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遠野で体験した不思議な出来事

前回の「煩悩喫茶Agua」で、岩手県の遠野についてふれましたが、2023年6月に、私は初めてこの町を訪れました。伝説やスピリチュアル系好きなので、ずっと前から行きたかった場所でした。その期待通り?不思議な体験をしたので、そのお話をします。

東京から遠野までは、新幹線で新花巻へ行き、釜石線に乗り換えて約4時間。乗り継ぎ時間さえうまく行けば、意外と早く来られます。遠野の見どころは広範囲に点在しています。夕方には八戸へ移動するので、見る場所はかなり絞りました。
 まずはバスで、カッパ淵と伝承園へ=この2か所は徒歩10分と離れていません。

想像以上だったカッパ淵の妖気

 カッパ淵は農村の一角にあり、すぐそばには民家もあります。しかし、曇って薄暗かったうえ、他に誰もいなかったせいか、本当にカッパか妖怪が現れそうなほど不気味でした。ただ、いくら心強くても、人が大勢いてうるさかったら、あの場所の雰囲気はぶちこわしですね。「怖い」と思うぐらいで、ちょうど合っていた?かも。

今は子供が水遊びできる浅さですが、帰りのタクシーで聞いた話では、「東日本大震災前はもっと深くて(地震で水源に影響が出たそう)、地元民でも少し怖いぐらいだった」とか

 伝承園には、この地域独特の民家=曲り家が移築されているほか、千体ものオシラ様を祀るお堂などがあり、遠野の民俗風習を知ることができます。

1750年頃築の菊池家曲り家は、国の重要文化財

オシラ堂で聞いたものは・・・?

 母屋から廊下を通って、オシラ堂へ向かう時のこと。廊下のすぐ隣から、おばあさんが読経する声が聞こえてきました。ムードを出すために流しているのでしょうか、帰りには聞こえませんでした。でも民間信仰のオシラ様は、仏教とは無関係のはず。何か意味があるのか知りたくて、受付で「あの廊下で、お経のBGMを流していますか?」とたずねました。

 するとスタッフさんたちは一斉に顔を見合わせ、黙ってしまったのです。ややあって「BGMは使っていません、そう言ってきたのはお客様で3人目です」と答えました。伝承園はカッパ淵とセットにして、遠野に来たら誰もが必ず寄る観光名所です。私が行った時も平日なのに、来園者はそこそこいました。客寄せで「ヤラセ」をする必要などありません。

このオシラ堂は、いろんな念がこもっている感じで、一人で見るとかなり怖かったです。
謎の声は、このオシラ堂へ向かう途中の廊下で聞こえました。

「お客様、霊感あるほうですか?」と聞かれました。
無くは無い。ただし、はっきり見たり聞いたりするほどではありません。スタッフさんによると、この家に「何かいる」のは間違いない=無風なのに糸車が勢いよく回ったり、飾りが揺れているのを何回も目撃したそう)。「たぶん、座敷わらしさんです」とのことでした。

スタッフさんいわく、座敷わらし様がいるらしい部屋

 私が聞いた声は、おばあさんにしては澄んだきれいめの声(だから「プロ?が作ったBGM」と思った)で、怖いとは感じませんでした。
「真昼間だし、悪いものではないと思うんですよね」と私。2023年5月頃から突然起きたそうなので、「その頃、この家かオシラ堂に関係した方が亡くなったのでは?」と私なりの分析をお答えしておきました。

とおの物語の館

 その後は駅近くにある、とおの物語の館へ。『遠野物語』で有名な民俗学者・柳田國男に関する展示館と、毎日3回行う民話のお話会が目的です。

柳田先生の常宿だった遠野の旅館を復元してあります

 地元のお年寄りが語るお話会で聞いたもののうち、特に心に残ったのが、上記の「煩悩喫茶」でも紹介したお話。囲炉裏を囲んで、方言で聞くお話はしみじみと良かった。時間が合えばぜひどうぞ(予約や別料金は不要)。

初めて訪れた遠野は、確かに「不思議の世界」でした。伝承園で聞いたあの声が「本物」だとしたら、①多少でも霊感がある ②自分以外に誰もいない 状況でないと、おそらく聞こえないと思います。複数人でワイワイ行ったらダメだと思う。ただ真昼間、あんなにハッキリと聞こえてきたのが「人ではない」なんて、今でもちょっと信じられない・・・。「タネ明かし」されてもいいんですけどね。

 田園風景も美しい町だったので、次回はレンタサイクルでじっくりまわってみたいと思っています。遠野の後は、『あまちゃん』の舞台・北三陸などを訪ねました。詳しい旅行ブログは、アメブロをご覧ください。


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