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ひざかけ元年、カワイイをかける





きょうの朝、
今年はじめて車の暖房をいれた。
(あ、正確には今年度、かな)

「まだはやいでしょう」

母に知られたら、
きっとこう言われるなあ。

だって、寒かったんだもん。

赤信号。
行きしなに見かけた温度計は10度を表示していた。

えええ、
ついこのあいだまで、
35度だったじゃあないのさ。

気まぐれがすぎるよ、女心と秋の空。


10月中旬。秋のまんなか。

大型の台風が運んできたのは、
まぎれもなく「冬」の足音だった。


*


「そんなに寒いなら、ひざかけしなさい」

この車を買ったばかりのころ、
母にそう言われたことをふと思い出した。

もう、今から9年前。

「だってもってないんだもん」
「買えばいいじゃない」
「いらないよ」

そんなささいな小競り合いがまるで昨日のことみたいだ。

…なんて、
その理由は毎年おんなじやりとりを繰り返しているからなんだけど。


*



わたしは、
生まれてこのかた「ひざかけ」を買ったことがない。
かといって買ってもらったことがあるわけでもない。

つまり、
ひざかけとともに過ごしたことがないのだ。


わたしの

「買おう買おうといいながら何年も買っていないものリスト」

のツートップのうちのひとつが、このひざかけである。

(ちなみにもうひとつは日傘)
(あああ、今年の夏も買わずに終わってしまった…)


日傘といい、
ひざかけといい、
なんで「買いたい」と思っているのに何年も買わずにいるのか?

ふたつに共通しているのは、

・ なくてもどうにかなる
・ 気づくと季節が終わっている
・ 「コレだ!」と思えるデザインのものに出逢えない から。

とくに日傘に関しては、これがすべてといっても過言ではない。


だけど、

ひざかけに関してはもうひとつだけ。
どの理由よりもおっきな「買えていない」理由がある。

それは、

「わたしはひざかけをもつのにふさわしい人間ではない」

とじぶんに刷りこんでしまっていること。

そりゃあもう、ゴッシゴシと。
たとえるならば塩漬け直前のキュウリである。


「ひざかけをもつのにふさわしい人間ってなに?」

そう首をかしげるかたがほとんどだろう。
わたしもじぶんでなに言ってるんだか、と思っている。


ひざかけなんて、かけたければかければいいのだ。


わかってる。
よーくわかってるんだけど。

さ。

わたしにとってはいつまでたっても、

「ひざかけ」

をかけていいのは、

「かわいいおんなのこだけ」

だ、
なんておもっちゃうんだ。


*



わたしがはじめて「ひざかけ」というシロモノに出逢ったのはたぶん高校生のとき。

「さむいね〜」

なんていいながら、
ごく自然にひざかけをかける友人に驚き、あこがれた。

ふだんからかわいい彼女たちが、
ひざかけを装備するとさらにかわいい。

地味だった紺一辺倒のスカートが、
ピンクや赤、ベージュなどの明るい色をまとう。
描かれたキャラクターやデザインが、「らしさ」をよくあらわしていた。


いいなあ、
わたしもほしいなあ。

こころのなかで、
そんなふうに思いながらも、
わたしが三年間ひざかけをかけることはなかった。


いや、
いまだから告白するけれど
かけることができなかった、のだ。

「わたしはひざかけをもつのにふさわしい人間ではない」

本気でそう思っていた。


そのかわりにしたことといえば、
「ぜんぜん寒くないよ〜」と強がることくらい。

「わたし、寒さとか感じないから!」
いまよりもさらにぽっちゃりとしていた当時の体型。
さぞかし説得力もあったことだろう。

耐えられないくらいに寒い日は、
スカートの下にジャージを着て先生に怒られた。

いわゆる「ハニワ」スタイル。
(これって方言なのかな?共通語かな?)

ぜんぜんかわいくないし、オシャレでもない。
ガサツっぽいし、女の子らしさのカケラもない。

だけど、
そっちのほうが「わたしらしい」と決めつけていた。



高校生のころのわたしは、
客観的にみても

「かわいい」

からはほど遠かった。

「かわいい子だけがもつことをゆるされるアイテム、ひざかけ」

をわたしごときがもつなんて。

冗談でもおおげさでもなく、
ほんとうにこんなふうに思っていた。

そして、
「かわいい」に対してのコンプレックスを抱えたまま、
わたしはおとなになったのだ。

*


あのころより、
今はちょっとだけやせている。

それでも、
去年よりは13.5kg増えている。

「かわいい」と言われる年齢のピークは、
「かわいい」と言われるまえにもう過ぎていた。

「寒いのなんてへっちゃらほい!」
なんておどけていたわたし、
実は冷え性だったって最近知ったよ。

やせがまんしてたんだなあ、
やせてなかったけれど (笑)



「かわいくないから」
「かわいくなったら」

いつかかけようと思っていたひざかけ。

そろそろ、
解禁してあげてもいいかなあ。

気づけばあたらしい時代もはじまっていたことだしさ。

「カワイイ」は足元から、っていうしね。

え?
足元はもっとした???

え?
それを言うなら
「おしゃれは足元から」でしょうって?


まあまあ、
細かいことはおいといて(笑)


「かわいい」コンプレックスのわたしが、
ささやかながら
「かわいい」に向かってふみだそうとしてるんだから。

やさしさいっぱいでお祝いしておくれませ。

なーんちゃって、
へへへのへ。



よーし、決めた。
今年はわたし、ひざかけを買うぞ〜〜〜

待ってろ、ひざかけ元年! とうっ!!!






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【スキな曜日は?】わたしは月曜日!
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滝口あゆ

9/1〜 noteを書いてます。〈 暮らし / お仕事 / 学生時代 〉 規則正しい生活が元気の素。ささやかでも、やさしく生きたい。夏と高校野球でできてる。性格は「1番:三塁手」(イメージ)

わたしが学生だったころ

ささやかで、ありふれた。だけど忘れられない青い春。
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コメント4件

あゆさんの文章に
めちゃくちゃ癒されます 、、
ほんとかわいい、です
きょうも最高でした😂😂
携帯目の前にしてふふふって何度もなりました!あゆさんの文章は読むとあったかくなるーー!(何度もコメントすいません笑)
hamii さん

こちらでも!
ありがとうございますすす、
(かわいい のあとの「、」にドキドキしちゃいました)

とってもうれしい…えへへのへ (にまにま)

かわいい、
100倍にしてhamiiさんにお返しします!

いつもかわいいがあふれております… ○ *
コズさん

え〜!ほんとうですか!うれしい!
コズさんのふふふポイントどこだろう?
noteはわりとまんまのわたしの口調なので、
そういっていただけるとよろこピアノ120%…!

コズさんからのコメント、
(もちろんスキも)
わたしこそ携帯みながらふふふです ◎

わたしこそコズさんのnote、
毎回コメントしたいくらい大好きなので、
何回もコメントしてすみません…(笑)!

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