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日経ビジネスのインタビュー バックナンバー Vol.057

日経ビジネスのインタビュー バックナンバーVol.057


ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が携帯サイトで運営していた当時のコンテンツです。

2007年1月8日号からスタートしています。1カ月分毎にまとめてあります。

途中、数件記事が抜けている個所があります。データを消失してしまったため再現できません。



✪ 2011.09.05 (No.1)<235>
「技術革新」と「効率性」両立
楊 元慶(Yang Yuanqing=ヤン・ユエンチン)氏
[レノボ・グループCEO(最高経営責任者)]

NECのパソコン部隊とレノボの部隊を統合する予定です。3年以内に日本市場で両社合わせて30%以上のシェアの獲得を目指します。両社を合わせた現在のシェアは約25%です。日本市場で(NECとレノボの)デュアルブランド戦略を展開し、競争力のある製品を安く提供することで必ずシェアを高められると信じています。

企業が成功するには、少なくとも2つの特性を持つ必要があります。1つは「イノベーション(技術革新)」、もう1つが「効率化」です。両方をバランスよく持つ企業だけが、長期的な成功を収めることができます。


✪ 2011.09.12 (No.2)<236>
海外事業100億ドルへ
三浦 惺(みうら・さとし)氏
[NTT社長]

M&Aというものは、1+1が2になるだけではダメなんです。ところが買う時は当然時価にプレミアムをつけて買うわけだから、それだけで1+1が2以下になってしまうケースもある。さらに今回のように、NTTの傘下に入れば、ディメンション(南アフリカ共和国のシステム大手ディメンション・データ 注:藤巻)が持っていたほかの通信会社との仕事が減る可能性だってある。それを回避するためにはシナジーを発揮させなければならない。

ディメンションは、顧客企業のオフィスや工場など拠点の中に入っていって細やかなシステムを構築することに長けた企業です。従来のNTTグループが全く持っていなかった分野であり、相互補完効果が非常に高いと思っています。

先日NTT東日本はセブン・イレブン・ジャパンとの提携を発表しました。コンビニエンスストアに無線LAN基地局を設置させてもらい、スマートフォンなどでブロードバンドが利用できるようにします。NTTグループの公衆無線LANスポットは現在2万カ所程度ですが、今後、NTT東日本で5万カ所、NTTドコモで10万カ所といった具合に拡大させます。その結果、光回線は従来のように各家庭に加入してもらうだけでなく、企業利用が増えていくでしょう。


✪ 2011.09.19 (No.3)<237>
もはやメーカーではない
潮田 洋一郎(うしおだ・よういちろう)氏
[住生活グループ会長]

INAXとトステムが持ち株会社を作って10年が経過しても、実質的な統合はできなかった。にもかかわらず今回は、一気に3位の新日軽まで含めて統合できた。市場が縮小する中で、あまり業績がよくない大きな会社を2つ買うことで、統合を進め、固定費削減などに取り組まざるを得ない状況を作り出した部分があります。

まずはコストシナジーが一番大きなところです。3割ぐらいは削れると見ています。既存事業の売上高営業利益率で10%台程度の数字が出る体質になりたいと思っています。

さらに、もう1つの効果である販売シナジーを大きくしたい。

コストダウンになるなら、我々のサービスを活用してくれるところは増えるでしょう。家の値段を引き下げことができるわけですから。

そうすると、ある意味でTOTOやYKKAPといったこれまでのライバル企業が、我々のライバルじゃなくなるんです。窓がトステムだろうが、YKKAPだろうが、新日軽だろうが、我々が合理的に新しいサプライチェーンを作ればいい。ですから競争の形が激変すると思います。


✪ 2011.09.26 (No.4)<238>
「低信頼性社会」を攻める
重光 昭夫(しげみつ・あきお)氏
[韓国ロッテグループ会長]

2018年にどんな会社がアジアでトップになるのか分かりません。日本でも海外展開で成功している企業はありますから、トヨタなどのいくつかの企業がトップ10に入るでしょう。

我々も存在感のある企業にならなくてはならない。そこで国営企業のような公企業を除いた、いわゆる上場企業の中で20兆円くらいの売上高があれば、トップ10に入れると考えました。

