です。
X(Twitter)を見ていると、自分だけが仕事や家庭の事情、あるいは出かけた時にたまたま車庫に入っていたなどの理由で撮れなかったお目当ての列車を、ライバルたちが皆撮影しているということが当たり前のように多いです。
「またライバルに出し抜かれた」「自分は何と駄目な人間なのだ」「屈辱的な事態」。このようなことを何度思って落ち込んだことでしょうか。

思いつめた末、X(Twitter)で「○○を撮影できない人間は、△△鉄道のファン失格でしょうか」と匿名でアンケートを取ったところ、心無い方から「そうだ△△鉄道のファン失格だ、今すぐ△△鉄道のファンを辞めてしまえ」という選択肢に票を入れられたことがありました。

日本の慣用句に「上には上がいる」という言葉がありますが、今の私はこの言葉を「何をやってもナンバーワンになれない人間は駄目な人間、無能」「他人に勝てない分野を趣味と称するのはおこがましい」「人に勝てない分野の事柄について自己肯定感を持ってはいけない」という意味で解釈しています。

要は、学業成績や仕事の出来、スクールカーストでの地位だけではなく、趣味もまた競争。人に負けてはいけない、一番上に立たなければいけないということなのでしょう。
そう考えると、鉄道趣味で惨めな思いを重ねている私は何と駄目な人間なのでしょう、そんなことなら、鉄道趣味を辞めたほうが良いのかもしれない・・・

実際、つい先日職場の人事からも、ストレスコントロールのための方法として、「人と競争になるような趣味は避けましょう」というアドバイスがあり、「人と競争になる趣味、まさに鉄道趣味じゃないか」と思ったところです。

このような悩みは、何も今に始まった事ではありません。
以前にもこのようなことはありました。

・(中学・高校時代)雑誌の読者投稿欄に採用されず落ち込む
→旅客機趣味やアイドル趣味、J-POP趣味など他の趣味に逃げ、一時的に鉄道趣味のウエイトを減らして乗り切った。中3、高1の時は友人が多かったのも幸いだった。
・(大学時代)ライバルの先輩との駅乗降数競争に疲れる
→お洒落を頑張って気を紛らわせた。ボランティアサークルの活動、旅客機趣味、ガールポップ趣味、そして車の運転に逃げることができた。そして何より好きな女性がいた。


しかし、現在の私は家庭を持っている社会人。
旅行は自由にできない、車の運転は精神上の問題で長らく出来ていない、海外旅行も仕事や経済上の問題でなかなかできない、四国遍路も事実上断念状態。
鉄道趣味でスランプに陥っても、気を紛らわせるための手段は女性ファッションの研究かアニメグッズの爆買い以外にない状況です。
そのため、リアルやSNSで家族や友人に愚痴をこぼし、周りに不快な思いをさせたり、自分自身も心苦しい思いをするなど、社会的な影響が大きいため、このようなことを避けるためにやむを得ず鉄道趣味活動の縮小を真剣に考えているレベルです。

具体的には
1、自宅からやや遠く撮影に通いづらい鉄道会社(たとえば阪神電鉄、山陽電鉄など)のファンを辞める。
その会社に関連するグッズは燃えるゴミの日に全て処分する。
2、ヘッドマーク、ラッピング電車の撮影にこだわるのをやめ、自分のペースが守れる範囲内での趣味活動に留める。
3、そもそも鉄道趣味自体をやめてしまう。

1、3は極論というのは認識しているので、2が一番現実的な解決策ではないのかと考えているところです。

冷静になって考えてみるなかで、逃げ道がもうひとつあることに気づきました。
他の人が皆撮っているヘッドマークやラッピングを自分だけが撮れなくても、鉄道趣味にはそれぞれの楽しみ方がある。
たとえお目当ての車輌に縁がなくても、駅舎や橋梁、架線柱、土地境界標などの施設、お知らせや広告といった掲示物など、被写体はあらゆるところに転がっており、またグルメ鉄、考古鉄、音鉄などさまざまな角度から楽しめる余地があります。
それだけに車両や施設の記録の仕方も、鉄道自体の楽しみ方も考えようによっては何とでもなります。
私自身の経験ですが、SNSに地元の貨物駅の遺構、プロ野球チームと絡めた写真、懐かしのプリペイドカードの画像を載せただけでたくさん反応があったことがありました。
ライバルが皆撮っている鉄道車両を自分だけが撮れないことはたしかに敗北ではありますが、その勝負の土俵から降りれば、自分なりの楽しみ方があるのです。

話が長くなりましたが、これ以上地元の私鉄のヘッドマークやラッピングなどに振り回されて精神的に疲弊し、大切な趣味を勝負や憎しみの場に変えることはどうにか避けたいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?