簔輪 健行/Takeyuki Minowa

福井出身の都内に住んでいてまた福井に舞い戻った社会人1年目。 旅とか野球とかサッカーと…

簔輪 健行/Takeyuki Minowa

福井出身の都内に住んでいてまた福井に舞い戻った社会人1年目。 旅とか野球とかサッカーとかミスチルとかいろいろ好き。

最近の記事

全て正直な気持ち

今回、『きつねびより』という本に載せた、ぼくの体験談の全文です。 -------------------------------------------------------------------- 私が吃音を発症したのは小学3年生くらいの時です。 はっきりとしたことは覚えていませんが、当時の担任の先生から指摘を受け医療施設で調べたところ吃音ということを言われたと、後に母から聞かされました。 そこから約15年、今でも吃音の症状はあり、日々向き合い続けています。 吃

    • 大切な人に会えるのはこれが最後かもしれないから

      6年前のあの日、ぼくは人生で1番の後悔をした。 真っ白な棺の中で冷たくなっているじいちゃんに、何度も何度も謝った。 * 小さい頃から、ぼくはじいちゃんばあちゃんと一緒に暮らしていた。 いわゆる3世代家族。 保育園には、じいちゃんが決まってぼくを自転車で迎えに来てくれた。 ちょっと青みがかったおおきめの自転車。 その後ろに乗り、家から10分くらいの距離をおしゃべりしながら帰るのが日常だった。 じいちゃんは、野球がとても好きだった。 平日の朝、夏休み中だったぼくが1階の

      • ぼくと東京の5年半

        11月29日。5年半住んだ東京を後にした。 その1カ月前。 福井に戻ることにする、と両親と話をして戻ってきた東京の空気を吸ったとき、なぜだか東京のことを嫌いになりかけたのを鮮明に覚えている。 * 「東京のことが嫌い」という会話の中で決まって出てくる風景が、「くたびれた(ように見える)サラリーマンでごったがえす電車」だと思う。 東京で暮らした日々、何度となく満員電車を経験し、何度となく足を踏まれ、何度となく出入り口のドアに顔を押し付けられた。 けれどその度に、「ああ今東

        • ぼくが「想う」こと

          「想い」という言葉を、ぼくはめちゃめちゃ多用する。 あえて意識的に。 「思い」よりもより心から何かに寄り添っているような、そんなイメージがあるからっていうのが理由なのだが、その根本とか原点とかは今まであまり振り返っていなかった。 * 小さいときから、ぼくには「吃音」という症状がある。 話すときに言葉が詰まったり出にくかったりする障がいだ。 自分の気持ちとか「こうしたい」っていうのをはっきり口に出して主張するのが得意じゃなかった記憶がある。むしろ苦手だった。 そのせい

        全て正直な気持ち

          捏造された「やりたいこと」

          最近こんな記事を目にした。 SNSなどの発達によって、情報発信のツールが多様化し、それに伴いハードルも低くなった。 良きにつけ悪きにつけ、世界に拡散する各人の心の声の量は増大している。 それに伴い、自分の夢を叶え、キラキラした(ように見える)人生を歩んでいる人の軌跡にも容易に触れられるようになった。 そしてまた、こんなことを心の奥底で感じる人が現れてくる。 「自分にはなんにもないな・・・」 「あの子楽しそうなのに、自分なにしてんだろ・・・」 * ぼくは1回、「やり

          捏造された「やりたいこと」

          星が見たい。

          「3.11」の日。   NHKで、「あの日の星空」と題された番組が流れていた。   久々に、テレビを観ていて泣いた気がする。     ぼくは、3.11のときは中学3年生。まだ福井にいた。 だから、地震の揺れを身をもって体験したわけではない。 親族や大切な友人を失ったわけではない。   だから、そんな辛い体験をした方々の気持ちを、わかったように語る資格はない。   それでも、番組を観ていろいろ思うことがあったから、ちょっと書いてみる。 =====================

