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メルマガ 大前研一 ニュースの視点 有益な情報を得て、発想に結びつける No.004




メルマガ 大前研一 ニュースの視点 有益な情報を得て、発想に結びつける No.004

はじめに

私は30年ほど前から大前研一氏の著作を読み始め、読み続けています。
大前氏の著作や動画等から非常に有益な情報を得るだけでなく、考え方・発想法などを学んでいます。

大前氏のメルマガ購読を10年ほど前に開始し、今日も続けています。
ただし、すべての記事にきちんと目を通したわけではありません。
そこで、メルマガ購読の登録を開始した当時に遡って、読み直すことにしました。

そうすることで書籍との関連性によってより深く理解できたり、10年にわたる大前氏の考え方の変遷を感じ取ることができると考えました。

大前氏が頭脳明晰であることは異論がないと思います。
他にも頭が良い人たちは数多いますが、その人たちと大前氏が異なる点があります。

それは、大前氏は自分の考え方や発言に間違いがあった場合には、すぐに認め、訂正することです。他の頭が良いと言われる人たちは、プライドが高く、自分の間違いを認めたがらないだけではなく、訂正しようともしません。


🔶お知らせ

大前氏は私より年齢が一回り上です。大前氏は今年80歳になられました。
事情ははっきりしませんが、2023年6月29日に、BBT(ビジネス・ブレークスルー)の代表取締役を退任されました。

ビジネス・ブレークスルー大学の学長職に専念されるということです。社会人教育に対して情熱を注ぎ続ける姿に頭が下がります。
日本を再興するためには、社会人教育が不可欠であるという信念を持ち、今日でも社会人教育に励んでいます。

私は、他のところでも何度も書いていますが、30代の頃から大前氏に私淑しています。これからも変わりません。


KON464【日産・ヤクルト・米ボーイング社・ANA~企業の取り組みや考え方を理解する】 ~大前研一ニュースの視点~ 2013/05/03 8:27

🔴メルマガ全文

┏━■ ~大前研一ニュースの視点~
┃1┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┗━┛『日産・ヤクルト・米ボーイング社・ANA~企業の取り組みや考え方を理解する』
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 日産・ルノー連合 夏までにルノー工場で日産車生産
 ヤクルト本社 海外での提携を解消
 米ボーイング 787運行再開へ向け改修作業完了
 ANA 連結営業利益1100億円

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 ▼ 日産はゴーン氏と袂を分かつか逆買収せよ
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 日産・ルノー連合のカルロス・ゴーンCEOは、先月13日、
 「夏までにルノーの工場で日産車を生産する計画を発表できるだろう」
 との見通しを示しました。

 現在、両社の業績格差は広がっていますが、フランス政府も
 日産がルノーを手助けするのは当然とコメントするなど圧力を
 強めており、負担を強いられる日産社内からはルノーへの
 出資比率を引き下げる議論も出始めたということです。

 これは非常におかしな話だと思います。

 ルノーの純利益算定の構造を見ると、2012年の利益の大半は
 日産が生み出したものです。

 今では「ルノー=日産」と言っても過言ではありません。

 それなのに、オランド仏大統領は、
 「フランスで日産の車を作り、ルノーの工場を閉鎖しないように」
 と言っています。

 フランス政府はルノーの株式を保有している株主ですから、
 ルノーの得になることを提言しているのです。

 こうした状況に対して日本政府が黙っている理由はありません。

 「日本の雇用を考えてもそんなことは受け入れられないし、
 ルノーのことはルノーが考えろ」と主張するべきだと私は思います。

 確かに、日産がV字回復を成し遂げることが出来たのは、
 カルロス・ゴーンCEOのお陰ですが、もうその義理も
 果たしたのではないでしょうか。

 今、ゴーン氏の給与の大半は日産から支払っています。

 それにも関わらず、ゴーン氏は日本に不利な動きばかりして、
 フランス政府にベッタリ近づいています


 もうそろそろ、ゴーン氏と袂を分かつか、あるいは日産が
 ルノーを逆買収するということも検討しても良いと私は思います。

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 ▼ ヤクルトはTOBの危険性が大
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 ヤクルト本社は26日、同社の筆頭株主の仏食品大手ダノンとの
 戦略的提携関係を解消することで合意したと発表しました。

 ヤクルト株を20%持つダノンは株式の買い増しや提携関係の強化を
 求めていましたが、条件が折り合わなかったためです。

 戦略提携を解消することは両社の決別を意味するのではなく、
 むしろダノン社によるヤクルトのTOBへとつながる
 可能性がある動きです。

 すでに20%の株式を保有しているわけですから、
 33.3%まで買い増していくことはそれほど難しい話ではありません。

 ヤクルトとしては防ぐのは難しいかも知れません。

 ヤクルトは、乳酸菌の研究などが進んでいるため、世界的に見ても
 非常に評価が高い企業ですから、TOBの可能性は大いにあります。

 これまでにもヤクルトの経営陣は様々なトラブルを
 起こしてきましたが、今回のような事態を招いてしまったのも、
 ひとえにヤクルト経営陣の怠慢さだと私は思います。

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 ▼ ボーイング787の運行停止がむしろプラスに働いた
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 米ボーイングは新型機「787」の運航再開に向けた改修作業を
 週内にほぼ終える見通しです。

