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大前研一 名言集 『サラリーマン再起動マニュアル』(40)

『サラリーマン再起動マニュアル』(40)

今回から『サラリーマン再起動マニュアル』から名言を取り上げます。

大前研一氏は、私にとってメンター(師匠)であり、グールー(思想的指導者)の存在でもあります。

大前氏の著作を読んでいつも感じるのは、物事の本質を捉える、ずば抜けた能力です。

凡人である私は大前氏の足元にも及びませんが、不断の努力を怠らず、一歩でも彼に近づきたい、と思っています。


『サラリーマン再起動マニュアル』

目次
 [イントロダクション]志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない

 第1章[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?

 第2章[基礎編]「再起動」のための準備運動

 第3章[実践編]「中年総合力」を身につける

 第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件

 第5章[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ

 [エピローグ]新大陸の“メシの種”はここにある

✅ 小学館  出版年月日 2008/9/29 

 

世界の小売業の購買には二つの大きな特徴がある
一つは「電子調達」だ
もう一つは、味まで含めて世界の供給の現場を知り、自分でグローバルに調達する、ということだ

世界の小売業の購買には二つの大きな特徴がある。
 
一つは「電子調達」だ。これは新大陸の話でもあるのだが、世界で最も良くて最も安いものを電子商取引によって調達することをいう。

従来のように取引慣行に則って旧知の問屋や商社から買うのではなく、見たことも会ったこともない世界中の相手から買うという、ある意味で非情なシステムだ。
 
それに世界で最も長けているGMSがアメリカの「ウォルマート」とフランスの「カルフール」で、この電子調達を駆使すれば、商品の仕入れコストは半分以下になることもある。

しかし、見えない相手から買うということは、信用情報や支払い条件などで相当のノウハウを積んでいなくてはならず、一朝一夕に電子調達のメリット を享受するわけにはいかない。

もう一つは、味まで含めて世界の供給の現場を知り、自分でグローバルに調達する、ということだ

たとえば、スペインのイベリコ豚、ポーランドのハムやベーコンなど、世界で一番美味しいといわれているものを今までのように商社任せではなく、自分で見つけて直に調達する時代になっているのだ。

『サラリーマン再起動マニュアル』 大前研一の名言 1 〈484〉             



➳ 編集後記

『サラリーマン再起動マニュアル』 はタイトルから推測すると、マニュアル本のように感じられたかも知れませんが、いわゆるマニュアル本ではありません。

私たちが身につけるべき、本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている普遍性のある本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。

あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います

私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の言葉は、いつでも私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。


🔶 ウォルマートの傘下になってから、西友は業績が回復基調になった、と言われています。

今まであまり売れていなかったペット用品の品揃えやレイアウトを変更したことによって、ペット用品コーナーが消費者に認知され、売上を大きく伸ばすことができたそうです。

最近、テレビや雑誌で目にすることが多くなったのは、コストコというGMSです。

アメリカの企業らしく、巨大倉庫に夥しい量の商品を山積みし販売しているシーンをテレビで見ました。

肉、パン、ピザ、パスタなどが大袋に入れられ陳列されていました。
日本ではあまり目にしない、大型カートで店内を回ると、つい余計なものまで買ってしまいそうです。

年会費4200円を支払い会員になると会員を含め二人まで入店できるそうです。

日本国内で、このコストコの出店が増えているということです。超円高の今、輸入品が安く手に入るということでしょう(この記事のオリジナルを執筆した2011年12月当時)。

✅ 現在の西友

KKRと楽天、ウォルマートから西友株式取得完了
新株主は大久保恒夫のCEO就任を承認

【東京、米国アーカンソー州ベントンビル 2021年3月1日】KKR & Co. Inc. (以下、KKR)、楽天株式会社 (以下、楽天)およびウォルマート・インク (以下、ウォルマート) は本日、KKRおよび楽天の子会社である楽天DXソリューション合同会社(以下、楽天DXソリューション)がウォルマートから合同会社西友(以下、西友)の株式取得を完了したことをお知らせします。