          「わかる」ことと「受け入れる」こと

          ここ最近になってようやく、「カミングアウト」に対する社会の意識が変わってきたように感じる。 つい先日、LGBTの女子サッカー選手へのインタビュー記事を読んだ。 長く彼女が抱えてきた気持ち・想いを外に吐き出したときの感情って、どんな感じだったのだろう。 ぼくは彼女じゃないからわからないけど、たぶん相当抑圧されていたんじゃないだろうか。 正直に生きようと思って周囲に伝えてみたけど受け入れてもらえず、気持ちを発することに対して重しを乗せられてしまうよ

          「わかる」ことと「受け入れる」こと

          あ、もう23歳になっちゃった。

          タイトルの通りの感情です。笑 この投稿してからもう1年経ちました。 この1年、いろんな人に会い、いろんなことを話し、いろんなことを考え。 「どう生きていくべきか」ってことをずっと(未だに)考えていますが、なんとなくその輪郭は見えてきた気がしています。 まだ結果に繋がっていないことが歯がゆくもあり、ですが。 「使命」なんて偉そうなことは言えないけど、 最近、吃音というものを「神様がくれた贈り物」って捉えてみました。

          あ、もう23歳になっちゃった。

          7年前のあの日。喜びと悲しみと。

          あの日。 ぼくは、どきどきと不安の間で揺れていた。 高校の合格発表の日だった。 半年間つらかったけど頑張ったとは思う。受かっててくれ。 祈る思いで、高校の玄関前に張り出された番号を食い入るように見た。 あった。 あった。 心が晴れ渡るようだった。 半年間の努力が報われた。そんな思い。 振り返ったら、いっしょに頑張ってきた友達も笑っていた。

          7年前のあの日。喜びと悲しみと。

          「なんで、ぼくを産んだんですか?」 ~子供をもつことって。

          "好きなことを仕事にするよりも、土日休みで家族とかできた時に一緒に過ごせた方がいいかなって思ったから!" 春から社会人になる友達に、「なんでその会社選んだの?」って聞いたときに返ってきた言葉。 それに100%賛成ができなかったのは、「家族」とか「子供」とか、まだぼくの中では遠いものだったからかも。 ====================================== 「この子を絶対野球選手にさせる!」 「自分が叶えられなかった夢をこの子に託した

          「なんで、ぼくを産んだんですか?」 ~子供をもつことって。

          「嫉妬」とか「劣等感」とかと仲良くなれれば。

          「プライドが高い」 ぼくに対する他己評価の中で、今まで出てこないことがなかったワード。 自分ではそんなつもりはないのに。 それに対して、ネガティブなことしか考えられなかった。 「わがまま」「いつも自己保身に走る」「他人に対して壁隔てがち」 「プライドが高い=」の右辺に来るのは、いつでもそんなマイナスイメージ。 その原点みたいなものをちょっと考えてみた。 うまくコミュニケーションをとることができなくなっていた10代。劣等感に

          「嫉妬」とか「劣等感」とかと仲良くなれれば。

          つらかったときに、ほっとさせてくれたもの。

          自販機で温かい飲みもの買ったときに思い出したんですが、 ぼくが大学受験生だったころ(4年ほどまえ)の冬の時期、ホットジンジャーエールなるものが売られてたの、覚えてる人いるでしょうか。 「あっつ~い炭酸♪」みたいなフレーズを繰り返してたCMもあったと思います。 当時受験生で、そろそろ大詰めの時期だったので、なにかとストレス溜まる生活だったんですが、そのホットジンジャーエールは、なんか知らないけどくせになって、ほぼ毎日飲んでた記憶があります。 そのことと

          つらかったときに、ほっとさせてくれたもの。

          「想い」があふれ続けた、夢の跡。

          ぼくはよく、「想い」という言葉を使う。 「思い」よりも、尊くて、その分言葉にするのも難しい。 でも、ひとたび言葉にすれば、何人もの人を動かすだけの力をもっていると勝手に解釈している。 そういう力をもった言葉をつかえる人になりたいって、いつも思っているのだけど。 ================================== 1年前。 確かにその場所は、「想い」で溢れていた。 旅で世の中を変えたいって想う人。 本気で世界一周したいって想う人。

          「想い」があふれ続けた、夢の跡。