 改修が終われば米連邦航空局(FAA)など各国当局が正式に
 営業運航の許可を出します。

 1月の相次ぐ発煙事故で起きた安全問題はヤマ場を越え、
 同社にとっては、運航停止に伴う航空会社との補償交渉と
 信頼の回復が次の課題となる見通しです。

 日本でもすでに国交省の承認がおりて、6月から就航開始が
 決定しています。

 実は面白いのは、ボーイング787の運行が停止していたのに、
 全日空の決算を見ると全く数字が悪くないということです。

 むしろ、ボーイング787の運行が停止していたから良かったと
 さえ言えるかも知れません。

 全日空は、赤字になりそうな路線に対して、燃料効率が良いという
 理由でボーイングの新型機「787」を割り当てました。

 しかし結局、運行することができず、赤字になりそうな路線が
 飛ばなかったおかげで、驚くべき数字が出てきたのです。

 全日空の連結営業利益は1000億円を超え、前期比7%増です。

 コスト削減の結果だと発表されていますが、
 私は「787」の運行停止がプラスに働いたのではないかと見ています。

 結果論ですが、燃料効率が良い飛行機が開発されたからと言って、
 手放しに不採算路線を復活させるのは危険だと言えるでしょう。

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 この大前研一のメッセージは4月28日にBBT Chで放映された  
 大前研一ライブの内容を抜粋・編集し、本メールマガジン向けに
 再構成しております。

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✅KON464のキーワード・キーセンテンス

1「ゴーン氏は日本に不利な動きばかりして、フランス政府にベッタリ近づいています」

ご存じのように、このメルマガが発行された5年後の2018年に「カルロス・ゴーン事件」が発覚しました。

この事件の経緯は、Wikipediaの記事をご一読ください。

いつ頃から不正を行っていたかは定かではありませんが、2013年頃あるいはもっと前から不正を行っていた可能性があります。

最近になって、ゴーン氏は日産自動車などに対し、10億ドル(1470億円)という巨額の損害賠償請求を逃亡先のレバノンの裁判所に起こしました。

ゴーン元会長 日産などに1470億円余支払い求め 裁判への手続き

ゴーン元会長は自身の逮捕・起訴について日本の検察と日産との陰謀によって仕組まれたものだと主張していて名誉を傷つけられたなどとして、日産自動車や複数の関係者に対して、10億ドル余り、日本円で1470億円余りの支払いを求める訴えをレバノンで起こしていました。

現地の司法当局によりますと18日、首都ベイルートで双方の弁護士が出席して裁判に向けた予備的な手続きが行われたということです。

ゴーン元会長をめぐっては日産自動車も3年前、会社に損害を与えたなどとしておよそ100億円の損害賠償を求める訴えを起こしています。

NHK NEWS WEB 2023年9月19日 8時14分 


ゴーン氏はフランスの検察からも追及を受けていますが、レバノンにいる限り逮捕されないと高をくくっています。
10億ドルという数字の根拠はどこにあるのでしょうか? 金の亡者か?
一般論として、彼の行動は理解できません。


2「全日空は、赤字になりそうな路線に対して、燃料効率が良いという理由でボーイングの新型機『787』を割り当てました」

このメルマガが発行されてから10年の間に、新型コロナウイルスの世界的な蔓延を経験し、業績悪化に苦しみ、ここ最近では原油高や円安によって航空業界は疲弊してきましたが、ようやく光が見えてきました。

LCC(Low Cost Carrier=格安航空会社)の中にはエア・アジア・ジャパンのように就航3年で破産した航空会社もあります。

料金が安いので、搭乗率を高めなければなりません。それがうまくいかなかったのです。

LCCは従来の航空会社より安く旅客を運ぶため、一般に搭乗率を高く維持しなければうまく利益を得られません。コロナショックに見舞われたことでビジネスモデルが崩壊したこと、またエアアジア・ジャパンは日本就航からわずか3年目だったことから、危機を乗り切る経営体力がなかったことなどが破綻した原因だと考えられます。

人気LCCが就航わずか3年で破産の衝撃…従業員を襲う一 
斉解雇の悪夢 フィナシー 2022.11.17




KON465【憲法改正への有権者意識と国会のあり方~憲法改正議論のポイントを考える】 ~大前研一ニュースの視点~ 2013/05/10 8:26

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┏━■ ~大前研一ニュースの視点~
┃1┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┗━┛『憲法改正への有権者意識と国会のあり方~憲法改正議論のポイントを考える』
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 憲法改正
 現行憲法
 「改正すべき」56%
 「現在のままで良い」28%

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 ▼ 第9条の改正には、日本の冷静な判断能力が問われる
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 日本経済新聞社とテレビ東京は共同で世論調査を実施し、
 夏の参院選の争点に浮上している憲法改正への有権者の
 意識を探りました。

