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宇宙ベンチャー上場 IPO時の企業評価に課題あり?

宇宙ベンチャーの ispace (9348) が東証グロースに上場

ispace (9348)

SF小説の話ではありません。日本の宇宙ベンチャーが東証グロースに2023年4月12日に上場しました。

その社名は、ispace (9348)アイスペースです。

この情報を知ったとき、日本のベンチャーが本当に宇宙ビジネスを開始するとはとても信じられませんでした。

一言で宇宙ビジネスと言っても、アイスペースが事業を行なう場所は月(ムーン)です。

詳細は後ほどお話しますが、人類が月(ムーン)で生活するためのインフラ整備の事業を行なうそうです。

この企業の上場に関連した記事が、日経ビジネス最新号(2023.04.24)に掲載されました。

その記事の概要と、私が調べた内容を公開します。

ispace (アイスペース)の袴田武史CEOが上場した4月12日に記者会見を開きました。

その会見で、「昨年12月に打ち上げた月着陸船が最短で日本時間の26日午前1時40分ごろに着陸する」(日経ビジネス 2023.04.24 p.097)と発表しました。


公募価格

IPO(新規株式公開)する前に公募価格を公表しますが、この価格がどうしてこんなに低いのだろうかと考えたものです。

「小さく産んで大きく育てる」という考え方だったのでしょうか。

アイスペースは同日(4月12日)、東証グロース市場に上場。12日の初日は買い注文ばかりの「買い気配」のまま取引は成立せず、翌日付いた初値は1株1000円。IPO(新規株式公開)の公募価格、254円の3.9倍となった

日経ビジネス IPO時の企業評価に課題あり? 2023.04.24 p.097          


宇宙ビジネスは先行投資が超長期にわたる事業

宇宙ビジネスは、壮大な超長期な事業です。先行投資が毎年継続するため、赤字先行は避けられません。

2023年3月期は112億円の最終赤字想定で、黒字化は数年後になりそうだ。初値からは、将来に賭けようとする投資家の夢が見えてくる。
もっとも、アイスペースは未上場時、第三者割当増資(シリーズC)による1株当たり発行価格が1203円だった。今年3月8日に決まったIPOの想定価格は244円。その後の公募価格は254円に改定されたが、8割減という評価額に衝撃が走った。

日経ビジネス IPO時の企業評価に課題あり? 2023.04.24 p.097          


「ダウンラウンド」IPOが増加

ダウンラウンドとは?

前回の資金調達における株価よりも低い株価で資金調達することを「ダウンラウンド」と呼ぶが、22年以降、アイスペースのような「ダウンラウンドIPO」が増加している。

日経ビジネス IPO時の企業評価に課題あり? 2023.04.24 p.097          


note (5243) にも言及

例えば22年12月に上場した、メディアプラットフォーム運営のnote(ノート)は、直近22年4月の資金調達(第三者割当)時の発行価格が2062円だったが公募価格は340円だった。
米国の利上げやウクライナ危機を背景に、株式市場が調整局面に入り、投資家のリスク許容度が低下。スタートアップの資金調達環境は「冬の時代」に突入している。

日経ビジネス IPO時の企業評価に課題あり? 2023.04.24 p.097          

2023年4月21日の note (5243) の終値は 587円 前日比 -19円 -3.14% でした。


2023/04/21 note (5243) のチャート SBI証券のアプリから



2023/04/21 note (5243) の株価情報 SBI証券のアプリから


ここまで読まれて、「アイスペースは怪しい会社なのではないのか」と疑念を抱かれたかもしれません。


米国航空宇宙局(NASA)の関連プロジェクトなどから受注を獲得

アイスペースは、すでに米航空宇宙局(NASA)の関連プロジェクトなどからの受注を獲得している。運転資金や開発費を賄うキャッシュが必要だった。
成長性が望める企業にはきちんと資金が集まる。未上場企業の資金調達手段が欧米に比べて少ない日本は、IPOに依存しがちでダウンラウンドが起こりやすい。多様な調達手段の整備や投資家の潜在的なニーズのくみ取りなど、新興企業のリスクマネー供給をめぐる課題が改めて浮き彫りとなっている。

日経ビジネス IPO時の企業評価に課題あり? 2023.04.24 p.097          


アイスペースの3つのミッション


ispace のオフィシャルウェブサイトから


ispace のオフィシャルウェブサイトから


ispace のオフィシャルウェブサイトから


ispace のオフィシャルウェブサイトから



ispace のオフィシャルウェブサイト


【ノーカット】宇宙開発ベンチャーispaceが月探査計画を発表(5年前)


いかがでしたでしょうか? 夢のある話ですね! でもおとぎ話ではありません。もう一歩踏み出しているのです。

アイスペースは、2040年に月(ムーン)で人類が生活できるようにするというミッションの達成のために日夜励んでいます。


最後に、アイスペースの直近の株価情報をお伝えします。


2023/04/21 ispace (9348) のチャート SBI証券のアプリから



2023/04/21 ispace (9348) の株価情報 SBI証券のアプリから



🔷編集後記

宇宙ビジネスという話になると、米国やロシア、中国の覇権争いの話題が取り上げられることはあっても、日本のベンチャー企業が宇宙ビジネスに参画するという話はあまり、いや全く聞いたことがありませんでした。

2040年にアイスペースの最終ミッションが達成されるということです。今から17年後のことです。私がもしその頃まで生きていたとしたら、85歳くらいです。

その時、どんな思いをするだろうかとふと考えてしまいました。今現在のようにワクワクする気持ちは失われているかもしれません。

その頃まで、ミッションが達成される日を待ち続けていたいと思っています。


⭐回想録


⭐マガジン (2023.04.22現在)


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