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今週の、いちばん。第18回/仕事はもっと、楽しくできる。

「仕事なんて基本、楽しくないものだ。だからこそ、我慢して働くことでお金をもらえるんだ」
そんな言葉を、インタビューなどでしばしば見かけることがある。
一理はある、と思う。でも、それはあくまで一理にすぎないんじゃないか。
そう考えるきっかけが、今週あった。

昨日、友達に誘われ、初めて「情熱大陸 SPECIAL LIVE」に行ってきた。
バイオリニストの葉加瀬太郎がプロデュースする、「大人のためのフェス」をうたっているイベントだ。
だから、人選も大人っぽいし、会場の雰囲気もかなり和やか。
ほろ酔い気分でときおり芝生に寝っころがって聞く音楽は、とてもやさしかった。

ところで、ライブの出演者を見るたびに思ったことがある。
素朴な言い方だけど、「楽しそうだなぁ」と。
どうやら一杯ひっかけて歌っているらしいシングライクトーキング(の佐藤竹善)も、アナ雪の主題歌を歌いあげたMay J.も、ポップな新曲を披露したゴスペラーズも、ステージを十二分に楽しんでいた。
このイベントの雰囲気も後押ししているだろうけど、それ以前に、音楽をナリワイにしている人は、仕事をめちゃくちゃ楽しんでいるんじゃないか?

「音楽はそうかもしれないけど、他の仕事は違う」
なんて反論も当然あるだろう。
でも、本当に音楽だけが特別なんだろうか?
僕らの仕事だって、もっと楽しくできるんじゃないのか?

たしかに、どんな仕事にも大変な部分はある。
それは「音楽」にだって当然あるはずだし、一見楽しそうな仕事に見えるかもしれない「編集」だってそうだ。
でも、仕事が楽しいことばかりじゃないことと、仕事を楽しめないことは、イコールではない。
結局は、自分自身がその仕事をどこまで楽しみ尽くしたいかという、気持ちの問題が大きいように思う。

そういえば、今さらだけど「音楽」って「音を楽しむ」と書くことに気づいた。
「編集」も、「編楽」くらいの気分でやってもいいと思う。
僕自身、ともすれば仕事で肩に力が入りすぎてしまうからこそ、もっと編むを楽しみたい。

今週の、いちばん仕事を楽しみたいと思った瞬間。それは、8月9日、夢の島公園陸上競技場で「情熱大陸 SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA'14」を見た瞬間です。

*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です(下の「このマガジンに含まれています」のリンクから全部の記事が読めます)

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