 現行憲法を「改正すべきだ」との回答は56%に上り、
 「現在のままでよい」の28%を上回りました。

 現状維持が3割を下回ったのは2005年の調査以来
 8年ぶりとのことです。

 マスコミは否定的でしたが、以前から私は憲法改正が
 参議院選挙の争点になると述べていました。

 現在の世論では、
 「第96条だけ変えるのか?それとも他も変えるのか?」
 という「改正」が前提になっています。

 憲法改正論がマスコミの間で広がってきた結果、いつの間にか
 憲法を改正すべきとの回答者が56%に達したとのことですが、
 私としては「簡単に決めすぎていないか?」とも感じます。

 逆に現行憲法のままで良いと回答した人が28%とのことですが、
 一度憲法を読んでみて欲しいと思います。

 私に言わせれば、日本語のレベルとしても
 疑いたくなる文章であり、内容も然りです。

 どの点が現行のままで良いのか議論して欲しいところです。

 憲法第9条の改正となると、日本に集団的自衛権が必要なのか?
 という点が議論も発生してきます。

 もともと自民党は自由に憲法を解釈することで、
 憲法改正をしなくてもいわゆる防衛力を整備してきました。

 今回、安倍首相はこれまでのなし崩し的な形ではなく、
 憲法によって明確な立場を取りたいということだと思います。

 ドイツは多大な犠牲を払ってアフガニスタンに派兵しましたが、
 国際社会の一員として日本も同じくらいのことはするべきだと
 考えているでしょう。

 当然これまでのように、武器が制限され、後方支援のみ、
 ではなく他の国の軍隊と同様の任務を遂行するものとして
 派遣できることが前提だと思います。

 集団的自衛権の行使が憲法で定められたならば、
 今以上に日本には冷静な判断能力が求められると思います。

 例えば、サダム・フセインを追い詰めた米大統領の
 間違ったキャンペーンに乗っかるべきではありません。

 あくまでも人類の大義のために集団的自衛権を行使することが
 重要であり、米国にしっぽを振るものではありません。

 安倍首相が想定している集団的自衛権が間違っていないことを
 願っています。

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 ▼ 憲法改正において議論すべきテーマは?
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 先ほども見たように今回の世論調査では、
 「憲法改正すべき」が56%で、「現在のままで良い」の28%の
 2倍になっています。

 具体的な改正のポイントはどこかと言うと、まず二院制など
 国会のあり方です。

 橋下氏は一院制を推していますが、私も新大前研一リポートで
 発表して以来、元祖一院制論者です。

 私の場合には、一院制+道州制であり、加えて国民投票です。

 衆議院で結論を出す一方、重要事項については国民が
 直接承認する方法が良いと考えています。

 憲法改正の要件を緩和すべき、すなわち第96条の改正も
 ポイントになっています。

 おそらく参議院選挙で自民党が憲法改正を争点にすれば、
 第96条が前面に出てくることになると思います。

 第9条の改正を争点にしてしまうと、収集がつかなくなる
 可能性が非常に高いので、そこは避けてくるでしょう。

 第96条の議論であれば、みんなの党、維新の会も足並みを
 揃えていけるので好都合です。

 参議院選挙の争点にするには間に合わないと思いますが、
 安倍政権には次の3つの課題も残されています。

 すなわち、前回の安倍政権で定めた国民投票法案に定められた
 附則事項です。

 「18歳選挙権実現の法整備」では、
 18歳以上に国民投票の投票権を与えたものの、
 公職選挙法の選挙権や民法との整合性をどうするのか?

 「公務員の政治的行為」では、政治的行為に制限を受けている
 公務員について、国家公務員、地方公務員の規定にどのような
 変更を加えるのか?

 「国民投票の対象拡大」では、国民投票を憲法改正以外にも
 適用出来るのか?

 上記の点は具体的に議論を進めていく必要があると思います。

 例えば、国民投票の対象拡大が首相の選任に適用された場合、
 今の日本国民の政治に対する関心の低さを考えると、マスコミの
 人気投票になってしまうリスクを考える必要があるでしょう。

 今の日本だと著名人・芸能人が首相に選ばれる可能性も
 大いにあります。

 実際、過去数十年の首相に選びたい人のランキングを見ると、
 田中真紀子氏や石原慎太郎氏が上位にいます。

 憲法改正にあたっては、こうした諸々の問題も具体的に
 議論していく必要があります。

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 この大前研一のメッセージは5月5日にBBT Chで放映された  
 大前研一ライブの内容を抜粋・編集し、本メールマガジン向けに
 再構成しております。

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✅KON465のキーワード・キーセンテンス

1「第96条の議論であれば、みんなの党、維新の会も足並みを
揃えていけるので好都合です」

憲法改正論議は安倍前首相が亡くなられてから、下火になったとはいえ、防衛省による防衛費の概算要求があり、大幅増額であるため、国内外から軍事力強化と見なされています。しかも、財源の確保をどうするのかが問題になっています。増税が取りざたされています。

日本国憲法第96条

第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

法令リード 日本国憲法  
 


イージス・システム搭載艦、いずも型護衛艦改修、次期戦闘機開発の費用はいくら? 防衛予算概算要求まとめ

日本が防衛力の抜本的な強化を本格化させている。防衛省は8月末、来年度防衛予算の概算要求を過去最大の7兆7385億円とすることを決めた。今年度当初予算の6兆8219億円と比べて13.4%も増えた。防衛費の大幅増額の背景には、中朝露という核保有国の隣国3カ国からの軍事的脅威が増していることがある。とりわけ中国の著しい軍事拡張だ。