今後10~20年の世界経済の伸びのほぼ7割がアジアです。目標を策定してした2008年時点で、2030年の世界経済の状況を試算したのですが、当時は欧州連合(EU)と米国を足すと世界経済のおよそ5割でした。日本を含めたアジアは26%。それが2030年には逆転します。世界経済の46%くらいがアジアで、EUと米国を合わせて26%くらい。世界の成長センターは今後、間違いなくアジアに移ります。

M&Aは基本的に、安くないと買ってはいけない。例えば、インドネシアで現金卸問屋のマクロを買収したのは2008年10月末なんです。ちょうどリーマンショックの1カ月半後でした。当時は「こんな時に買って気が狂っているんじゃないか」と言われましたけど、今考えるとあれは最高のタイミングでした。安く買うと、それだけ設備投資などに資金を回せます。大体、そうした時は、競争相手もいませんから。

韓国企業はオーナーが絶対的な権限を持って、大きな決断ができます。グローバル展開での差は、企業のリーダーシップに尽きると思います。



🔷 編集後記


この元記事をアメブロに投稿したのは、9年前のことです(2014-01-23 23:37:23)。

読み直してみますと、「こんなことも書いていたのだな」「この個所に関心があったのだな」ということが思い出され、当時の自分の心境に思いを馳せています。

それだけ歳をとったのだと実感しています。

編集長インタビューの記事を読み返してみると、当時の経営者の心意気・信念・余裕・揺るぎない自信といったものが伝わってきます。

月日が経ち、自分だけでなく身の回りにも、環境にも変化があります。

しかし、経営に限らず、物事の本質は変わらないものです。

今回のインタビューの中から興味深い言葉を拾い出してみます。

楊 元慶(Yang Yuanqing=ヤン・ユエンチン)氏
[レノボ・グループCEO(最高経営責任者)]


の言葉から。

企業が成功するには、少なくとも2つの特性を持つ必要があります。1つは「イノベーション(技術革新)」、もう1つが「効率化」です。

🔴「イノベーション(技術革新)と効率化」

PCの出荷台数でレノボは世界一(2022年第3四半期時点)でした。
その後のデータが見つからなかったため、現時点での順位は明らかではありません。

レノボはご存じのように、IBMのPC部門を買収しました。2004年のことです。その後はライバルのHP(ヒューレット・パッカード)やDELL、APPLE、ASUSなどと覇権争いを演じています。

イノベーションと効率化はどんな業界においても重要なことです。
イノベーションは差異化に寄与しますし、効率化は企業の成長や生産性、利益に直結するコアとなる部分です。

レノボの最近の業績を調べてみました。
堅調に推移しているようです。

レノボ・グループ:2022/23年第3四半期業績 レノボが堅調な業績を達成、多角的な成長エンジンと
優れた事業運営が利益率を牽引
Business Wire February 19, 2023 11:24 AM Eastern Standard Time

懸念材料は、米中対立です。米国は中国がPCなどの情報機器を通じて機密情報を入手している可能性が高いと認識していて、米国内から製品を排除するなどの強硬姿勢を取り続けていることです。

ファーウェイ事件は一時大きな問題となりましたね。

ファーウェイ「孟CFO拘束事件」、4年越しの終結




1回の投稿ごとに1カ月分にまとめたインタビューの概要を掲載します。

2007年1月8日号からスタートし、2013年7月までの6年7カ月分のバックナンバーだけで79件あります。

途中、数件記事が抜けている個所があります。
データを消失してしまったため現時点では再現できませんが、日経ビジネス電子版では「2011年10月から最新号まで」のバックナンバーが閲覧できるようですので、抜けている個所に該当する部分が見つかれば、追記します。

⭐ 『日経ビジネス』の電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で2022年9月12日号 No.2157 から定期購読をスタートしました。


「日経ビジネス 電子版使い方ガイド」(全24ページ)を見ると
「雑誌『日経ビジネス』のバックナンバーの閲覧について」で、
閲覧できるのは2011年10月から最新号と書かれています。

そのため、2008年8月18日、25日分の記事は確認できません。
しかも紙の雑誌は、はるか昔に処分しています。


『日経ビジネス』の記事を再投稿することにした経緯

再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。

自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。

当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。

記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。

さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです

「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
プロフィールから)


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