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サンライズ瀬戸 A寝台から見た星空を忘れない

先日別府・鉄輪温泉の記事を出しました。

この鉄輪滞在を含む、九州&四国を15日間周遊した時の旅日記を、アメブロに連載していましたが、このほど完結しました。

最終回は、高松からの帰路に乗ったサンライズ瀬戸の記事です。この時初めてシングルデラックスに乗ったので、その感想をnoteでもシェアしたく、一部修正して転載します。

究極の予約技「10時打ち」


 日本唯一の定期運行する寝台列車サンライズの人気はすさまじく、大半の個室、特に良い席ほど1か月前の発売とともに売り切れるそう。前回(22年5月)乗った時はB寝台シングルの1階だったので、次は2階席、できればA寝台シングルデラックスだ!と決めていました。今回の旅で四国から帰るようにコースを組んだのも、サンライズを使えることが最大の理由です。

翌朝東京駅に到着した時のサンライズ

予約方法は、かの有名な10時打ちをお願いしました。 
 これは発売を開始する10時ちょうどに、みどりの窓口の駅員さんに購入ボタンをクリックしてもらうという、①窓口が空いている②駅員さんが協力的③駅員さんの動作が機敏の3条件が一致しないと実現できない技です。窓口が混んでいたらどうしよう、と直前まで心配でした。乗り物を予約するのに、こんなにドキドキしたのは人生初だったかも。

 私が当たった駅員さんは10時打ちに慣れているようで、時報をスピーカーにしてスタンバイ。そして「9時59分50秒をお知らせします、ピ、ピ・・・ポ」の「ポ」の直後「取れましたっ」という神の声が。A寝台の禁煙は3室しかありません。90%はあきらめていただけに、冗談抜きで涙が出そうになりました。
 

シングルデラックスの正直な感想


 実際に見たシングルデラックスは、「思ったより狭い」(ああ、何てバチ当たりな)。他のブログやYouTubeは、ずいぶん上手に撮影しているんですねえ(6畳ぐらいあるように見える)。とはいえチケットの競争率を考えたら、これが最初で最後かもしれないわけで、次第に「今夜だけのワタシのお城」のようにキラキラして見えてきました。

ベッドの左隣に、洗面とテーブルが付きます。
ベッドだけのB寝台とは、余裕が全然ちがいます。

部屋は本当に快適でした。さすがはB寝台の2倍料金だけのことはある=A寝台約1万4000円。他に特急券3300円、乗車券(東京までだと約1万1000円)が必要。飛行機より高く、時間もかかる贅沢な乗り物です。庶民の私は、たびたびは使えないなあ~。

乗ってすぐぐらいに車掌さんが検札に来て、A寝台限定のアメニティポーチが渡されます。その中にシャワーカードが入っています=なので売り切れの心配は無用のうえ、シャワー室もA寝台専用なので比較的余裕をもって使えます。

A寝台限定のアメニティグッズ。下のポーチに入っています。

サンライズの道中記


 定刻通り、21時26分に高松駅を出発し、20分ほどで瀬戸大橋を通過。暗い海と黒い島影の中に、島の灯台や漁船の灯りがきらめきます。私が次に瀬戸内海を見るのは、いつになるでしょうか。

 岡山で出雲号と連結。連結の様子は前回に一部始終を見たので、今回は部屋でまったり。その後は照明を消して(外の夜景が見やすい)飽きずに外を眺めていました。2階席だと、窓ガラスの上部が湾曲しているので、空まで見えるのがいい。1階席より揺れも少ないようだし、やはり2階席の方が断然良かったです。*初めて乗る方は、念のために酔い止めの持参をおすすめします。

たぶん岡山~相生間、山がほとんどの区間にさしかかった時のこと。
 寝転んで外を眺めていると、上の方に白いポチポチが。よく見れば、それは全て星でした。「サンライズの2階席だと星空も見える」と聞いた時、いくら室内が真っ暗でもガラス越しではムリ無理と思いました。が、本当に星は見えたのです、それも想像以上にたくさん。
 私は思わず、「ああ、もう(この旅ときたら)完璧じゃない」と小さくつぶやきました。
 その後、三宮あたりで意識が遠のき(今夜はもったいなくて眠らないと決めていたのですが)、気が付いたら浜松あたりでした。

小田原に近い早川あたりで、サンライズ(日の出)となりました。

一度は乗った方がいい夢の(?)寝台列車

 今回の旅は、15日間のうち14日が晴れという驚異的な晴天率のもと、行きたい所、したかったことは全て実現できたと思います。
 大好きな別府・鉄輪でゆっくりできたし、久しぶりに九州と四国各地を見てまわり、乗りたかった路線もいろいろ体験。そして最後には、サンライズから星空を望むというサプライズまで用意されていました。
 長い旅行だったので、不快なことや不快な人もありました。でも、それをはるかに上回る感動と満足感で、夢のような日々でした。旅に行けたこと、旅の間に出会った全てのことに対して、手を取って感謝したい心境です。
 この夜、私は車中から次のようにツイートしました。

今回の旅は、きっと人生でも忘れられない旅の上位に入るでしょう。そして、ますます日本が好きになりました。

A寝台は室数が少なく入手は超困難ですが、「とにかく2階席に乗ってみたい」なら、B寝台のソロという狭い部屋なら買いやすいようです。私が乗った時もいくつか空いていました。
 サンライズは一度は乗ってみた方がいいと思います。私は、次回乗るとしたらサンライズ出雲の往路でしょうか=出雲号も往路も、まだ経験がないので。
 
それではこれからも、お互い良い旅ができますように。
 


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