Yahoo! ニュース 2023/9/25(月) 16:42 


2「18歳選挙権実現の法整備」

18歳選挙権を実現する公職選挙法が改正され、2016年6月22日から適用されました。18歳成人となりました。

18歳選挙権の経緯

国会審議の中では、「かつては21歳選挙権が世界的な趨勢だったが、1970年(昭和45年)前後に各国で憲法改正等があり、18歳選挙権を取る国が増えた。」「現時点(2007年)で世界の186ヶ国中、162ヶ国で18歳選挙権が保障」などの発言があった。

18歳選挙権 Wikipedia  

時代の趨勢に合わせたということだったのでしょう。



KON466【日本維新の会・民主党・自民党~マイナンバー法案と高校授業料無償化を考える】 ~大前研一ニュースの視点~ 2013/05/17 8:26

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┏━■ ~大前研一ニュースの視点~
┃1┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┗━┛『日本維新の会・民主党・自民党~マイナンバー法案と高校授業料無償化を考える』
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 日本維新の会 「橋下氏が参院選に出るべき」
 民主党 「96条先行」に反対で一致
 マイナンバー法案 社会保障・税の共通番号法案
 高校授業料 年収900万円軸に制限へ

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 ▼ 維新の会の賞味期限は必然、民主党の空中分解
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 日本維新の会の石原共同代表は7日、
 「党の旬が過ぎ、賞味期限が近づきつつある」として共同代表を
 務める大阪橋下市長の参院選への出馬論を唱えました。

 橋下氏は「(国会議員と自治体首長を)兼職できるなら挑戦も
 あり得るが、市長を辞職することはできない」と出馬に
 慎重な姿勢を示しています。

 私は石原氏の発言は非常に無責任だと思います。

 橋下氏は出馬するべきではありません。

 もし参院選に出馬すれば、せっかく進めている大阪都構想が
 無駄になってしまいます。

 日本維新の会は、いずれにせよ賞味期限を迎えているので、
 橋下氏の出馬の問題は関係ないでしょう。

 橋下氏はまだ若いですから、急ぐ必要はなく、
 今は大阪都の実績を積むことが大切だと思います。

 民主党は7日、憲法改正の発議要件を定める96条を
 他の条文より先行して改正することに反対する方針で
 一致しました。

 海江田代表や桜井政調会長は96条の改正自体に反対する
 姿勢を示していましたが、党内の改憲積極論に配慮し、
 改正の是非に踏み込むのを避けた形です。

 みんなの党、維新の会、自民党、最後には公明党も
 憲法改正には同調するでしょうから、完全に民主党が
 空中分解する図が出来上がってしまいました。

 今回の96条問題の是非は民主党が終焉を迎える「踏み絵」
 みたいなものかも知れません。

 憲法96条の改正はもとより、そもそも憲法とは
 どうあるべきか?どのようにゼロベースで考えるべきか?
 という点については、拙著「平成維新」(1989年)を
 読んで頂きたいと思います。

 他国の参考になる憲法から、ゼロベースで私が憲法を
 考えるならどうするか?
という点まで全て書いてあります。

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 ▼ 日本の政治では、制度が果たすべき役割を議論することすら
できていない
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 社会保障・税の共通番号(マイナンバー)法案が9日、
 与党や民主党などの賛成多数で可決されました。

 同日中に参院に送付され、今国会中に成立する見通しです。

 2016年1月から年金などの社会保障給付と納税を1つの個人番号で
 一元管理する共通番号制度が始まる予定とのことです。

 このようなものをそのままニュースとして報道するとは、
 今の新聞記者の勉強不足さが表れていると私は思います。

 本来、政府がどのようなサービスを提供すべきかを議論した上で
 マイナンバーを活用するとどのようなコストが削減され、
 どのようなサービスが向上するのかを考えるべきです。

 現状のサービスの限界は何なのか?
 さらにこういうサービスを追加してみてはどうだろうか?

 そのような議論は全く行われていないでしょう。

 政治家もまるで各種業界から接待されるがまま、
 「マイナンバー」と言われているだけで、
 全く上記のような発想を持っていないと思います。

 全く機能しなかった住基ネットの延長線にある
 マイナンバーなど、お話になりません。

 私はこの点について、デンマークや韓国など他国の事例と
 比較して何が問題なのかということを数年前から
 ずっと指摘しています。

 パスポートの電子申請の失敗などと全く同じ結末を迎える気が
 しています。

 ICカードそのものに付加機能を持たせるなどしていれば、
 まだ将来的な対応が出来たかも知れませんが、そのような
 設計にもなっていないようなので、かなり厳しい状況だと思います。

 同じように全く制度としての根本が議論されていないのが、
 高校の授業料実質無償化という制度です。

 文部科学省は、民主党政権が導入した高校の授業料の実質無償化に
 ついて、新たな給付型奨学金の創設などに財源を活用したいとして、
 世帯の年収で900万円を軸に所得制限を設ける方向で調整に
 入ったとのことです。

