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【ブラッドベリ1000日チャレンジ】#0032

■短編小説  肩の上の秘書/星新一 ジャッジ:○
肩の上にインコが乗っている人が、営業活動にいろんな家庭を周っている。
夕方になってきたので、今日の最後の訪問と思って、訪れた家の方も肩にインコを乗せている。
実は、このインコはロボットであり、ご主人の代わりに話す。しかも、ご主人の文句なども、別の柔らかい表現で話してくれる。
めちゃくちゃ便利なインコだが、みんな本音を話せない世の中。
主人公が、仕事帰りにバーに寄った時に、マダムの肩のインコが、「あーら、お久しぶり。素敵な方がお店にいらっしゃらないと、お店のムードがなんとなくさびしくて・・・」って言った時に、ハッとさせられる。

■詩・俳句・短歌・歌詞  断崖/ 中島みゆきジャッジ:〇
「風は北向き 心の中じゃ 朝も夜中も いつだって吹雪
だけど 死ぬまで 春の服を着るよ
そうさ 寒いとみんな逃げてしまうものね、みんなそうさ」
このフレーズで生きる辛さと、虚勢を張りながら生きている人の弱さを表現している。


■論考 宇宙について / 森本哲郎ジャッジ:○
わが上なる星ちりばめたる空と
わが内なる道徳律と。  カント
なかなか分かりにくい文章だが、作者は自分がサハラ砂漠にいた時に、この感覚に触れることができたと記載している。
しだいに冷えてくるサハラ砂漠の上で、満天の星を見つめながら道徳律を呼び起こそうとした。
「星がゆっくり動いている。あの星を、この宇宙を、誰が動かしているのか・・・。」その時、ふっと自分はなぜサハラ砂漠の奥地にやってきたのか?そういう問いと同じではないのか。
これは、わが上なる宇宙と、わが宇宙とは、まさしく順応しているのでは。
難しいが、なんとなくわかる感覚。なかなか明文化できないが。

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