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個人事業主を経験したら、メールのレスが速くなったよという話。/書かないよりは、まし。9

「滝さんは、編集者なのにメールのレスが速いね」
先日、ある取引先にこんなことを言われ、驚いた。
というのも、僕が親しくている編集者は、基本レスが速い人ばかりだからだ。
「編集者だから、レスが速いね」なら、まだわかるのだけど。

いっぽうで、思い当たるふしもある。
「半・個人事業主」として、仕事がらみでこれまで会ったことのない編集者とやりとりをすると、たしかにレスが遅い人もいたからだ。
同業者なので、編集者がどれくらい忙しいかは想像がつく。
それでも「多忙なため、●日あたりに対応します(改めて返事をします)」くらいのレスがあってもいいんじゃないかな、と思ったことは少なくない。

僕自身、昔から(すべてのメールにそうしてきたかと言われたら自信がないが)レスは速いほうだったと思う。
けれど、個人事業主も兼ねるようになってから、意識して、より速く返事をするようにしている。
それは、僕が(会社員としては相変わらず発注者の立場が多いけれど)、個人事業主として、仕事を受注することが増えたからだ。

僕に仕事を依頼してくれる発注者のことを考えると、「レスが速い」ほうが絶対いい。
相手が仕事がしやすいというのは当然として、案件によっては、「あれ、レスが遅かったから他の人に頼んじゃったよ」という場合もありうる。
能力的な問題で頼まないと言われるのはまだしも、レスの遅さでチャンスを失うのは嫌だなと思って、「メッセ見ました。あとで返事します」程度のことでもすぐ返すようになった。
(ありがたいことに、それで多くの仕事をいただいてきたので、今は新しい仕事を受けるのに若干慎重になっているが…)

編集者というのは、基本は「発注」する側の人間だ。
だから、こういう「受注」する側の気遣いというか、強かさというか、根性というか、そういったものを自然と身につけるのが難しいのかもしれない。

ただ、くり返しになるけど、僕が親しくしている編集者は、基本、レスが速いし、それ以外でも気持ちよく仕事をしたり、遊んだりできる人ばかりだ。
だから、正確には、(多分、編集者という仕事に限らず)、「発注」する立場にあぐらをかく人と、むしろそれに甘えないようにする人がいるのだろう。
もちろん、「受注」する立場でも、適当な人だっているのだろうが。

ともかく、僕の体験としては、個人事業主を経験することで、メールのレスは速くなった。
われながら忙しないなと思うときもあるけれど、それで少しは仕事がうまく回ったり、取引先に信頼してもらえるのなら、なかなかいい心がけじゃないかと思う。

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