 そもそも高校を無償化する理由・大義名分が全くありませんから、
 その点から考え直すべきでしょう。

 もし考えなおすなら、高校を義務教育にするかどうかです。
 義務教育とするなら理解出来ます。

 その場合には、同時に成人年齢を18歳とすることも
 定めるべきでしょう。

 世帯年収の900万円というのも安直過ぎます。
 おそらく生活保護の時と同様、偽装離婚などの問題が
 出てくるでしょう。

 もし年収によって差別化するなら、900万円で一線を引いてしまう
 のではなく、500万円で半額負担、1000万円以上なら無保証など、
 せめて段階別にするべきです。

 今回の世帯年収900万円ということからは少しズレるかも知れませんが、
 基本的に日本の政治家の頭の中には「選挙」しかありませんから、
 困ったときには「金持ち」にしわ寄せがいきます。

 金持ちの割合は少ないですから、選挙での影響が少ないのです。

 そのような乱暴な発想を続けている限り、
 日本にまともな制度が生まれてくることはないと私は思います。

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 この大前研一のメッセージは5月12日にBBT Chで放映された  
 大前研一ライブの内容を抜粋・編集し、本メールマガジン向けに
 再構成しております。

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✅KON466のキーワード・キーセンテンス

1「ゼロベースで私が憲法を考えるならどうするか?」

大前さんは、いつも物事を考える際に、「ゼロベースで考える」ということを実行しています。それが身についています。これは非常に大切なことで、先入観で決めてかからずに、一旦知識や前例、慣例等を横において考えるということです。

その上でデータや情報を集め、そこから読み取れたことに自分の考え方を加味し、仮説と検証を繰り返し、結論に至るというプロセスを手抜きをせずにやり抜くことです。

先入観で決めてはいけない理由は、考え方が固定化し、データや情報を収集する際にも、先入観に沿ったものばかりを収集してしまう可能性が高いからです。

物事を完璧に客観的に見据えることは難しいことかもしれませんが、最大限そのように意識づけ実行することを目指したいですね!


2「共通番号(マイナンバー)」

マイナンバー制度の導入法案が10年前に可決されました。
ところが、10年経っても期待されたほどの成果が得られていません。
それどころか、現場では混乱が続き、個人データを他人に付け替えてしまうという致命的なミスが重なり、マイナンバーカードを返納する人が出てきました。

そうしたミスが起きた原因は、いろいろと細かいことが取りざたされていますが、例を挙げれば、①戸籍上の名称と普段使っている名称が異なっている、②漢字表記によるため読み方が複数あるケースがある、③同姓同名の人を区別できない、④使用する銀行口座情報が間違っていたなど、初歩的なミスも重なり、これらが複合的に重なったことが原因でミスが多発したようです。

よく考えてみますと、スタートで間違えたと言えます。さらに加えるならば、国のシステムと地方自治体のシステムに整合性がなく、給付金の支給の際にも混乱が生じた経緯がありました。システム会社に任せっきりでいくつもの異なるシステムを構築させていたという実態が明るみに出ました。

システムを構築した会社は儲かったでしょうが、ほとんど使えない代物を製作したのですから、笑うに笑えません。


KON467【シャープ・ソニー・ダイキン・ファミリーマート~外部環境に応じた意思決定を考える】 ~大前研一ニュースの視点~ 2013/05/24 8:28

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┏━■ ~大前研一ニュースの視点~
┃1┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┗━┛『シャープ・ソニー・ダイキン・ファミリーマート~外部環境に応じた意思決定を考える』
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 シャープ 高橋副社長が社長に昇格
 ソニー サード・ポイントがソニーに事業分離を提案
 ダイキン 連結売上高 1兆7600億円
 ファミリーマート 韓国コンビニ、日本離れ

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 ▼ シャープの再建に必要なこと/ソニーは事業分離提案を受け入れない
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 シャープは13日、高橋興三代表取締役副社長執行役員が6月下旬に
 社長に昇格する人事を固めました。

 同社は2013年3月期まで2期連続の巨額の最終赤字を計上しました。

 主力取引銀行から追加支援を受けることも決まっており、
 経営体制の刷新で再建を急ぐ考えです。

 率直に言って、お家騒動で揉めている現状を考えると、
 副社長が昇格する人事では再建することは難しいと思います。

 日産をV字回復させたカルロス・ゴーン氏のように、お家騒動には
 縁もゆかりもない人が来て、内部の対立に一切関係なく、
 正しいことを実行する体制を作ることが必須でしょう。

 記者会見では、2014年までに損益分岐点まで回復させると
 発表したそうですが、現在の右肩下がりの状況を
 どう打開するのか?具体的な点が見えて来ません。

 白物家電、情報機器では黒字ですが、AV通信機器も含めて
 その他多くの事業が赤字です。

 これらのことを踏まえた上で、
 こういう戦略で損益分岐点まで持っていくと言えなければ
 意味が無いと思います。

 家電業界ではソニーも非常に厳しい状況に立たされています。

 そのソニーに、米有力ヘッジファンドのサード・ポイントは14日、
 映画や音楽などの事業を分離し、米国で上場するよう提案した
 とのこと。

 ソニーはグループの一体戦略を加速させる方針で難色を示す
 公算が大きいですが、サード・ポイントは米ヤフーに取締役交代や
 戦略の転換を要求し実現したこともあり、
 今後の動向に注目が集まっています。