株式取得完了により、KKRが65%、楽天DXソリューションは20%の西友株式を保有します。ウォルマートは引き続き西友株式の15%を保有します。KKR はアジア・プライベート・エクイティ・ファンドから投資を実行します。

西友 プレスリリース 2021.03.01                          
                              


KKR、楽天、ウォルマートの協業

株主であるKKR、楽天、そしてウォルマートは、それぞれの専門性を相互に活用しながらイノベーションとデジタル・トランスフォーメーション(DX)を加速させ、西友が日本を代表するOMOリテーラーとして躍進できるよう協業します。さらに、地域密着型の小売業者としてさらなる成功を実現できるよう、長期的な戦略遂行を支援してまいります。

   西友 プレスリリース 2021.03.01                          


OMO(Online Merges with Offline)とは?

OMO(Online Merges with Offline)とは、オンラインとオフラインに垣根を設けず、融合したひとつのマーケットとして捉えていこうとする考え方のこと。中国やアメリカを中心に、世界中でトレンドとなりつつあるリテールマーケティングの概念だ。

   「OMO」とは?マーケットの再構築により、最適化される顧客体験            


西友が再上場へ!IPOに備えよう!

ウォルマートが西友を再上場させる方針を固めたと報じられました。西友のIPOが具現化する可能性が急浮上しました。
西友は2007年12月期に6期連続の最終赤字となった翌年の2008年に、ウォルマートが完全小会社化して上場廃止となっていました。

The Goal 更新日:2021/09/05                           
                                  


西友は再上場できるのか?

西友は体力が衰えているとはいえ8千億円という国内有数の売上規模を誇る。規模が大きいほど小売業の再生は容易ではない。西友は全国に300店舗超を展開するが、老朽化した店舗も多い。店舗年齢を若返らせることは競争力に直結するだけに再生に向けて避けて通れない課題だ。
 今後、店舗閉鎖や人員削減に手をつける可能性もある。西友再生は多難な道となりそうだ。

   ウォルマートから外資ファンド傘下に入った西友の未来 経済界ウェブ 2022年2月1日    
                   

西友の再上場は難しそうです。解決すべき問題が山積しています。


✅ 現在のコストコ

コストコとは?

コストコホールセールは、高品質な優良ブランド商品をできる限りの低価格にて提供する会員制倉庫型店です。
コストコは、小規模ビジネスを対象に展開してきました。再販業者は仕入れ価格を抑えられるだけではなく、ビジネス用品を低価格で購入することができます。
個人会員の方にも、様々な商品のお買い物をお楽しみいただいています。

コストコジャパン 公式ウェブサイト                         


コストコの業績

日本国内のコストコの業績は公表していません。
現地時刻:8/25 12:36の業績は 544.89ドル 前日比+1.67ドル(+0.31%)となっています。

COST コストコ・ホールセール 業績推移

業績は概ね良さそうです。
決算期が2020年から9月から8月に変更になっています。


メンバーシップ(年会費等)

エグゼクティブ・ゴールドスター

ゴールドスター

  •  全世界のコストコ倉庫店でご利用

  •  無料家族会員カード1枚

  •  年間購入金額の最大2%エグゼクティブリワードを獲得※

  •  年4回以上実施されるエグゼクティブ会員限定の特別割引クーポン

  •  コストコグローバルカードと併用で、リワード還元率3.5%(最大)

 年会費 9,900円 (税込)

年会費4,200円から9,900円へ大幅に上昇しています。


⭐ 関連書籍



🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。

大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。


🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。


大前研一オフィシャルウェブ

このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。

⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ



大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。





🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。


大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は7年前にAmebaブログで書きました(2015-05-02 17:02:33)。
「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。 (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。


⭐ 今までにご紹介してきた書籍です。















⭐ 私のマガジン (2022.08.26現在)




















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