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蝶(てふ) 西條八十

蝶 (てふ)

やがて地獄へ下るとき、
そこに待つ父母や
友人に私は何を持つて行かう。

たぶん私は懐から
蒼白め、破れた
蝶の死骸をとり出すだらう。
さうして渡しながら言ふだらう。

一生を
子供のやうに、さみしく
これを追つてゐました、と。

西條八十



ある劇画作家の方が単行本の後書きに書かれていた西條八十の詩
その方はこの詩を胸に上京をし、この詩に励まされ劇画作家の道を進んできたと
戦前戦中戦後50年に渡り活躍された詩人界の巨星「西條八十」恥ずかしながらこの時初めて名前を知りました。
それ以来、僕もこの詩が暗唱できるほど好きになりました。

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