 私はサード・ポイントの提案は、面白い提案だと思います。

 しかし今のソニーには受け入れられないと思います。

 なぜなら、今回の提案はこれまでのソニーの戦略と正反対のものに
 なるからです。

 ソニーは様々な事業を子会社として分社化して、
 そのたびに大きな収益を上げてきました。

 そして、ソニー本体の収益が悪化したときには、
 分社化した会社を再び吸収することで、ソニー本体の収益改善を
 図ってきました。

 今は、ちょうどソニー本体に吸収したタイミングです。

 ソニーのセグメント別の業績を見ると、モバイルは赤字、
 金融はセグメント中最大の黒字、家電・音響が赤字、
 音楽・映画は黒字となっています。

 この中で音楽・映画分野を独立させて、米国で上場をさせる
 というのが今回の提案ですが、実はそれほど大きなインパクトは
 残せないと思います。

 私としてはこれらの事業を米国に持っていくのは面白いと
 思いますが、現状の数値を見せた上で大きな絵を描いて
 示してくれないと、もう1つ説得力に欠けるという印象です。

 ソニーは6月下旬に退任するハワード・ストリンガー取締役会議長
 の後任に中外製薬の永山治会長兼最高経営責任者を起用するとの
 ことです。

 ハワード・ストリンガー氏よりはよほど良い仕事をしてくれると
 思いますし、期待したいと思います。

 それでも今のソニーのメンタリティではサード・ポイントの
 提案は否決されることになると思います。

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 ▼ 順調にグローバル展開するダイキン/寝首をかかれたファミリーマート
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 ダイキン工業が示した2014年3月期の業績予想は、
 連結売上高は前期比36%増の1兆7600億円、
 営業利益は41%増の1250億円を見込んでいます。

 営業利益は08年3月期の過去最高に迫る勢いで、
 建機や自動車など日本企業が苦戦する中国市場で
 快進撃を続けていることが寄与しているとのことです。

 ダイキンと言えば、コマツと並んで日本を代表する
 グローバル企業と言えます。

 2008年のリーマン・ショックで打撃を受けましたが、
 見事に回復しました。

 ダイキンの空調事業の地域別売上高の推移を見ると、
 欧州での強さ、そして中国での拡大が光っています。

 コマツにしてもダイキンにしても、当然のことながら
 様々な経営課題は抱えていますが、日本企業の中で数少ない
 グローバル展開に成功している企業です。

 ぜひ頑張って欲しいと思います。

 14日の日経新聞では「韓国コンビニ、日本離れ」と題する記事を
 掲載しました。

 これは、コンビニ大手ファミリーマートが韓国のFC先の
 普光グループと取り組んできた韓国展開について、
 昨年6月時点で出店数7,000店超と韓国首位に立ったのを機に
 普光グループがファミリーマートからの独立を打ち出したと紹介。

 かつての電器・自動車等と同様、日本企業の技術支援を受けた
 韓国企業は途中から独立性を強め、やがて日本企業の強力な
 ライバルとなる現象がコンビニ業界でも起きていると
 指摘しています。

 ファミリーマートは韓国のコンビニ市場で圧倒的な強さを
 誇っていましたが、いわゆる「パートナーに寝首をかかれた」
 形になります。

 かつて横浜ゴムからの技術提供を受けたタイヤメーカーの
 ハンコック、ヤマハの技術提供を受けたピアノメーカーの
 サミックなどと同様、「よくある物語」の1つに
 なってしまいました。

 ファミリーマートの場合、現在展開している韓国内の
 7000店舗をどちらが運営するのか?によって話は
 大きく変わってくると思います。

 普光グループが新しくゼロから展開するのかどうか、
 この点が現時点では分かっていません。

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 この大前研一のメッセージは5月19日にBBT Chで放映された  
 大前研一ライブの内容を抜粋・編集し、本メールマガジン向けに
 再構成しております。

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✅KON467のキーワード・キーセンテンス

1「シャープ」と「ファミリーマート」

シャープとファミリーマートを並立させてキーワードに取り上げたのは、どちらも東京証券所上場企業でしたが、買収されたり、完全子会社化され上場廃止になったことです。

シャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収され、グループ内の1企業となりました。2016年8月のことです。

ファミリーマートは筆頭株主であった伊藤忠商事が完全子会社化し、上場を廃止しました。2020年7月のことです。

大企業であってもこのような、世界の潮流の中で、単独では生きられないことがあります。それでも社員が幸せになることもあります。

2「ソニー」と「ダイキン工業」

シャープとファミリーマートとは対照的にソニーとダイキン工業は国際企業として確固たる地位を築いています。

ソニーを知らない日本人はいないでしょう。一方、ソニーは外国人に最も知られている企業の一つです。それどころかソニーを日本企業だとは知らない人さえいるという話を聞いたことがあります。

