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今週の、いちばん。第16回/同い年でつるむなんて、死ぬほどダサいなと思っていたけれど。

同い年の人と仕事をしたことが、数えるほどしかない。
この業界に入った当初は、自分の倍、場合によっては三倍くらいの年齢の人に仕事をお願いしていたし、30代も半ばの今となっては、年下でイキのいい著者がいないか探すことも多い。
ようは、年上だろうが年下だろうが、何かに秀でている人と仕事を一緒にしたいし、実際、どんな年代にも優秀な人はいる。

そんな僕だから、長い間、同い年で集まる飲み会みたいなものは、敬遠していた。
小学校の同窓会とかは別だけど、それ以外の会で1978年生まれシバリで集まるメリットがあまり思い浮かばなくて。
極端な話、いちいち同い年でつるむなんて、死ぬほどダサいなぁと思ってた。

でも、先日、期せずして、同じ年に生まれた男4人で飲むことになった。
僕以外は、業種も段階もバラバラだけど、みんな独立した人だった。

ビール片手に、仕事の話を聞いた。
どうして独立したのか、何が苦労だったのか、なんで今でもちゃんと食っていけるのか。
自分だけサラリーマンだから、というのは言い訳にすぎないけど、どの話も刺激的で、それに対して自分はという思いが、さらに酒を進ませた。

そんな中、僕は初めて、同い年でつるむ(自分なりの)メリットがわかった気がする。
ようは、言い訳がきかないのだ。

そりゃ生まれた環境は違うけど、そこからほぼ同じ年月を生きてきて、いつのまにか彼我の差がついた。
あいつのほうが年上だとか、俺らの若いころとは時代が違うとか、そんなつまらない言い訳が使えない。
あるのは、残酷なほど明快な「個」と「個」の差だけだ。

そういうふうに人と自分を比べることをよしとしない人もいるだろう。
でも、僕は断然歓迎だ。
この1978年生まれのライバルたちにどう追いつくか。
あるいは、どうやって自分だけのポジションを確立するか。
誰かの背中が見えたほうが、僕は走る気がわいてくる。
それが同じスタートラインに立ってた者ならなおさらだ。

今週の、いちばんライバルを意識した瞬間。それは、7月25日、新宿の居酒屋で同い年の仕事論に耳を傾けた瞬間です。

*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です(下の「このマガジンに含まれています」のリンクから全部の記事が読めます)

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