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究極の「自分ブランド力強化法」 第9回

第1回 究極の「自分ブランド力強化法」ついて
第2回 自分ブランド力を確立する方法
第3回 自分ブランド力を確立した人(1)
第4回 自分ブランド力を確立した人(2)
第5回 ブランドとは何か?
第6回 カリスマバイヤーの異名を持つ藤巻幸夫氏の自分ブランドとは?
第7回 くらたまなぶ氏の『MBAコースでは教えない「創刊男」の仕事術』を読んで学んだこと
第8回 『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』(カーマイン・ガロ 日経BP社)を読んで感じたこと


ブランド力は一朝一夕では得られない。
一瞬で失ってしまうものでもある。

今回は、ブランド力は、あるきっかけで簡単に失われるということをお話します。

一流と見られていた企業の「偽装」が、表面化しました。

まず、先にはっきりさせておくべきことは、食品偽装表示ではなく、食品偽装であることです。

表示の仕方ではなく、現実にはるかに安価な代替品を使っていたことです。

阪急阪神ホテルで問題が発覚した、10月下旬以降、食品の偽装「表示」について発表が相次いでいます。

阪急阪神ホテルの社長が、「偽装でなく、誤表示」と記者会見で発言したのは、詭弁でしかありません。

名門ホテルでは、ザ・リッツ・カールトン大阪、ホテルオークラ東京、JALホテルズなど。

百貨店では、高島屋、三越伊勢丹ホールディングス、大丸松坂屋百貨店、そごう・西武。

外食産業では、コメダ珈琲店、不二家。

どの企業も、誰もが一度は見たり聞いたりしたことがある、有名企業ばかりです。

1社が発表すると、同様なことをしてきた他社も公表に踏み切るケースが相次ぎました。

連日、記者会見を開いて、トップが平謝りするシーンがテレビ映像に流れました。

私は、これらは氷山の一角だと思っています。

「あそこがやっているのだから、うちがやっても大丈夫だ」という意識があったのでしょうか?

顧客は、それらの企業のブランドを信頼して、料理をオーダーしていたわけです。

プロでなければ、見た目では判断できないと思いますし、まして味覚で偽物と分かる人はほとんどいないでしょう。

ソースの味付けなどで、ごまかすことができるからです。

仮に、「ちょっと見た目や、味が違うな」と感じたとしても、「レストランで変なものは出さないだろう」と思うはずです。

「ボタンエビがアルゼンチンアカエビ」だったと言われても、アルゼンチンアカエビって何?という人が多いと思います。私も知りません。

「フランス産の栗の代わりに韓国産の栗を使ったモンブラン」
ごまかしにも、ほどがあります。

他国を批判する資格はありません。

「フカヒレスープの中身が春雨や湯葉などを使った人工フカヒレ」

以前から、中国料理店でこうした食材を使っていたことは知られていました。

まさか、一流ホテルのレストランでも使われていたことを知って、絶句したと同時に、怒りがこみ上げてきた人が、いるかもしれません。

これらは、確信犯ですね。

「羊頭狗肉」という言葉があります。
店頭の看板には「羊頭(羊の頭)」を掲げ、実際には「狗肉(犬の肉)」を売る意味が転じて、実際には粗悪な品を売るたとえです。

まさに、食品偽装です。
大昔からなくならないのですね。

食品偽装「問題」と言っていますが、食品偽装「事件」です。
騙してお金を受け取っているからです。

錯誤ではありません。過失でもありません。
未必の故意でもありません。故意です。
知っていてやったのですから。

プロであるシェフが、こうした代替品の食材を使って、顧客に提供して平気でいられるのは、プロの誇りを失ってしまったのでしょうか?

少しも心の痛みを感じなかったとしたら、救いようがありません。

それとも経営者から厳しいことを言われて、コストを削り、利益を出すことに腐心してきた結果なのでしょうか?

もし、それが事実なら、料理人が、お客様の方ではなく、経営者の方を見て仕事をしていたことになります。見る方向が間違っています。

顧客に対する裏切り行為です。

業界関係者には猛省して欲しいですね。


ただ、一連の不祥事を報道している新聞社、テレビ局、週刊誌や月刊誌の出版社などのマスコミも、あまり偉そうなことは言えません。

「やらせ」「でっち上げ」の過去が何度もあるからです。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」のは世の常とはいえ、いつでも、「これでいいのか」という気持ちを、忘れないようにしたいものです。


残念ながら、今後もこうした偽装問題、いえ偽装事件はなくならない、と思います。

「なくそう」という強い意思を持って、取り組む姿勢を全社で続けていくしかありません。プロとしての誇りを失わないでもらいたいですね!

こうした偽装事件は、昨日今日に始まったことではなく、もう何年も前から行われてきたことは、相当に根が深いと言わざるを得ません。

ブランド力を考える上で、ブランド力向上を目指すと同時に、ブランド力の毀損にも注意を払うことは欠かせないことだ、と改めて思いました。

再度、ブランドとは何か、を考えてみました。
ここで言うブランドは、コーポレート・ブランドのことです。


コーポレート・ブランドには、以下の4つの条件がある、と考えました。

1 歴史と伝統がある

2 伝説となるほどのストーリーがある

3 安心感・信頼性がある(安心・安全)

そして、もう一つ大切なことがあります。
それは――

4 お客様から尊敬される存在である

私は、この「尊敬される存在」にまで到達して、真のブランドだ、と思っています。

一連の事件の加害者である企業は、お客様から尊敬される存在であるという自覚が喪失していたと、言わざるを得ません。

これらの事件が発覚したことによって、安心感・信頼性そして尊敬を失った、と思います。

あなたは食品偽装事件について、どう思いますか?

今回は、コーポレート・ブランドについて私見を述べました。

【平成ドキュメント】「偽」の衝撃 食品偽装と平成 【HTBニュース】




この記事は、8年前にアメブロに投稿しました(2014-01-20 19:55:37)。
当時の自分がどんな事に関心を持ち、投稿したのかを確認しました。
その上で、大切なことだと再認識し、部分的に加筆修正し、再投稿しました。



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