ダイキン工業は空調設備で世界的に知られた企業です。欧州ではヒートポンプ式暖房給湯器が好評という記事が日経ビジネスに掲載されました。「欠乏経済 燃料も人も足りない 2023.02.06号」


ベルギーにあるオステンド工場では、ヒートポンプ式暖房給湯器 の生産を拡大している 欠乏経済 燃料も人も足りない 2023.02.06



KON468【日本の標準時間と国家戦略特区~類似した事例を調べて施策の有効性を考える】 ~大前研一ニュースの視点~ 2013/05/31 8:26

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┏━■ ~大前研一ニュースの視点~
┃1┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┗━┛『日本の標準時間と国家戦略特区~類似した事例を調べて施策の有効性を考える』
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 東京都・猪瀬知事
 標準時間を2時間早める提案
 国家戦略特区
 新特区構想案を発表

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 ▼ 東京で標準時間を2時間早めるのは、物理的に難しい
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 東京都の猪瀬直樹知事は「日本の標準時間を2時間早める」
 という構想を発表しました。

 22日の産業競争力会議で、無駄にしていた日照時間を有効活用でき、
 消費電力が抑制できること、明るい時間に仕事が終わり、
 アフターファイブ需要が生じるなどと利点を強調したとのことです。

 都知事として産業競争力会議で何かしらの提言をしようと試みた、
 という点では評価できますが、現実的には難しいと
 言わざるを得ません。

 私は以前、北海道にサマータイムを導入することを提案したことが
 あります。

 北海道の場合には、朝4時台くらいには明るくなってきますから、
 夏に限れば2時間ずれても問題はありません。

 そして、その結果としてロシアと同じ時刻になるという
 大きなメリットを狙ったものでした。

 これは、シンガポールの狙いと同じです。

 シンガポールが今の標準時を採用したのは、
 中国と合わせることで経済活動をスムーズに行いやすくする
 という意図がありました。

 また猪瀬都知事の提案するように東京で2時間標準時間を
 変更しても、金融機関が東京に集まってくるという
 保証はありません。

 市場が成り立てばいいだけなので、必ずしも東京に金融機関が
 集まる必要はないからです。

 そして、現実的に難しいのは「物理的な」理由も
 大きく影響します。

 冬の東京では、夕方6時にはすでにかなり暗くなっています。
 これが2時間ずれると夕方4時になるわけです。

 朝は真っ暗闇の中通勤することになるでしょう。
 こういうことを考えると、おそらく相当の反発が予想されます。

 猪瀬都知事の提案とは全く関係なく、私は1時間ほど標準時を
 ずらす意味があると思っています。

 帰宅してもまだ明るいうちに2時間~3時間あれば、
 何かやりたいことをする時間にもなるでしょう。

 また、かつて私が試算したときには、サマータイムを
 導入することで消費電力が15%程度少なくできると見積もりが
 出ました。

 しかし大きな反発があることを、私は身を持って
 体験しているので分かります。

 明るい時間帯でサラリーマンが家に帰るとなると、
 いわゆる夜の街で働く人たちから反対を受けます。

 また戦後の米軍が駐留している時にサマータイムを
 経験している年配の方からは、サマータイムは嫌だという
 感情的な反対も受けました。

 猪瀬都知事の意気込みは感じますが、
 この問題は一筋縄ではいかないものです。

 現実的に今回の提案が実現することは難しいでしょう。

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 ▼ 外国企業のみの「特区」を作っても意味が無い
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 政府が地域を限って大胆な規制緩和や税制優遇を検討する
 新特区「国家戦略特区」に関する東京都の構想案が
 21日明らかになりました。

 誘致した外国企業の法人実効税率を
 20%まで引き下げる目標を掲げ、海外の名門大学の誘致などで
 外国人向け教育や医療を充実させる狙いとのことです。

 法人税率を20%にすることで世界から日本へ誘致したいと言っても、
 世界にはアイルランド(12.5%)やシンガポール(17%)が
 あるので、それほど効果はないと私は思います。

 もし本当に誘致を狙うのであれば、さらに法人税率を下げる
 必要があるでしょう。

 根本的な点を指摘すると、私はそもそも「外国企業」のみに
 適用するのではなく、「日本企業」にも適用するべきだと
 思っています。

 というのは、こんなことをしたら日本企業が本社を海外に
 移してしまうからです。

 ロシアは今回の「国家戦略特区」と同様に「外国企業」に
 対してのみ法人税の優遇があります。

 結果、ロシアはどうなったか?と言うと、キプロスに資金を
 持ちだして、キプロス経由で外国名義でロシアに
 投資をするようになりました。

 ロシアへの投資額が一番大きいのはキプロスですが、
 これはキプロス人ではなく、ロシア人がキプロス経由で
 投資しているのです。

 日本の場合に想定されるのは、シンガポールに会社を移して、
 シンガポール経由で「特区」の恩恵を受ける企業が
 続出することです。

 せっかく特区などを作っても、結果としては日本企業の本社が
 外国に出て行くだけでおわりです。

 これがグローバル企業の動きであり、今回の提案は
 このような動きを全く知らない人が作ったとしか思えません。

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 この大前研一のメッセージは5月26日にBBT Chで放映された  
 大前研一ライブの内容を抜粋・編集し、本メールマガジン向けに
 再構成しております。

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✅KON468のキーワード・キーセンテンス

1「都知事」

大前さんは過去、都知事選挙に出馬したことがあります。
選挙活動を一切しなかった青島幸雄氏に破れたことで、政界への進出をすっぱりと諦め、次代を担う人たちを教育するための会社を設立し(BBT=ビジネス・ブレークスルー 現東証プライム)、現在でもビジネス・ブレークスルー大学学長として教鞭を執っています。

(大前研一氏の)職歴は、日立製作所で高速増殖炉もんじゅの設計を担当し、ヘッドハンティングでマッキンゼーへ移籍しました。マッキンゼーではマッキンゼー・ジャパン代表、マッキンゼー本社の常務を歴任しました。
その後、都知事選に出馬し、選挙活動を何もしなかった青島幸男氏に破れるという経験をし、政界への道を諦めました。大前氏にとっては初めての挫折だったかもしれません。選挙(政治の世界)はロジックだけでは通用しないことを身にしみて感じたことでしょう。
経緯は『大前研一 敗戦記』に記されています。

『ザ・プロフェッショナル』(64)大前研一 名言集 Vol.288 


2「国家戦略特区」

自民党政権は、むやみやたらに「特区」を作りたがりますね。
その影響で地方自治体でも真似して各地に「特区」を作ろうとしています。

例を挙げると、「構造改革特区」「経済特区」「日本のふるさと再生特区」などなど。

そもそも特区(特別区)とは何でしょうか?

特別区(とくべつく、英語: Special Ward)は、日本国の都における行政区画・地方公共団体の1つである。市町村に準ずる基礎自治体。特別地方公共団体の1つ。現時点では、東京都に存在する23の特別区のみがある。

特別区 Wikipedia   


果たして、「特区」が所期の目的を果たしているのでしょうか?
非常に疑問に思っています。

例によって、一部の人間に権益をもたらすための仕組みになっているのではないか、と懐疑的です。いったんその構造が出来上がると、既得権益となり、半永久的にその人物たちや後継者たちの懐を肥やすことになりかねません。


⭐今回のメルマガ(1ヵ月分)についての感想

いかがでしたでしょうか?

大前さんの目のつけどころ、分析力、問題解決の具体策の提示、歯に衣着せぬストレートな言葉に快感を覚えます。

経験と実績に裏打ちされた言葉には、揺るぎない「力」があります。

10年前に配信されたメルマガとは思えない先進性が感じられませんか?
経験を伴う発想力・構想力が群を抜いています。

メルマガは書籍と異なり、限られた文字数の中でポイントを絞り、いかにして自分の主張を解りやすく読者に伝えるかが重要です。

ただし、嘘を書いたり、奇をてらった表現は一時的に注目されることがあっても、同じことを続けていると信頼されなくなります。

大前さんはそうしたスタンドプレーは決してしません。する必要がないのです。

大前さんも人間ですから時には間違うこともありますが、間違ったらすぐに改めます。そこが凡人とは異なる点です。変なプライドは捨てて、間違いを認める人間は信頼されます。


✒ 編集後記

「メルマガ 大前研一 ニュースの視点」を読み返してみると、当時のことが断片的に思い出されてきました。10年という歳月が流れましたが、ところどころ記憶に残っていた個所があり、またその後の経過を確認することができています。

栄枯盛衰は世の常です。
それは、企業においても、個人においてもしかりです。
以前であれば、一流企業は安泰で、そこに勤務していれば定年まで安心して働けるという共通認識がありましたが、現在では「一瞬先は闇」です。


大前研一氏の先を見通す力や発想力、構想力、分析力、発信力、その他にも多数ありますが、私には何一つ追いつけるものはありません。

それでも、大前氏をグル(「指導者」「教師」「尊敬すべき人物」「師匠」)と仰ぎ、書籍や動画などを通じて、これからも間接的に指導を受けたいと思っています。

今回は20,000字(20,033)を超えました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。 (Wikipedia から)

大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
MITで原子力工学の博士号を授与されています。原子力の専門家でもあり、世界的に著名な経営コンサルタントでもあります。

世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。


「大前研一 ニュースの視点」というメルマガに登録したのは10年前のことです。毎週金曜日に配信されています。
2013/03/03 0:28
〓〓「大前研一《ニュースの視点》」に登録いたしました!〓〓

この度は、無料メールマガジン「大前研一《ニュースの視点》」に
ご登録いただきありがとうございました。
 


🟡メルマガについて

メルマガに登録して、最初のメルマガが配信されたのは2013年3月8日(金)のことでした。
大前研一 ニュースの視点の通し番号にKON・・・となっています。
KO は Kenichi Ohmae です。N はナンバーです。


さて、私に最初に配信されたメルマガのタイトルは下記のようになっていました。

KON456【北方領土問題と韓国の新大統領~長期的な時間の流れで考える】 ~大前研一ニュースの視点~

通算で456件目だったのです。そのため、1~455のメルマガを読むことはできません。

ところが、調べてみたところ、2006年3月24日(当時は#106)以降であれば読めることがわかりました。


いずれの日にか、バックナンバーも取り上げます。


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